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車のメーターフードをカーボンカスタム!

こんにちは!GOです!
今回は、最近改造していた僕の車のメーターフードについて、技術的な部分も含めて解説していこうと思います。

目次
- 目標
- 背景
- 使用機材
- 材料
- 作業内容
- 成果

目標
- 内装をシンプルにする
- 見やすい位置にメーターを配置する
- DIY感を感じさせない、高級スポーツカーのような雰囲気に

背景
追加メーターは付けたい!けど後付け感は出したくない!

- 純正がかなりシンプルなので、どう足しても後付感が出てしまいそう
→ 純正から要素を引き算し、メーターを足す

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[写真1]純正メーターフード周り

これまでのメーターフードカスタム遍歴

追加メーターキット付属の汎用ステーで固定

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[写真2]汎用ステー

不満点
- あからさまな後付感

3Dプリンタによる3D形状のオリジナルフード

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[写真3]3Dプリンタ出力品

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[写真4]3Dプリンタ出力品を純正メーターフードに固定

不満点
- 滲み出るDIY感
- 位置が高くて若干視界の邪魔
- やはり拭いきれない後付感

使用機材

3Dプリンター
- FLASHFORGE CREATOR PRO

ニッパー
- ツノダ TTC KingTTC 喰切りニッパー EN-165S

カッター
- オルファ25mm,9mm

パテ用スクレーパー
- Holts MH911

ランダムサンダー
- BOSCH PEX260AE、Qiilu 5"エアーサンダー

ランダムサンダー用ペーパー
- #80,#180,#240,#320,#400,#600,#800 各2~4枚

耐水ペーパー
- #320,#400,#600,#800,#1000,#1500,#2000 各1~2枚

エアーコンプレッサー
- SK11 オイルレス SW-231

FRP樹脂用ハケ
- アサヒペン ペイント刷毛 30mm OT-30

脱泡ローラー
- Vgeby ローラーキット 3セット

カップ
- ヨトリヤマ 使い捨て塗料容器 400cc 607

ノミ
- E-Value 木工用DIYのみ ショート 9mm

ハンマー
- ダイソー プラ/ゴムハンマー

塗装ガン
- SK11 重力式 口径1.3mm SPGK-13G

コンパウンド
- 3M 5936R,5969R

ポリッシャー
- 高儀 EARTH MAN EP-900SCA

バフパッド
- 3M テーパーウールバフ ハード #5738

クロス
- マイクロファイバークロス

材料

3Dプリンター樹脂
- Ankun ABS 3Dプリンター用フィラメント素材

針金
- 2mm ステンレス

アルミテープ
- ニトムズ アルミテープS 50mm×10m J3230

養生テープ
- TERAOKA(寺岡) 養生用 P-カットテープα

発泡ウレタン
- ボンド商事 BD 発泡ウレタン 750ml

パテ
- ソフト99 09025,09179

発泡スチロール用樹脂
- ホートク 発泡スチロール積層用樹脂

FRP樹脂
- キクメン インパラ アメ色

CFRP樹脂
- キクメン カーボン仕上げ用 インパラ 淡色透明

ガラス繊維
- キクメン ガラスマット#450, ガラスクロス#200

カーボン繊維
- ホートク #200 カーボンクロス 3K 平織り

プラサフ
- 関西ペイント 1液プラサフ(希釈済)グレー

塗料
- 関西ペイント PG80 #400ブラック,#026クリヤー

作業内容

追加メーターがハマる部分の3D造形

この工程でのポイント

- メーターがピッタリ収まる内径の円筒
- 2つのメーターが平行かつ丁度良い角度に
- DIY感を抑えるため、この2つの鍔部分のエッジも同一に

これらのポイントを満たす、現実的な造形方法はやはり3Dプリンタだろう。

ということで、ここでの作業内容は

1. 追加メーターの採寸
2. 2つのならべ方確定(間隔、角度など)
3. 3DCADソフトにてモデリング
4. 3Dプリンタにて出力

となる。

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[写真5]3Dプリンタ出力品(素材:ABS)

現在付いてる追加メーターフードの切除

この工程でのポイント

- いかにして純正で既にある要素を減らし、前工程でプリントした新しいメーターを自然な位置に取り付けるか

このポイントを踏まえて、大胆に要素を切り落としていく。
具体的な要素として、追加メーターフード下の3つの穴の部分がある。
左から、

1. ハザードランプスイッチ
2. フォグランプスイッチ
3. リアデフォッガースイッチ

となっている。
1つ目のハザードスイッチは、シンプルにないと不便。
2つ目のフォグランプスイッチは、フロントバンパーを純正から交換しているため、そもそもフォグランプが無いので不要。
3つ目のリアデフォッガースイッチは、使った試しがないのでスイッチ自体は不要。
という感じ。

ハザードスイッチは面積も大きく、ここを切り取らないとメーターは下にオフセットできない* ので、汎用スイッチを別の位置に設けて純正位置は切り取ることにする。
*現状の位置は、若干視界の邪魔なので。

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[写真6.7] 3Dプリンタによる3D形状のオリジナルフード(切除前)

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[写真8]後付のメーター、スイッチ周りをニッパー等で切除

位置合わせ

この工程でのポイント

- 見やすく、自然な位置に取り付ける

前工程で出力した3Dプリント品を、ガッツリ切り落とした部分に現物合わせで仮固定していく

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[写真9~11]仮合わせ

適当な針金の両端をライターなどで加熱してプリント品に刺し、アルミテープなどで角度や左右前後を決めていく。
自然な姿勢で座り、ハンドルに隠れない自然な位置を探る。

全体の造形

この項目が、今回のカスタムのメインと言っても過言ではない。

この工程でのポイント

- 確実な強度でメーターを固定する
- 純正を崩さない自然な曲線で造形する
- 艶出し塗装のため、面も綺麗に遷移する曲面を形成する

具体的な作業工程は、

1. 発泡ウレタンで大体の造形
2. 既存の塗装を剥がし、厚づけパテで整える
3. ガラス繊維を用いたFRPを貼り込む
4. 発泡ウレタン/針金などを除去し、カプセル状に
5. 形確認、生地調整用のプライマーを塗装
6. 細かい造形をパテで整形
7. 下地ブラック塗装

となる。ひとつずつ項目を見ていこう。

1.発泡ウレタンでの造形

ざっくり造形するにあたり、

- 切削しやすい
- 手軽に盛れる
- コストが安い

素材が良いので、今回はホームセンターに売っている一液型の発泡ウレタンを使用した。(本来は断熱材などに使うもの)
この一液型の発泡ウレタンという素材は、液体状で吐出され空気に触れることで発泡し、体積が増して発泡スチロールのような素材となるものなので、余計なところにこぼれないように広めに養生テープで囲う。

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[写真12]養生テープで囲ったところ

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[写真13,14]発泡ウレタンを持ったところ。これは盛りすぎ。

十分に発泡ウレタンが盛れたら、カッターや荒いヤスリなどで大体の造形をしていく。

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[写真15,16]ざっくり造形。ここからパテやFRPを盛るので若干痩せ気味に。

2.既存の塗装を剥がし、厚づけパテで整える

ざっくり造形が出来たら、厚づけパテで盛っていき、さっきよりは細かい曲面を荒い紙やすりなどで造形していく。

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[写真17~20]厚づけパテを盛り、削って造形

3.ガラス繊維を用いたFRPを貼り込む

ここからはFRP造形のメインの構造物の部分となる。
まずは整形した形を固めるため、直に樹脂を塗り込んでいく。
発泡ウレタンが露出している部分もあるので、樹脂で溶けないように「発泡スチロール用樹脂」を使用。(発泡ウレタンであればFRP用の樹脂でも溶けないという情報を作業後にみたが、未検証。)

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[写真21]発泡スチロール用樹脂を数回塗りこんだ様子

発泡スチロール用樹脂の層の厚みが十分に出来、表面を軽く均して足付けと脱脂を行ったら、いよいよガラス繊維を貼りこんで行く。

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[写真22]使用する樹脂、ガラス繊維など

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[写真23,24]荒目のガラス繊維を、3層程度貼り重ねていく。

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[写真25,26]細目のガラス繊維を貼り込む

4.発泡ウレタン/針金などを除去し、カプセル状に

このままだと発泡ウレタンが埋め込まれた状態になってしまうので、それらを除去していく。

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[写真27]細いノミでガラス繊維層まであらかた除去していく

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[写真28]除去後

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[写真29]除去後、境目の部分はパテも残っているが、見えないところなので深追いしない。

5.形確認、生地調整用のプライマーを塗装

ここで造形の確認と、生地の調整のためプラサフを塗装していく。
今回は一液型のプラサフをガンで塗装。

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[写真30]塗装の様子

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[写真31]3回程度プラサフを塗装し、軽く磨いた状態

6.細かい造形をパテで整形

プラサフを吹いて1色になったことにより、陰影で造形が甘いところが分かるようになるので、ファイバーパテ等で整形していく。

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[写真32]ファイバーパテを盛った様子

7.下地ブラック塗装

造形が決まったら、ブラックを塗装。
最終的にはカーボンを貼り込んでいくので、目の隙間などから下地が見えてしまう場合があるので、馴染ませる意味でもそこそこ綺麗に黒を塗装していく。
今回は、2液型のウレタンブラックを使用。

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[写真33,34]カーボンの目を綺麗に整列させるため、曲面が崩れないように&塗膜でより整うように気持ち厚めに塗装。

この時点でクリアを塗装して仕上げれば、真っ黒のオリジナルメーターフードとして完成!も良いが、折角なのでもうひと手間加えていく。

カーボンの貼りこみ

ここからは高級感とスポーティ感を増すために、本物のカーボンクロスを貼りこんでいく。

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[写真35]ツヤツヤの状態だと、樹脂が馴染まずに剥がれてしまう可能性があるため、足付けと脱脂を行う。

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[写真36]カーボンクロスの貼り。繊維がほつれやすいので、編目を崩さないように貼るのがポイント。

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[写真37,38]樹脂を塗って→整えてを綺麗になるまでくりかえす(今回は4回程度樹脂を塗りこんだ。)

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[写真39]カーボンクロスをコーティングする十分な樹脂を塗り重ねたら、耐水ペーパー(#600~#1000)で表面を綺麗に均し、クリア塗装で仕上げていく。(2液型ウレタンクリア、3~4回程度)

仕上げ/取り付け

トップコートクリアが完全に硬化したら、耐水ペーパー(#800~#2000)で水研ぎ、コンパウンドで艶出しをしていく。

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[写真40~42]コンパウンドで磨いている様子

コンパウンドで目に見える傷が無くなり艶々になったら、カーワックスを2~3回程度コーティングしてピカピカに。

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[写真43,44]ワックスがけまで完了。ピカピカ

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[写真45]メーターをつけ、車に取り付け。

成果

最高にかっこいいメーターフードが完成!

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[写真46~49]メーターフード、完成写真(日中)

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[写真50,51]メーターフード、完成写真(夜)

光沢仕上げの内装は市販車の純正だと滅多に無い仕様なので、パッと見で「お、なんか違う!」感が出ていてご機嫌仕様に仕上がった💪🏻

表面の滑らかさと素材感の良さもあり、「元々こういう仕様?」「ショップにワンオフ依頼?」「え!?DIY!?」となるような完成度になったのではないかなと…?

目標である

- 内装をシンプルにする
- 見やすい位置にメーターを配置する
- DIY感を感じさせない、高級スポーツカーのような雰囲気に

という3つも達成出来た。

市販車に珍しい光沢内装ということもあり、実用性も含めて見ていく。

光沢内装メリット

- 見た目が艶々で綺麗
- 街頭などで流れるように光ってカッコイイ
- 「一般車と一味違うぞ!」感が出る
- ツルツル拭けるので、掃除が楽

デメリット

- 夜間はメーターフードに映った光がフロントガラスに若干映り込む(僕はそんなに気にならなかった)
- ここだけピカピカカーボンだと、ちょっと悪目立ちをしてる
- DIYで作るには難易度が高い。

予想されるデメリット

- 紫外線による、樹脂/クリア層のダメージ(ひび割れ、艶の引き、黄ばみ等)
- 表面の定期的なメンテナンス(洗車のタイミングくらいで、一緒にワックスがけはした方が良さそう)

ハザードスイッチを取り付け、数回乗ってみた感じだとこんな印象でした。

満足度 100点満点中、100点!

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