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注射に強いだけじゃ食っていけない

今日は通院だったので一日中眠っているということはなかった。
上着を忘れて外出したのに病院から帰る足で二郎に並んで体が芯まで冷えている。寒い。

通院しないまま土日を迎え、薬が切れて眠れぬ夜や昼を過ごし、ようやく月曜の今日通院に成功した。
今日も動けずまた明日、とならずに済んでなによりである。

去年の十月くらいに薬が変わって以来、ちょくちょく血液検査をやっている。
私は血管が分かりにくい方であるらしく、血を抜くことになると毎度結構な時間がかかる。

今日もそうだった。というか私の血液検査人生で一番時間がかかった。
看護師さん(メンタルクリニックで働いている人も看護師さんになるんだろうか、まぁともかく主治医ではない諸々の業務をやっている人)も「こんなに分かりにくかったかな~?」と困っている様子で、ついに腕からではなく手の甲から血を抜くことになった。

手の甲から。びっくりした。確かに「こういう検査って肘の裏側の柔いところがどうしてもダメだったらどうなるんだろうな」というのはかねてからの疑問だったが、まさか手の甲からとは。こんな骨ばってるところに針刺して大丈夫なのかとは口に出せず、「あ~手の甲ですね~ハイハイ」と笑っているうちに手の甲に採血用の針がぶっ刺さっているのだった。

当然痛い。が、痛いだけだ。
私は比較的注射に強い人間である。
予防接種とかが平気なのはもちろんのこと、注射が怖い人が白目を剥いて嫌がりそうな採血も「ああはいはい採血ね」程度で済む。
抜かれる血をまじまじと見ていても平気……だが、これは注射とはまた別の分野の話か。

私の人生では稀少な優良パーク(パークというのはゲーム用語かもしれない。ここでは付与効果とかそれくらいの意味で使っている)「注射平気」だが、私としては「まぁないよりいいかな」くらいの特徴でしかない。
だって注射が平気でも別に飯の種になるわけじゃないし、発揮される機会が受動的なのもありがたくないポイントだ。
「ピアノが弾ける」などの趣味と実益を兼ねそうなSランクパークを寄越せとは言わないから、「平日決まった時間に起床し労働する気力がある」くらいのコモンなやつは欲しかった。注射平気なのとトレードしてくれ。

まぁ注射が平気なのも使いようによっては治験バイトに役立ったり献血をしてお菓子を貰ったりと活用できそうなので、やはり私には「生きることに積極的」などの基本パークが足りていないらしい。
悲しい。が、悲しいだけだ。がむしゃらになれたりはしないのだ。残念ながら。

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