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自分のゲームお化粧方法をまとめてみる

 ゲームのお化粧って大事だよね。要はゲームの見た目を整えるという意味だ。ゲームの見た目は、主に【ストーリー・グラフィック・サウンド】の三つが当てはまると思う。これらを良い感じにするのがお化粧だ。良い感じっていうのは、極端な理想だけ言えば、ゲームを遊んでなくても楽しくなるようにすることだ。いわゆる【見てるだけで楽しい】というやつだ。

この記事では、僕のゲームお化粧方法(と考え方)についてまとめる。なお、今回扱うのは主にグラフィック(絵作り)についてだ。ストーリーは作ったことが無いし。


先に自作ゲームで例を出すと、

これを、

こうする方法だ。

1週間でゲーム作ったときに、こうやって2日でグラフィックとサウンドのお化粧をした。このときに使った手法をいくつか思い返しつつ、自分なりのお化粧方法をまとめてみる。

※注意点
・別にハウツー記事ではない
・あくまで僕のお化粧方法をまとめる記事だ

モチーフ(題材)を決める

 ゲームの遊び部分が出来たらモチーフを決める。モチーフの決め方およびグラフィックデザインは基本的に【機能からデザインする】ようにしている。任天堂リスペクトだ。

先ほど例に出したゲーム『PSYCHONTACT』(サイコンタクト)は開発序盤、弾を飛ばして着弾したところに飛んでくっつく自機を操作する】ゲームだった。これを、【念動弾を飛ばして着弾したところに念動力で飛んでいく少女を操作する】ゲームにした。

ようは世界観や設定をでっちあげるということだ。こうした表面レベルのお化粧なら、ゲームシステムがよほど奇抜でなければ可能だと思っている。そもそもな話、優れた遊びというのはモチーフと一体化していたりする。『スプラトゥーン』なんかが良い例だ。

モチーフを決めたら今度はそれにしたがって、色を設定する。『PSYCHONTACT』の場合、【エスパー・サイコキネシス】といった設定を被せたので、それに合わせた色を考えた。そこからポケモンのエスパータイプのイメージを参考にしてメインカラーを紫に設定したりした。

色を決めるときは、同じような設定を持つゲームを参考にする。別にゲーム以外からでも構わないだろう。盗めるところから盗む。

色の数はなるべく少なめが良い。じゃないと制御しきれない。少なくとも今の僕には無理だ。黒と白は必ずと言っていいほど使う。そこから【メインカラー+補色+それらに近い色】、としてだいたい4色~8色くらいに収める。

モチーフ→色と決めたらいよいよ本格的に絵作りに入る。

 各オブジェクトは全て【機能からデザインする】。アクションゲームで触れてはいけないものにはトゲを生やす。オブジェクトが持つ機能からデザインを決定すれば良い。機能を表すデザインが思い付かない場合、法則を定めるのが良い。例えば、【プレイヤーに利益のあるオブジェクトは色が青い】【プレイヤーに不利益のあるオブジェクトは全て形状が△】というようなものだ。これなら最低限学習しやすくなる。事前の観察で発見につながることはあまり期待できないが。

『PSYCHONTACT』では、

【触れてはいけないものは赤色の枠】
【注目してもらいたいものは青・ピンク・緑の色】

という法則を定めた。これはまあまあ上手くいったように思う。


以下、ここまでをまとめる。

・遊びから考えて世界観・設定・モチーフを被せる
・色は世界観・設定・モチーフが類似する作品を参考にする
・色数は増やしすぎない
・法則を定めるのも一つの手


情報量を増やす

 ゲームの絵作りとはイケてる絵や美しい絵を描くことではなく、【見てるだけで楽しい】を実現することだと思っている。ではどうすれば【見てるだけで楽しい】を実現させられるのか。

正直な話、まだ全然分かっていない。

ただ、一つ確信を持って言えるのは、とにかく情報量を一定まで引き上げなければお話にならないということだ。人間は、情報量が多いものに興味を惹かれる。ずっと淡泊な変化の無い画面と、描き込まれていて激しく動く画面、どちらを眺めていたいかは考えるまでも無い。スコア情報やタイマーなどのゲームUIを実装した途端、ゲーム画面がとても魅力的に見えるようになった経験がある。アレも恐らく、情報量の増加が原因だ。


絵作りにおいて情報量を増加させる方法は二つある。

①絵を描き込む
②絵を変化させる

①絵を描き込む
 当たり前の話だが、絵を描き込めば情報量は増える。絵作りし始めの段階ではとにかく0を1にしたい。背景が無ければ背景を作る。エフェクトが無ければ足す。

ただ、描き込むのは非常に大変……というかやはり絵が描けないといけない。1を10にするのは大変だ。神絵師になる必要がある。だが僕は神絵師ではないし、今後もなれるとは思えない。と、来れば次の手法だ。

②絵を変化させる
 情報量を増やすための方法はこちらが本命だ。絵を描き込むよりも変化させるほうが簡単だ。こちらなら僕にもまだ出来る。方法も多い。

絵を変化させる方法
1.アニメーション(画像切り替え)
2.動かす
3.回転させる
4.拡縮
5.色変化
6.振動

1.アニメーション(画像切り替え)
 1枚の絵を描き込むよりも、ほどほどの絵を3枚描いて切り替えたほうが情報量が多い可能性がある。とはいえ、アニメーションは枚数を描くぶんコストは高い。しんどいので出来ればあまりやりたくない。

ツールはAsepriteを使っているのだが、標準機能のみで簡単に描けるようなアニメーションはコストが低いので積極的に活用したい。例えば【拡縮】とか。絵のサイズを大きくするだけor小さくするだけというのは楽。その他、【座標が動くだけ】【点滅(色変化)】なども楽だがそこそこ効果がある。

2.動かす
 ここで言う【動かす】はゲーム座標を変動させるという意味だ。プレイヤーの動きに合わせて背景スクロールさせたり、パーティクルを漂わせたりさせるのがいいだろう。

3.回転させる
 回転も【動かす】に入るような気がしなくもないが個別に項目分けする。僕はゲームエンジン【Unity】を使っているので、transform.Rotateを使えばコード一行で回転させられる。コストが低くて助かる。【動かす】と併用するのもより情報量が増えて良い。

4.拡縮
 
拡大と縮小。これも【Unity】ならtransform.localScaleを弄れば良いので楽。一瞬だけデカくしたりとかすると強調表現として使える。横だけ引き延ばすとか、反対に縦に引き延ばすとか。形状変化は当たり判定の変化にもつながって遊びに影響を及ぼすこともあるので注意が必要だ。

5.色変化
 色を切り替える。これも情報の変化だ。実装的には【アニメーション(画像切り替え)】になるか。アクションゲームなどのダメージ表現として、一瞬だけ白くしてヒットフラッシュを演出したりするのが使いやすい。その場合、【拡縮】と組み合わせるとより効果的だ。高速で色変化をさせて点滅表現させるのも良い。ただし過剰にやると目がイカレるのでほどほどに。

6.振動
 ブルブルさせる。特にスクリーンシェイクは毎回やる。これも実装コストは低く、それでいて効果が高い。手軽に画が面白そうになる。【困ったときはスクリーンシェイク】これは世界の常識。


とりあえずこんなところだろうか。【絵を変化させる】方法は、いくつか組み合わせると効果的かもしれない。あと【動かす・振動・拡縮】辺りはなるべくイージングさせたい。 

・【見てるだけで楽しい】を実現するのが絵作り
・情報量を増やして見てもらう
・情報量を増やす方法は大別して二種類
①絵を描き込む
②絵を変化させる
絵を変化させる方法一覧
1.アニメーション(画像切り替え)
2.動かす
3.回転させる
4.拡縮
5.色変化
6.振動
・ペイントツール標準機能で簡単に描けるアニメを描く
・なるべくイージングさせる
・【回転・拡縮・色変化】はコストが低い
・困ったらスクリーンシェイク
・絵を変化させる方法は組み合わせると良さそう

情報量を増やす際の注意点

 まあ当たり前だが、なんでもかんでも描き込んで変化させてたら情報量が増えすぎて画面がごっちゃごちゃになる。画面ごちゃごちゃならそれはそれで見る人の興味を惹けるが、【見ても何が起こっているのか良く分からない】となる。結果的に【見てるだけで楽しい】は実現しなくなる。【見てるだけで楽しい】を実現するためには、【何が起こってるか分かる】も必要だ。

というわけで、情報量は増やす場所をちゃんと考える必要がある。基本的に、プレイヤー周りの【アクション・リアクション】の情報量を増やすのが良いだろう。あとはプレイヤーに注目して欲しい箇所だろうか。実際のプレイに必要無い情報の変化はただのノイズになってしまう。

【アクション・リアクション】から遠いところは後回しで構わない。例えば背景なんかだ。というか、僕は今までゲームの背景を描いたことがほぼ無い。いつも後回しにして結局手が回らずそのままだ。それでも作ったゲームを面白いと言ってもらえたことはまあまあある。

2Dプラットフォーマーなら【ジャンプエフェクト】【着地エフェクト】などから始めるのが良いだろう。シューティングゲームならショット周り。

つまり、プレイヤーが目にする機会の多い箇所からだ。

あとこれも言うまでもないことだが、力の入れ具合はある程度揃えておいたほうがいい。とあるアニメーションがコマ数20枚あったとして、他のアニメーションのほとんどがコマ数3枚とかだったら、20枚のほうが恐ろしく悪目立ちしてしまう。違和感は【なんとなく気持ち悪い】を引き起こし、ゲームの評価に悪影響を及ぼすだろう。この場合、コマ数は全部20枚くらいにするか、全部3枚くらいにしよう。もちろん全部20枚なんて死んでもごめんだが。

・【何が起こってるか分かる】も必要
・プレイヤー周りの【アクション・リアクション】の情報量を増やす
・注目して欲しいところの情報量を増やす
・プレイヤーが目にする機会が多いところから手を付ける
・力の入れ具合はある程度揃える


こんなものだろうか

 ふーむ。とりあえずこんなところだろうか。サウンドは正直よく分かってない。作曲はなんも分からん。効果音は【1000回でも聞ける】【動きに合わせる】などを意識している。

なんとなく散漫としたまとめになった気がするが、とりあえずまとめよう。

モチーフ決め
・遊びから考えて世界観・設定・モチーフを被せる
・色は世界観・設定・モチーフが類似する作品を参考にする
・色数は増やしすぎない
・法則を定める

絵作りの考え方
・【見てるだけで楽しい】を実現するのが絵作り
・情報量を増やして見てもらう
・情報量を増やす方法は大別して二種類
①絵を描き込む
②絵を変化させる

絵を変化させる方法一覧
1.アニメーション(画像切り替え)
2.動かす
3.回転させる
4.拡縮
5.色変化
6.振動

絵を変化させる方法②
・ペイントツール標準機能で簡単に描けるアニメを描く
・なるべくイージングさせる
・【回転・拡縮・色変化】はコストが低い
・困ったらスクリーンシェイク
・絵を変化させる方法は組み合わせると良さそう

絵作りの考え方②
・【何が起こってるか分かる】も必要
・プレイヤー周りの【アクション・リアクション】の情報量を増やす
・注目して欲しいところの情報量を増やす
・プレイヤーが目にする機会が多いところから手を付ける
・力の入れ具合はある程度揃える

効果音
・1000回でも聞ける
・動きに合わせる


既存ゲームの研究と、使用しているゲームエンジン【Unity】の機能を知っていけばもう少し引き出しが増えるはずなので、その辺りも適度に行いたいところ。

ひとまずおわり


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