見出し画像

Netflix Untold:Sign Stealer

NetflixのUntoldシリーズ、サインスティーラーが公開されましたので雑感とメディアの反応をご紹介です。


★ サインスティーラー事件の概要

ミシガン大学フットボール部がNCAAから対戦相手のサインを不正に入手しいたと告発を受けた。

不正に入手とは「NCAA細則 11.6.1.1 および 11.6.1.2 に規定されている場合を除き、キャンパス外での将来の対戦相手 (同じシーズン) の直接偵察は禁止されている」に違反する行為をいう。

ミシガン大学によるサイン盗み疑惑の範囲には、NCAAがサインを盗むために禁止している電子機器のビデオ証拠と、重要な書類証拠の両方が、また証拠を隠蔽した容疑が含まれている。

ミシガン大学の元スタッフ、コナー・スタリオンズは、ビッグ・テン・カンファレンス11校のチケットを3年間にわたって30試合以上、自分の名前で購入。

2023年11月3日、スキャンダルの中心人物であったスタリオンズは辞任。

スタリオンズは2023年9月1日にセントラルミシガン大学がミシガン州立大学と対戦した試合のサイドラインにいたことから、キャンパス外でのスカウト違反の可能性が生じた。セントラルミシガン大学は、元ハーボーさんのアシスタントだったQBコーチを解任し、NCAAの調査に協力している。

ミシガン大学はNCAAから正式な告発通知を受け取り、スタリオンズ、デナード・ロビンソン(元MichiganのスターQB、今年始めに飲酒運転を起こしクビになっている)、元アシスタントコーチのクリス・パートリッジ、元ヘッドコーチのジム・ハーボーがレベルI違反を犯したとされている。

★ コナー・スタリオン


Untoldで初めて語られたコナー・スタリオンの主張は、Michiganファンの私から見ても「かなり黒」。

そこら辺はジャーナリストにまかせるとして、
印象に残ったのは「Michigan Man」という存在と憧憬。Michigan Manという単語は知っていましたが、たんにファンというより求道者、宗教みたいでしたね。彼のMichiganフットボールへの熱い想いは、遠い異国のMichigan卒でもなんでも無い、1人のMichiganファンの心に刺さっちゃいました。

また、士官学校卒という特性か、「目的を達するまであきらめない」姿勢、敵をスパイする能力は想像以上でした。

なお、彼が主張したカレッジフットボールのサインの闇市場についてなどは
下記記事を参照。Big10所属チームのスタッフが匿名を条件に証拠を開示しています。


★ Michigan大学側の反応


現在までのところ、スタッフ陣からのリアクションはネットには流れていないですが、元プレーヤーでLBのMichael Barrettは「試合後抱き合って喜んだ」とのことで彼への好意は続いているようでした。
SNS上でもMichiganファンの中にも、彼のチームへの貢献を称える者とチームの名を汚したと捉えるものが入り混じっています。

Michigan大学はラトガース大学、オハイオ州立大学、パデュー大学が不正にMichigan大学のプレイブックを共有していたとし、証拠の文書を公開しています。


★ メディアの反応

■ Micah Brown(本作の監督)

まず、このUntoldの制作者、ブラウン氏自体が番組製作の過程を通じてコナー・スタリオンとの間に友情関係が芽生えたと表明しています。
そのうえで「彼の視点は、自分が標的にされたと感じ、他のみんながやっていることをやっていたということだ」「彼はただ、それをより上手にやっていただけだ」と「オーディブル」への取材で語っています。

■ The Athletic(NY Times)

Stewart Mandel記者
Netflixの「サイン・スティーラー」で、コナー・スタリオンズは自分が被害者だと信じ込ませようとしている。彼は被害者ではない。

Austin Meek記者
スタリオンズ事件の紆余曲折を取材してきた者として 、私はドキュメンタリーの陰謀と不条理の入り混じった部分に共感を覚える。誰を信用し、何を信じればよいのかを知ることが、この事件全体の中で最も難しい部分だった。スタリオンズ側の話を聞くと啓発されるが、「サイン・スティーラー」では主人公が信頼できる語り手ではないことが明らかになる。

■ シカゴ・サンタイムズ


リチャード・ローパー記者
このドキュメンタリーは、ジャーナリズム的に正しい方法で事実を述べており、物語の主要人物へのインタビューは洞察力に富み啓発的であり、議論の双方に、自分たちの主張を裏付けるためのまったく新しい弾薬の戦略を与えている。「パルプフィクション」のモノローグを思い出した理由がわかりました。NCAA のルールによると、それは次のように分類されます。

・テレビ放送からシグナルをデコードできます。
・試合映像を観てシグナルを解読することができます。
・2 週間前にそのチームと対戦したチームの人から情報を収集することで、チームのシグナルについて知ることができます。
・高度な、直接対面での信号の偵察は不可能です。

それは…矛盾しているように思えます。なぜ最後の行為は一線を越えるのでしょうか? 他のサイン盗みの方法よりも本当にそれほどひどいのでしょうか? 結局のところ、それはサイン盗みと呼ばれています。すべてが少し怪しいです。

■ スポーツ・イラストレイテッド


パット・フォード記者
このドキュメンタリーは、スタリオンズが誰なのかを伝え、昨年 10 月に彼の名前が悪名高いようになって以来、初めて彼へのインタビューを収録したという以上の成果はあげていない。彼のミシガン ファンとしてのルーツと深さについての洞察を提供している。そして、彼自身と彼の愛するウルヴァリンズに対する NCAA の制裁につながるようないかなる活動にも関与していないという極めて疑わしい主張を表明する場を彼に与えている。

■ スポーツニュース


ビル・ベンダー記者
ドキュメンタリーは、NCAAの疑惑に関するグレーゾーンを回避し続けている。ハーボーがスタリオンズのサイン盗み作戦の根深さを知っていたとは直接言っていないが、その作戦が下級スタッフによってどのように資金提供されていたのかという疑問をさらに提起している。 ブラウンは、映画の撮影を通じてスタリオンズと友情を育んだことを後に認めながらも、物語の両面をうまく伝えている。

■ ヤフースポーツ


ダン・ウェッツェル記者
Netflix の新しいドキュメンタリー「Sign Stealer」に関しては、監督の ミカ・ブラウン が指摘しているように、物語が「コナー・スタリオンズの視点」を通して語られていることを覚えておく価値がある。

スタリオンズがミシガン大学の対戦相手の事前偵察に関する一連のNCAA違反を認める瞬間を待っているなら 、ジム・ハーボーがコード・レッド(またはスカーレット・アンド・グレー)を命じたことは言うまでもないが、それは実現しないだろう。

スタリオンズ氏は単独で行動したと主張したが、その説明としてNCAAのスカウト規則の曖昧な文言に頼っている。

スタリオンズは、昨シーズン、セントラルミシガン大学のサイドラインにいたのが彼だったかどうか(おそらくスパイサングラスをかけていた)さえ言わない(ただし 、バースツール・スポーツの社長デイブ・ポートノイは、その件で彼を暴露している)。

このドキュメンタリーの強みは、別の意味での暴露にある。主に、無名のミシガン大学のスタッフから近年の大学フットボール史上最大の話題の中心人物にまで上り詰めながらも、メディアに語ることはなかったスタリオンズが初めて公の場で語った言葉である。

ここからはドキュメンタリーの反応ではなく、サインスティール事件全体についての感想

■ フォックス・スポーツ


コリン・カウハード記者
このスキャンダルは誇張されていると述べ、「はっきり言って、大麻やスポーツ賭博と同じように、誰もがサインを盗んでいる。やり方が違うだけだ。テレビに映っているあの男がミシガンとオハイオ州の違いだとは思わない。もっと優れたコーチ、もっと優れた計画、そしてもっと肉体的な戦いだったと思う」

ジョエル・クラット記者
「ルール違反がなかったと言っているのではない。それが起こらなかったと言っているのでもない。スポーツについて、フットボールについて知れば知るほど、これが実際に試合に与えた影響は小さいと分かると思う。しかし、フットボールについて知らないほど、(それが)大きく影響したと考える可能性が高い。それがすべてのプレーに影響を与えたと思いますか?すべての試合に影響を与え、必ずしもそうでない限り彼らは勝てないと思いますか?必ずしもそうではない。」

■ ESPN


ポール・ファインバウム
ミシガンの最も厳しい批評家の一人であるESPNのポール・ファインバウムは、スタリオンズの行動が試合に大きな影響を与えたとは信じておらず、「『オーケー、コナー・スタリオンズとこのすべてのせいで、どこにアドバンテージがあったのか?』と言うには証拠が必要だ」と述べた。私はそれを見たことがなかった。1試合か2試合で彼らが逆転したのが明らかだったとしたら?しかし、彼らの試合のほとんどはかなり説得力があった。

★ さらなる疑惑


今回の騒動は、「謎の第三者機関」がNCAAに情報提供してことにより始まったとされています。
その「謎の第三者機関」はMichigan大フットボール部のサーバとコナー・スタリオンのPCに不正アクセスし、NCAA,ワシントン・ポストの記者(ライアンデイの同級生)、オハイオステートのファンサイト上に盗まれた情報が投稿されました。
ドキュメンタリーの中で「謎の第三者機関」とライアン・デイの弟との関係性が指摘されています。

★ まとめ

ご覧になった方はどのような感想を持ちましたか?

まとめとして、色々書きたいことはあるのですが、Michiganファン以外の方からすると、どれも言い訳とか都合よく解釈という類の話になってしまいそうで、書いては消し、書いては消しを繰り返し、想いを文章化するのを諦めました。

本文は、Michiganファン視点というバイアスが掛かっていますが、ただのMichiganファンの戯言です。ご容赦ください。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?