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OFII(移民局的なところ)へ

フランスは移民が多い国だ。だからこそ移民への対応がしっかりしている、と思う。日本とは全く違う。いいとか悪いとかではなく。

移民局的なところから2回招集され、移民1年目の色々な手続きをしたのでその記録を。

1ヶ月半くらい前に召集の紙が来た

フランスに来たのが5月の終わり。

私は日本にいる間に在日フランス大使館で配偶者ビザを取得していた。その際「入国したら3か月以内にビザの有効化(validate)してくださいね」と言われていた。3か月も待つ理由はなく到着翌日に作業。
ネットで色々入力して(たしか住所とか)、200ユーロを払った。

夫が日本で1年の配偶者ビザを取得した時はたしか3,000円払っていた。私がフランス大使館でビザを取得した時は無料だった。無料なんか~!とか思っていたけど、やっぱりそんなわけないよね。200ユーロ、25,000円弱かぁ。カード決済見たら27000円だった。いい加減1ドル約100円(いつの時代?)、1ユーロ約120円の思考から抜け出さなければいけない。

この後、移民局との面談や語学チェックがある、と先人たちのブログで情報を得てたけどなーんにも連絡ない。日本の移民はビザが下ると同時に「在留カード」をもらう。それが身分証明の代わりになる。よく考えると便利。
今の私はパスポートしか身分証明書がない。不便すぎる。

まあとにかくやっと招集が来た。
持ち物はパスポート、ワクチン接種歴、最近の肺のレントゲン写真(あれば)、眼鏡(ある人は)、入院歴(あれば)、妊婦カード(該当者。どうやら母子手帳みたいなものらしい)

ちょっとした旅行へgo!(1回目の招集)

本来なら私一人でひょいっと行くところだけど……
娘は幼稚園拒否中。義母はバカンスで不在のため面倒見れない。ということで夫が学校を休んで面倒を見ることになっていた。

私はせっかくのボルドー。お昼ご飯をどこで食べようか超真剣にリサーチをしていた。
ボルドーは学生の街。日本語教育が有名な大学があり&そしてそもそも大都市であるため日本人が多い=日本食レストランも多い。
対して我が町はSamurai、Sakura、Kinsuzhiなど、あぁはいはい、といういかにもな名前の日本食レストランが数軒。どれも経営者もシェフも日本人ではない。しかもメインメニューは寿司(うどんや唐揚げなども多少用意されてるが)。私は寿司ではなく普段の日本食が食べたい。

そんなリサーチをしながら、どっちみち夫も娘も家にいるなら、一緒に行けばよいんじゃなかろうか?と。日本食を食べる幸せをみんなで共有できる!(とは言っていたが、人数が多ければ注文するメニューも増える=色んなものが食べれるという算段もあった)。

ということで家族揃ってボルドーへGo!

ペリグー→ボルドーは片道20ユーロ。約2800円。私がかつて住んでいた浜松に、名古屋から在来線で行くより高い。ペリグー⇔ボルドー間は自由席。在来線みたいな感じだけど停車駅は少ない。

午前に肺のレントゲン撮影

10時に「放射線オフィス」的なところに来るように言われていた。これはOFIIとは関係のない施設で、検査施設。

ちなみにフランスはもうしばらく前からマスク無し生活だけど、こういった医療機関は入館時にまだマスクが必要。

ここにOFIIが検査を委託しているだけだと思う。色んなブログで早く行って並んだ方がいい、とか早く行ったのにすでに並んでいる人がたくさんいた、みたいなのを聞いていたので割と早めに行った。集合15分前に入館したが、なんてことはなく普通にパスポートとか出して受付して数分待ったら呼ばれレントゲン撮影。

噂には聞いていたが、ブラもとって下着も全部脱いで上半身裸で!だった。日本では金属が付いているからブラはとるけど、その上から検査着きたり、下着シャツ着るんだけど。

レントゲンもさっさと終わり、到着から終了まで正味20分。先人たちのブログで読んだのとなんか違う。

午後に問診

午後はOFIIのオフィスへ。時間までは入れないらしく、セキュリティのいかついおじさん二人が立つ入り口の前の狭い路上で待たされる。

荷物検査と、空港にあるみたいな金属探知ゲートを通ってセキュリティチェック。その後、待合室みたいなところでメンタルヘルスに関する質問30個くらいに答えた。これは日本語訳が用意されていたのでそれをもらった。日本でも何かの折にたまに受ける「沈んだ気持ちになることがある」みたいな質問にYes/Noで答えていく感じ。

看護師の問診
最初に看護師さんとの面談に呼ばれた。
まずは、メンタルヘルスチェックの紙を一通りチェック。看護師さん日本語読めないからたまに「この回答は英語でいうとYesってこと?」と逆に質問された。結構いい加減だな(笑)。

それから、自身および家族の既往歴聞かれたり、前回の出産のこと聞かれたり。あとは体重・身長測って、視力検査、血圧測定。

あなた!目が悪いから絶対に眼科行きなさい!と言われた。。。視力が低下しているのは知っていたけど、日本の運転免許の更新でも、ギリ眼鏡必要と言われていないから危機感あまりなかったんだけど、やっぱり行った方がいいよね、眼科。左右の視力差がやばい。

医師の問診
次は医師のいる部屋に通され、予防接種歴の確認他、看護師さんに聞かれたのと同じようなことを聞かれた。最後に、書類に大きなハンコもらって「これ、次のビザの更新の時に県庁に提出する大事な種類だからなくさないように!」と言われ終了。

「この書類、絶対になくさないように!」がフランス多すぎる。行政側で色々データ把握できないん?自分の過去の給与明細とかも全部紙で取っておくんだって。こないだ夫は10年前の給与明細とかを実家の屋根裏から掘り出していた。

ところで、日本で夫のビザ取得や更新の時に、健康に関するチェックって一度もなかった。申請書に健康面を記入する欄もなければ健康診断なんてもちろんない。

移民の健康をチェックするというのは、どんな考えの元に行われているのだろうかなんて気になったり。健康面がダメでOKもらえない人とかいるんか??

ボルドーでの楽しみ

午前のレントゲンと午後の診察の間の時間は家族で日本食のお楽しみ!!

日本食ランチ

2019年にオープンした「ボルドーで一番」といわれる日本料理店に行きたかったのだけど定休日。もう一つ行ってみたかったお弁当屋さん「BENTAUEX」へ。

大人2人、2歳児1人。しっかりと3人前頼んでしまった。お子様メニューあるよ、と言われたけど、私が色々食べたいから3種……。から揚げ弁当、ミックスフライ弁当、とんかつ弁当。

日本人の方が調理していて、どれも日本の「おいしいお店」のクオリティで幸せすぎた。しっかりした量の3人前を2.5人で食べておなか一杯のはずなのに、デザートのどら焼きと抹茶ティラミスまで頼んでしまった。

からあげ弁当
とんかつ弁当
ミックスフライ弁当
抹茶ティラミスとどらやき

ちなみにこの店も、ボルドーNo1日本料理屋のこともネット検索で知った。

異国で和食屋を探す時は絶対に日本語で検索した方がいい。日本人による評価が知りたいから。Google mapsとかだと現地人が「めちゃ最高!」とか書いてること多いけど、彼ら、日本食ってだけで美味しいと感じてる節がある。日本人の舌による評価が重要。なので日本語で書かれているブログとかを参考にしてる。

食材購入

昼食後は日本食材店へ。マンモスアジア食材店がボルドーにあるのだけど、私の予定に合う時間内に行ける距離になかったので、街中にある小さい日本食材店へ。とはいってもペリグーには小さなアジア食材店が2軒、どちらもベトナム系で、日本の食材は隅っこに超基本的な醤油、みりん、乾麺、海苔が売っているくらいなので、それに比べたら規模も日本度も違う。

あれも欲しいこれも欲しいとなるが、とにかく値段が日本の3倍くらい。しかも冷凍餃子とかは、午後の面談、電車1.5時間がある私には購入不可。

結局値段にビビり、判断能力が正常ではなくなり、訳のわからないラインナップを購入した。

柿の種、小分けでもたしか1ユーロくらいした高級品。

私は都会っ子なのかもしれない

ボルドーは、過去に電車の乗り換えで来たことがあるだけで街を歩いたのは初めて。

私はカントリーガールだと言われ育ち、自分自身もそんなに都会に憧れのある人間ではなかった(現に関東圏にある大学に通っていたが、東京に憧れてではなく行きたい学部があったからたまたま。学生時代、将来は関東圏には住みたくないと思っていた)。しかし人口3万人弱の市に住んでいると、やはり名古屋っ子。都会は恋しくなる質

色んなお店がいっぱい並んでいて(買い物好きでは全然ないのに)なんか楽しい気分になった。

あと、色んな人がいた。ペリグーではアジア人はあまり見かけない。難民系の移民か白人しかほとんど見ない。それから若者が多い!ペリグーはきっと平均年齢が高い。シニアに人気の隠居生活場だとよく聞く。ボルドーみたいに大学がたくさんあるわけでもない。

それから、バス頼みではなくトラムとかでスムーズに移動できるのもワクワクした。とにかく色んな人がいてそんな人たちを観察するのが楽しかった。

ああ、定期的にボルドー来たい。しかし夫は人ごみが嫌い。名古屋は別によかったのに。まあ確かにボルドーの方が名古屋より路上の人の密度は高い感じがした。建物の並び方や歩道の広さとかの違いかな。

2回目の招集

OFIIからの2回目の招集は11月の中旬。今度は15時のアポ1件だけ。一人でサクッと行くことに。もちろん今回も昼食の場所の調査は抜かりなく。

今回は語学のチェックとフランスに住むにあたっての面談です、というような内容の招集状がだったような記憶が。

語学講座免除を意気込むも、完全なる実力&準備不足

フランス語の試験でDELFというのがある。フランスで認められている仏語試験で、色んな国で受けられる。英検同様、仏検は日本独自のもので、世界では全く通用しない。

大学でフランス語を第二外国語で取っていた私は「せっかく授業受けたし知識が消える前に」と当時仏検4級を取った。もちろん20年弱前の記憶はもう宇宙の果てに飛んでいて「こんな感じのルールがあった」は覚えているけどそのルールの詳細は全く覚えていない。例えば男性名詞と女性名詞がある、とか動詞の活用形は英語よりも複雑、レベルのことだけしか覚えていない。

OFII招集時に語学テストがあり、それをパスすると語学講座に通わなくてよい、と聞いたことがあった。パスしなければいけないレベルはDELFのA1。一番下のレベル、というと簡単そうに聞こえるけど仏検3級相当。全然一番下じゃない……

仕事、娘の送り迎えなどがある私は、無料だし役に立つと言えど時間の融通が利かない語学講座は避けられるならそうしたい。悪あがきで直前に仏検3級のテキストをゲット(DELFの本買えよ、だけど短期間詰め込みは日本語で学んだ方が早いのでは、と考えた)。結局勉強する時間はほとんどなかった……。

面接当日、仏語の筆記テスト。
大問が4つくらいあって最初の2つはだいたいわかった。が、残りの2つは何の話をしてるのやらチンプンカンプンだった。

テストのあと一人ずつ担当者みたいな人と口頭試験?みたいなのを実施。テストなのかどうかも分からないくらいのカジュアルさだった。

大問1が行政書類とかにある設問が並んだものだったので(名前、住所、国籍などを書くフォーム)同じ質問や家族に関しての質問をフランス語でされた。そのくらいはさすがに簡単に答えられるようになっていた。5ヶ月のフランス生活で。

私の処方箋

その後、別の担当者の個室に呼ばれ、語学講座と市民講座の詳細を説明された。私は語学講座200時間コース、通うのは水木金ね、と言われた。当時娘のヌヌの水曜の空きがなかったので、木金しかいけない、と言ったら「おっけー分かった、じゃ木金ね」という軽い感じだった。

これら講座の詳細を記載した契約書みたいなもの(CIR、共和国統合契約というらしい)にサイン。一つはOFII用、もう一つは自分用。前回のメディカルの時に言われたように「ビザ更新の時に必要だから絶対になくさないように」と。

メールで市民講座と語学講座の詳細が正式文書みたいなPDFとともに送られてきた。このPDFが受講時に必要らしい。どこまでも紙文化のフランス。OFIIから講座主催者に「どこの誰が出席する」という連絡が行っていればそれでいいんじゃないんか?

今回はおひとりさまでの楽しみ

15時の招集に間に合うように、軽食持参で自宅を昼過ぎに出ればよかったのだけど、やっぱり、せっかくボルドー行くなら和食食べたい。

定食的な昼食を

前回定休日のため行けなかったボルドーNo.1の日本料理屋さんはちょっとよいお店。なので家族と一緒に時に行きたいと思い今回はパス。

ボルドー付近に住む日本人の方にtwitterで教えてもらったお店2つの間で迷った。和定食的なお店かラーメン屋か。おいしいラーメンめちゃ食べたい。普段の和食は家で何とか材料揃えて作れるけど、スープが複雑、麺もこだわりがあることが多い日本のラーメン。ラーメンだけは家で満足するものは作れない。

でもラーメンだと食材の量が少ない。色んなものが食べられる定食屋系にすることにした(食事1つに考えすぎだろ)。Cafe Japonais。先日のBenteauxはここ数年できたお店みたいだけど、このお店はボルドーで和食と言えば、の5本くらいの指に入るくらいきっと有名なお店だと思う。

弁当と謳っているわけではないけど、Benteauxと同じような松花堂弁当の箱みたいなので出てきた。色々迷いすぎたので「今日のランチ」にしたら魚の煮つけが出てきた。切り身が4枚くらい入っていて大盤振る舞いだな、と思った。

魚が自分の好みでなかった、とか米もサラダもBenteauxの方がおいしかったというのもあり、どちらかを選ぶならBenteauxだなという感じだけど、ここもおいしかった。しっかり、本物の日本の味だった。

何語で話せばいいのか迷う

入店したとき、当たり前だけどBojour!って声かけられた。たぶん日本人だろうなって女性のマネージャー風の方に。私はフラ語がほぼできない。何名ですか?的なことをフラ語で聞かれたので、人差し指だしながら「un」と答える。

席に誘導され、フランス人らしき女の子がメニューを持ってきて何かを説明してくれた。が、なに説明してくれいるか分からなかったので「フランス語あまりわからないんです」といったら「English OK?」と聞かれ、そこから英語でやりとり。

その後、来てくれた女性はアジア人風、多分日本人なのかなぁという感じの店員さん。先ほどのフランス人らしき店員さんと私が英語で話していたのを見ていたのか、英語で話しかけられた。日本人なのかなぁこの方、あ、でも中国とかの方なのかも……?と思いながら英語でやりとり。

その後、支払いも、最初のマネージャー風の女性と英語でやりとり。店を出るときに、「日本人か?中国の人かも?」と思っていた店員さんが、女性マネージャーと日本語でしゃべっていて、どちらも日本人だったぽいことがわかった。

結局店を出るまで一言も日本語を話さずに終わった。フラ語できないで、フランスにある日本食のお店に行ったとき、日本語でしゃべるべきなのか、どうきっかけをつかめばいいのか、分からぬまま帰ってきた。

そんな話をtwitterでしていたら、フランスで日本食屋さんをやっている日本人の方が「こちらも、お客さんが日本人だ、と勝手には判断できないから、お客さん側から日本語発してくれると助かる」とコメントをもらった。
さらに、他の日本人の方が「私はbojour! こんにちは!」といって入店し日本人らしき店員さんの反応をみる、といっていてなるほど、と思った。

ということで、今度は今回前回行けなかったマンモスアジアン食材店を訪ね、都会を徘徊し、ずっといけていないボルドーNo1日本料理屋さんに行きたい。都会恋しい。

これを書いている今は、既に市民講座を受講し、語学講座が始まっているので、またそのあたりも追々。

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