見出し画像

note感想🌟 私が散歩をやめた理由(ワケ)【創作大賞2024応募作エッセイ部門】



ここ4か月、あの道を歩いていない。
週末必ず通っていた散歩道。

景色を見たら、苦く切ない感情が溢れてしまうから、歩けない。
全ては一つの出来事に行きつく。


あの人と夢見た未来。

それが閉ざされた悲痛。

散歩道を封印した。

もう思い出さないように。


20年前に辛い恋愛をしてから、もう自分しか人生は変えられない、これからも人を好きになることはない、とずっと思っていた。


恋なんてもうしないと決めていたのに…


何年も働いている職場で初めて見る顔。彼は間違いなく、モテるタイプ。(主観が入るが)スタイル、ルックスもよく、少しコワモテだ。ただ、私の好みではない。


鉄壁のガードは、崩されない……はず。


クールで、どこか品があって、私の話を聞いて笑ってくれるときのキラースマイルが焼き付いて、寝ても覚めても彼のことばかり考える。勉強すら手につかなくなった。まさに熱病だ。


恋に落ちてしまった。


全く違う世界観を持った人。話をすると全てが新鮮だった。一方で、仕事に対しては、共感できるところもあった。


ぐいぐい引き寄せられていく。

わたしは心を開いたよ。

あなたは、どうするの?


街の散策が趣味ということもわかり、週末、散歩しましょうという流れになった。


散歩デート💞


その後しばらくすると、なぜか、避けられているような雰囲気。


なぜ!?


今振り返ると、ただただ散歩エリアに興味があっただけなのだと思う。彼なりに、勘違いされないように、けん制していたのかもしれない。とはいえ、そこまで私は前のめり感だしていたのかな?一切イニシアチブはとっていないのに。


どこで引かれてしまったんだろう…

途中までは、たしかに良い感じであったはず。


一方、私にとっては、あの日以来、自分の地域周辺を散策したがために、どの方向に向かっても、一緒に歩いた道にぶつかってしまう。悲しい気分になり、散歩もできなくなってしまった


彼を思い出してしまう。



独身であることに対し、否定的なコメントをし、家族を持ちたい、といった内容を明言していた。環境の変化があったにせよ、そんな話を持ち出す必要などあっただろうか。

意図的だったのか、無邪気な会話に過ぎなかったのか、わからない。あえて、私を傷つける必要があったのだろうか。自分が否定された気分。そしてそれまでのキレイな思い出までも台無しになってしまった。

怒りすら覚えた。


すべて意図的だとしたら、かなりの意地の悪さ。

すべて無邪気さなら、かなりの鈍感。

どちらにせよ、フェードアウトしたほうが良い相手だと思います。


そもそも、なぜ別世界にいる人に惹かれたのか、なぜどうでもよかった恋愛でここまで傷ついたのか。
ここから、自分自身を見つめ直さなければならない


欠けているピースはなんだろう?


完成すべきパズルのピースが埋まっていない。そのピースは何なのか?
何かを世の中に残したい、という願望に対する答えだ。


自己の存在証明。

何のために生きるのか。

表現すること。

生み出すこと。

それが欠けたピース…?


今回の失恋をきっかけに、あの頃の想いがよみがえった。

そうだ、書いてみよう

ペンがナイフになった瞬間。

心を抉り出すかのように過去を振り返り、流れる血液の如く溢れる気持ちを文にしたためる。


切れば血の出るような文章。

ペンはナイフ。

心から抉り出すものは生命の脈動。


ペンは、辛い感情の波から私を守ってくれる防波堤にもなる。

ここ何年間か、抑えていた気持ちの反動が怒涛のようにやってきた。そして、書くことで自分を取り戻した。


書くことが本当に好きなんですね。


Everything happens for a reason. (全てのことに意味はある)


すべてつながっていて、どこかへ導かれている。


“あの人”を先日見かけ、軽く挨拶は交わしたものの、私が知っている彼はそこにはいない。


風と共に去りぬ。

今は、新しい風が吹いている。



ずっと避けてきたあの道。あの日のどんよりしていた雲は自分の気持ちの表れだったのではないか。

 今度は違う景色がみえるかもしれない。晴れた日に、また歩いてみよう。


もう昔とは違うから。

新しい景色が見える。

あの人は遠くなった。





ATF@ウェルネスリトリートさん、素敵な記事をありがとうございました♫



【今日のオススメ記事🎁】










よろしければサポートお願いします。いただいたサポートはnote活動費に使わせていただきます。