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note感想🌟 「あの日、彼女と出会った。」


あの日、絶望を知ることになる。


順風満帆のように思えた仕事の歯車がある日、突然、狂った。



当時の心境を振り返ると、
随分と余裕を持っていた記憶がある。

というよりは、慢心してしまっていた。


ナオさんは、振り返る。

自分に過失は無かったか?

次へ、進むために。


いつもPCの前で隙あらば動画やネットを楽しむ。

そんな時、一通のチャットワークが入る。

「弊社代表が代わりまして、一度打ち合わせ出来ますか?」

誰それ・・・。

何となく嫌な予感がする。

元々5年ほどの付き合いで、
よく今後の打ち合わせをしてきた相手。

でも、不穏な直感は拭えない。

そして、予想の通り崩壊した。


ひとつの物語が終わった瞬間。


フラフラと視点が定まらない。
ぼーっとしながら、車に戻る。

一番の大きな案件が消える。
売上の半分が消えるということさ。

意識を失いそうな足取りで、
車の運転席にもたれかかる。


なにがなんだかわからないけど、悪い夢を見てるみたい。


ふとスマホを見るとチャットワークが数件。

「契約を終了しようと思います」
「今月でやめるつもりです」
「他者にお願いをする予定です」

は・・・?

今、終わったばっかしじゃん。
なんで・・・?

嫌な予感すらすることなく、
契約終了の波に襲われる。


どこまでイタい目にあわせたら、気がすむの??


こんな連続して起こるなんて人生で初。

一つずつ対応しながら、
ダメなものはダメ。

せめて1か月でも引き伸ばすように、
お願いするようじゃお終いさ。

あっという間に、売上が3割まで落ち込む。

『どうして、私が何かしたの・・・』


みんなよってたかって、ひどいよ!


新規で受注を取ることも考える。
ただ、メインは小さな事業者。

急に70%も吹き飛んで、すぐに動けない。
というより残りの30%だって分からない。

逆算する、私はいつまで持つのだろう・・・。

『病む、意味が分かんない』

どれくらいの時間だろう。
事務所の椅子に座ってうつむく。


ナオさんは、ナオさんの内面へ潜っていく…



きっと状況は変わらない。
少しずつ、時間とともに諦めていく。

無情にも、この間に追加で
解約の問い合わせがくる。

無表情、
『もう消えていけ』

涙が止まらない。
心が壊れていきそうになる。

たった、半日のことなのに、
老け込むほどに、重い時間。


大丈夫。まだ、大丈夫だから。



無意識に考える。

何度かいい案はないものか。
起死回生はないものか。

考えれば考えるほど、
絶望を繰り返す。溢れ返るため息。

『生きてても仕方ないかな』

取引先の電話がかかる。
無視、もう心に入ってこないで。


詰みかけたそこで……



目をつぶって、机に伏す。
このまま眠って一生起きなければいいな。

・・・
・・・
・・・

眠れる訳はない。
ずっとぐるぐる頭は回る。

どれくらい時間が経ったのかな。
1時間、2時間?覚えてない。

ずっと目をつぶって同じ姿勢。


無意識にずっと考える。あきらめて、いないから。


想像していた。
脳裏に映る「橋」のようなイメージ。

先はよく見えない。

見に行こうと歩き出す。
明らかにやばい雰囲気を感じる。

暗く、おぞましい、形容しがたい雰囲気。
それでもいい、もう行ってしまえ。

どうなるか何となく分かっていた。
でももういいんだ、楽になるならそれでもいい。


あのとき、近いところにいた。そこで出会った。



「どこ行くの?その先は危険だよ?」

橋の隣に座っている。

よく見えない人のような。

『え?誰?』

「誰だっていいじゃん、どこ行くの?」

『この先に・・・』

「なんで?」

『もう嫌になって・・・』

「ふーーん」

『ふーーんって・・・もういいでしょ?』

「じゃあ、嫌にならなきゃいいじゃん」

『いや、他人事だと思って』

「思ってないって、全部知ってるから」

『は?』

「全部変えてやればいい」

『変えてやればって・・・』

「まだ終わってない、これからだよ」

『あんた、誰?』

「私はね」

目が覚める。


この人、誰? なんで全部知ってるの??


ハッ、と目を覚ます。

机の上、あのまま寝ていたのか。
想像していたのか。

派手な考え方、あんな人に私もなりたい。
まだ終わってない?


その時、ナオさんの歴史が動いた!


『note書こう・・・』

2023年6月27日。
目が覚めた後に、記事を書く。

深い絶望を感じると人間、現実逃避する。
あの日、確かに一度諦めたんだよね。

少し時間が経てば冷静になる。
人間適応の生き物さ。


ナオさんの復活劇が始まる。


家に帰る。状況は変わってないけど。
少しだけ気分はマシになっていた。

家には猫さんが一匹いる。
捨て猫で6年。早いもので一緒にいるよ。

帰ってくればいつも寄ってきてくれる。
感謝しかないよ。


猫に癒される。愛のかたまりのような生き物。


「へぇ、この猫さんかわいいじゃん」

『え?』

「あんたが死んだら、この子どうなんの?」

『それは・・・』

「ってことさ、この子にも働いてもらいなよ」

『どういうこと?』

「その内わかるよ、しみったれたあんたよりいい仕事すんじゃない?」

『意味分かんない』


また、彼女があらわれた。不思議なことを言う。猫と仕事……?



あの「橋」の前で会ったような記憶。
夢か想像か分からないけど、今も覚えてる。

何者でもない、からこそ誰よりも早く。
行動して「橋」で会ったあの人のようになる。

何て思いながら、半年弱。
少しは近づけたのかしら。


彼女のようになる。

派手な考えをするあの人のように。



そう言えばあの時、かかってきた電話。
折り返すと、旧知の顧客の救いだった。

全然状況はまだまだ。
でも、人生心まで腐ったら終わりさ。


捨てる神あれば拾う神あり。

まだ、大丈夫。



現実は甘くない、
変わらないなら変えるしかない。

今「橋」の前にいるんなら、
言ってあげるよ。

『どこ行くの?その先は危険だよ?』


ナオさんは、彼女のようになる。

それが、ナオさんの新しい物語。



ナオさん、ご協力ありがとうございました♪




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