選択機

先日、誕生日を迎えた。中高・大学の同級生たちは、バリバリ働いている人や結婚して家庭を持った人、海外転勤が決まった人、新しい自分の夢に向かって挑戦している人など、みんなそれぞれの場所で頑張っていると聞く。

一方僕はどうだろうか。

身分としては学生。多少のお給料はあるものの、完全に自立しているわけではない。

大学受験の際、職に就くということが明確にイメージできていなかったため、(自分の中で)持っていた選択肢は「医歯薬」か「それ以外」だった。僕は「医歯薬」を選び、失敗し続けた。

なんとか「それ以外」の大学に入ることができ、所属研究室を選ぶ時。ほぼ決め打ちで希望を出した。誰に頼まれたわけでもなく、なんとなく「ここに入らなきゃ」という自意識が働いていた。

修士に進学する際、ここでも進学が当たり前だと、就職の選択肢に目もくれず進学の選択をした。進学後は就活を意識していたが、実際始めてみると「これはやりたい仕事なのだろうか」と生意気にも考えるようになっていた。かといって、自分がやってみたい職につける立場・状況・技量にないことも分かっていた。

そんなタイミングで博士に進学しても良さそうな状況に出会ってしまったもんだから、僕は進学を決めた。研究している内容は面白いことだと思っていたから続けること自体に抵抗はなかった。そして今に至る。

同級生たちがどのようなビジョンを持って学生生活を過ごしていたのかは定かではないが、僕自身は、、、目先のことでしか判断していなかったように思う。将来どんな風に生活しているかなんて碌に考えていなかったし、考えることができなかった。だってそんなこと考えたってどうなるか分からないと思っていたから。

人生において大きな決断をするとき、目の前の選択肢で「どっちがやりたいか」を(無意識ではあったが)選んできた。選ばせてもらってきたという方が正しいか。もちろんそれで全てうまく行くわけではないし、選択に後悔がなかったわけではないが、納得はしている。

次は自立するための選択がやってくる。どんな選択肢が目の前に現れ、どんな選択をするだろうか。

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