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『メトロイド ドレッド』プレイ感想

 メトロイド ドレッドをクリアしたのでササッと感想を書いていく。


発売から間をおかずに記事を公開するので一応、注釈を…

※レビューではなく感想なので、購入の参考にはなりません。ゲーム内容をネタバレしまくっています

※既にクリアした人が、「他の人はどう感じたのかな?」と思って読むための記事のつもりです

※ドレッドを遊ぶ前にこの記事を読んだせいで初見プレイの楽しさが永久に損なわれても僕は責任を取りません



はじめに

■シリーズ経験
 2Dメトロイドは全作品プレイ済み

■プレイリザルト
 クリアタイム:6時間33分
 アイテム回収率:55%

あんまりアイテム回収せずにクリアを目指した。これを書いている今は100%回収目指している途中。過去作との比較はあまりしないように気を付けるけど、ついついやっちゃうかも。



E.M.M.I

 まあ、真っ先に【E.M.M.I】の話をしたほうがいいよね。

結論から言うと、恐怖自体はそこまで感じなかった。が、見つからないよう慎重に行動するときや、見つかりそうになったときに味わう緊張感は最高だった。ポジティブで楽しい恐怖、と言えばいいだろうか。E.M.M.Iパートという一つの柱が立っている。

なぜそのような体験になったのか、だいたい考えられる要因は以下の通り。

■E.M.M.Iパートの主な要素
 ①E.M.M.Iの追跡がとても優秀
 ②初めはマップ構造を把握できていない
 ③目的地もだいたいの方向くらいしかわからない
 ④E.M.M.Iの初期配置は毎回変わる
 ⑤E.M.M.Iの位置はだいたいしかわからない

 ⑥目的地の方向に居るときがあって、上手くやりすごさないといけない

 ⑦捕まると基本アウト
 ⑧画面のフチが暗く点滅して視界が悪くなる

これらの要素が組み合わさった結果、適当に進むとあっさり捕まって屠られるようになっている。先へ進みたいなら必然的に慎重な行動をしなくてはならないわけだ。その際に出てくるのが【ファントムクローク】という透明化するアビリティ。

ファントムクロークの仕様はE.M.M.I体験の中核を担っている。

■ファントムクロークの仕様
 ①能力使用中はE.M.M.Iに一切検知されない,音も鳴らない
 ②ただし透明化しててもぶつかると捕まる
 ③運動能力が大幅に低下する
 ④じっとしているとゲージ消費は控えめ
 ⑤激しく動くとゲージ消費が激しめ
 ⑥ゲージが無くなるとエネルギーが減っていく

これらの仕様によってどうなるかというと、

■E.M.M.Iに対してファントムクロークを使うときの流れ
 →音を立てて検知される(あ…
 →E.M.M.Iが近寄ってくる(く、来る…!
 →咄嗟にファントムクロークで透明化(マズいっ!
 →E.M.M.Iが近くをジロジロ調べる(早くどっかいけ…!
 →触れたらアウトだから動くべきか考える(でも動くとゲージ消費が激しくなるっ…
 →E.M.M.Iが去った(どのタイミングで解除すべきだ…?

また、E.M.M.Iが近くにいるときは心臓の鼓動のようなサウンドが鳴り、コントローラーが震える。さらに、ファントムクローク使用時にE.M.M.Iが近くにいるとカメラがグッと寄る。ドキドキする演出が素晴らしい。

敵の近くで見つからないように呼吸を止めるような体験をまさしく味わえる

追いかけられて逃げているうちに目的地とは反対のゲートに抜けてしまった、なんてことも発生した。自然なプレイの流れでそうなっていくのが凄まじい。


【エイオンゲージ】回復の仕様はとてもやらしい。ゲージは動かなければ回復しない。そのため、一箇所にじっと留まり続けてE.M.M.Iを完全にやりすごしてから安全に進むことが難しい。どこかのタイミングで必ず動き出す必要がある

また、ファントムクロークを使った場合、ゲージ消費量が少なければ少ないほど、回復までに掛かる時間は少なくなる。

・リスクを承知で透明化を解除して消費を抑えるべきか?
・エネルギーを消耗してでも透明化を維持するべきか?
・透明化解除後、すぐに動いてゲージ回復を始めるべきか?

こうしたジレンマを、自身の命を握っている絶対的な支配者のすぐそばで味わうのだ。ひぃーゾクゾクするぅー!

「それだけしっかりできているなら怖く感じないの?」と思われるかも知れないが、なぜ恐怖を感じないかはハッキリしている。死んだときのペナルティが部屋に入る前に戻されるだけで、捕まる恐れを抱きようがないからだ。やられる恐怖よりも、ゲームが進められない苛立ちが上回る感じだろうか。


■最後のカウンター 
 もう一つ、E.M.M.Iの逃走パートを支えるのに欠かせない要素が、捕まった際のカウンターだ。捕まると即アウトだと少しダレてしまう。最後までチャンスがあることで、体験を引き締めている

カウンターは、タイミングがシビアかつランダムなので成功させるのは難しい。一定の難しさは担保しつつ、プレイヤーが最後まで諦めないようにする手法だ。

秀逸だと思うのが、これがカウンターの体裁を取っていること。カウンター自体は基本アクションとして組み込まれていて、E.M.M.I以外の敵に対してはカウンターを何度も決めて成功体験を積み上げているわけだ。

だからこそ、E.M.M.Iに対するカウンターがたとえシビアすぎるとしても、「クソッ!他の敵にはカウンターは成功しているのに!」と感じてモチベーションをあるていど保てるようになっている


■ゾーン体験頻度
 E.M.M.Iゾーンを通り抜ける体験は、一回やれば終わりではなくて一つのゾーンで細かく何度も刻む点も面白い。探索の合間に少しの刺激が挟まるようになっている。一回一回は短めにすることでストレスの頻度を絶妙にコントロールしているように感じた

また、五体目・六体目は一度停止して、このあいだに大きく休みを空けるのも実に上手い手法だ。こうしたストレスフルな要素はペーシングをミスれば一発でゲーム体験が台無しになりかねないが、見事にやってのけている。


■オメガキャノン
 安定して狙い続けるために、長い直線を探すことになる。この長い直線を探すというのがまた別感覚の面白さをもたらしている。追いかけられつつ、「どこだ!?どこで迎え撃つ?!」と射撃ポイントを定めるのが楽しい。コアを露出させるために撃ち続ける際は、捕まってしまうギリギリまで粘るヒリヒリ感が心地良い。

もちろん、無事倒すことができて、画面端の暗い点滅が消えたときの【日常を取り戻したような安心感】はたまらない。


最後、E.M.M.Iの脅威の見せかたもよくできているなと感心した。

■E.M.M.Iの性能、登場順
 一体目 ‐ 半壊・遅い
 二体目 ‐ 万全・速い・でも狭い通路通れない
 三体目 ‐ 狭い通路通れる
 四体目 ‐ めちゃくちゃ速い
 五体目 ‐ 遅いけど視界に入ったら凍らせてくる
 六体目 ‐ 検知範囲広すぎ・壁を透視・拘束ショット
 七体目 ‐ パワーボムどーん!

以前の常識をくつがえしつづけてくる。常に恐ろしい存在。個人的には四体目が一番面白い。検知した位置を猛スピードで調べてくる→ビタッと止まる→猛スピードでまた巡回に戻る。この動きのコントラストがたまらない。



探索

 メトロイドと言えば探索。探索と言えばメトロイド。

■ゲーム開始時のアルタリア探索の面白さ
 ゲーム最初のエリア、【アルタリア】を一時間探索すればすぐにその優れたマップが明らかになっていく。各アクションのチュートリアルを小気味良くこなしつつマップを進む。E.M.M.Iのチュートリアル → E.M.M.Iパートの本番 → そして最後の透明化ボスの伏線、これらを見せつつ最後に【チャージビーム】を入手する。

最初のパワーアップ、チャージビームを入手して先へ進むと、そこはなんとスタート地点。気付けば一周してきている。道中で苦戦させられた【突進してくる空飛ぶ敵】も、チャージしながらジャンプする【チャージアタック】で簡単に処理できる。道中で通れなかった【チャージゲート】を開けられる。

スタート地点からあれこれ学びながら進めた先でパワーアップして、またスタート地点から今度はパワーアップ&上手くなっている状態で進める。このスマートなループ構造に一瞬で虜になった。

プレイヤーが上達してきたタイミングでパワーアップさせると、プレイヤーはより強く上達を実感できる。この開発テクニックは、かの宮本茂氏も使う技だ。口で言うのは簡単だが、それを新要素を多数追加したメトロイドで鮮やかにやってのける手腕には感服した。

今作のループ構造型のマップ構成はかなり極まっていて、

①ひととおり周辺を探索する
②道中で今は通れないところを確認する
③パワーアップ
④最初のところにいつのまにか戻ってきている
⑤通れるようになったところへ行って先へ進む

このように探索の螺旋階段をひたすら駆け上がることができるようになっている。


…とこの調子で語っていると終わらないので、全体的な印象の話をする。


■フュージョンⅡ、そして過去最高に予測不能!
 今作のマップを大雑把に言うと、大幅にパワーアップした『メトロイド フュージョン』だ。プレイヤーのアクションや、ゲームの進行に応じて地形が変化する。通れなかったところが通れるようになったり、反対に通れたところが通れなくなったりする。

こうした仕組みに加えて、シリーズお馴染みのパワーアップによって通れるところが増える。これにより、ドレッドの地形は絶えず変動する生物のような様相を呈してくる

さらに、ドレッドのマップはシリーズでも最高の広さを持ち、各エリアがつながるアリの巣構造になっている。これらの特徴をフルに活用していて、各エリアをひたすら行ったり来たりする。

この往復に関して、プレイヤーは予測する方法を一切持たない。別のエリアにワープする【テレポータル】はその最たる例だ。中盤からは、もはやどこに行くのかまったくわからない。当然、探索の合間にはE.M.M.Iゾーンも挟まる。全体像の把握は困難を極める。

■予測不能な探索
「これからここのE.M.M.Iを倒すんだろうなあ」
「あれ?なんか別のエリアに行っちゃうぞ?!」
「このテレポーター、どこにつながっているんだ?」
「地上目指してたハズなのになんか戻ってきちゃったけどおおお?!」

こういう感じ。


さらに、予測不能なのは探索だけではない。鳥人像からの能力取得もまったく予測がつかない。今作は【スライディング】のアクションが追加されたせいか、ちょっとした隙間なら通れる。そのため、【モーフボール】が最初のパワーアップになっていない。

最初のパワーアップはモーフボールで、ゲーム序盤ですぐに手に入る。これはほとんどのシリーズでそうなっているし、鉄の掟だと思っていたが、あっさり取り外された。マジかよ。

E.M.M.Iから得られる能力はあるていど予測がつく。しかしここで【強個体X】が割り込む。こいつらから得られる能力は予測がつかない。こうした【前提→それをくつがえす展開】はもはやメトロイドのお家芸だ

プレイヤーのアクションとゲーム進行に応じた地形の変動。最初のパワーアップがモーフボールではない。【プラズマビーム】のあとに【ウェイブビーム】を取得する。【X】の乱入・繁殖。【SA-X】の遊びを大幅に進化させたように感じるE.M.M.I。

こうした各要素が「これはフュージョンⅡだ!」と感じさせた。


■誘導はどうか?
 メトロイドの探索を語るには【そのメトロイドがどのくらい目的地を明かすか・プレイヤーを明示的に誘導するか】に注目したいと個人的に思っている。それこそ前作のフュージョンでは、序盤から中盤にかけて目的地を明かしまくっていた。

ドレッドでは【ベースは暗黙の誘導をしつつ、要所要所で目的地を示す】というスタイルを取っている。

先に書いた【プレイヤーアクションやゲーム進行に応じた地形の変化】の作用で、気付けば後戻りができなくなっていることがある。一方通行にすることで探索範囲を限定する。これによって【自分の力で探索を進めてる感】を出し、どこに行けばいいかまったくわからなくなってしまうことを防いでいる。

先へ進む道が拓ける=退路が断たれる、となるような箇所もある。プレイヤーの欲求に応えつつ方向を管理する上手いやりかただ。

分かれ道が多くなってきたタイミングで、【正解ルートに青いチョウチョの群れをひらひらさせる】なんていう手法も使っている。これも暗黙の誘導だ。

そのほか、暗黙の誘導として、新しいパワーアップを取得したら、その能力を使って【ミサイルタンク】や【エネルギータンク】などのステータス強化アイテムが取れる箇所を周辺に用意する手法も使っている

モーフボール取得シーンがよい例だ。まず、モーフボールを使って出られる脱出口が一箇所だけある。そこを抜けると今度はモーフボールを使ってミサイルタンクが取れるようになっている。先へ行くと【ミサイルプラスタンク】が取れて、その横にはテレポータルがある。これでプレイヤーは再びアルタリアへと舞い戻る。

アルタリアのレッドテレポータル下にはモーフボール入手によって取れるようになったミサイルタンクがある。取ると部屋全体の左側に位置するのでそのまま流れで左に出る。するとボール状態で通れる狭い通路の先に【エネルギーパーツ】が置いてあり、その先へ行くと【バリアスーツ】が手に入る。バリアスーツ入手後に先へ進むと再びレッドテレポータルの場所まで戻ってくる。テレポータル下はバリアスーツ入手前の部屋が崩壊した影響で通れなくなっている。

手に入れた能力を使いたいプレイヤーの欲求を叶える形で、報酬を置いておく。そこをたどっていくと、気付けば次の目的地に足を踏み入れているというわけだ


 一方で【要所要所で目的地を示す】、こちらはどうか。これはさじ加減を上手くコントロールしている印象だ。序盤は単純に【地上を目指せ】と言われる。少し進めるとマップが公開されて、紫色の箇所に向かえばいいことが示される。これらは方向だけを示す形。

ゲームが進むと要所要所で、【○○へ向かえ】【そのあとここに戻ってきてくれ】といった直接的な指示も出てくる。ゲーム後半で探索範囲が広がってきたからこそ、明確な指示でプレイヤーを誘導している。

また、ゲーム中盤で【パルスレーダー】が手に入り、壁と見せかけたブロックがわかるようになる。もはや見つけられない道などない。

これらの誘導が非常に巧みなため、ゲームを進行させたい場合にマップと長時間にらめっこするようなことはほとんど無かった。ドレッドでは【マップステーション】の影響力は小さい。


■マップUI
 これが絶妙に惜しいと感じてしまうので言及せずにはいられない。端的に言うと、ちょっと盛りすぎている。地形が詳細すぎ・アイコンが大量すぎ、でごちゃごちゃしている。

アイテム回収しようとマップを眺めたときに、まだ取ってないアイテムやまだ行っていない場所が極めて見にくい。アイコンを“引く”操作がめちゃくちゃ欲しかった

特定のアイコンを強調する操作はあるが、これも使いにくい。まずマップ上からその【特定したいアイコン】を見つけないと強調操作ができない。また、強調方法がアイコンの四隅にカーソルを表示するだけだ。

【強調したいアイコンをリストから選ぶ】&【選択したアイコン以外を全部消す】とかしたほうが見やすかったと思う

アイコンの多さは、要素が膨大なぶん、仕方ない一面もある。しかし、ことマップの見やすさで言えばフュージョンやゼロミッションのほうが見やすかったのは間違いない。シンプルイズベストなときもある

隠しアイテムのあるところ一帯が白く点滅するのはスゴくよかった。答えそのものではなくヒントを出してくれるちょうどよさ。


■探索まとめ
 初回プレイで感じた探索の印象はこんなところだろうか。

・過去最大級のマップサイズ
・アクションや進行に応じた地形の変化
・予測不可能になっていく行き先
・予測不可能なパワーアップ取得
・暗黙の誘導がベース
・でも目的地をハッキリ言うときもある
・マップUIは惜しい

これらが組み合わさって巨大な迷路をさまよう感覚が味わえる。この、複雑に入り組んだ迷路を行く感覚は新しいメトロイドだと感じた。

迷路をさまようといっても、どこへ行けばいいかわからない状態ではない。むしろ暗黙の誘導や優れたループ構造によって、常に先へ先へと進んでいけるし、そうしたくなる。途方に暮れそうになる前に目的地を明示してくれるので、常に探索が引き締まっていてダレることが一切無かった



アクション

■サムスの操作 
 端的に言って、最高の手触りだ。サムスを動かしていてとても気持ちがイイ。スライディングや【ダッシュメレー】によって動きを止めなくてもよいのが操作の滑らかさを極限まで高めている。

ゲームが進むとアクションが増えていく。アクションが増えると入力するボタンの種類も増える。操作が複雑になっていくわけだが、これが大変難しい。E.M.M.Iに追いかけられてパニックになって変な操作をしてしまったりすることもあった。

ただ、操作が複雑で難しいからこそ、滑らかに操作できるようになったとき、自分とサムスが一体化したかのような感覚がもたらされる。これが最高なんだ。


■バトル
 シリーズ最難関。そう断言してもいいだろう。アクションにおいてE.M.M.Iパートの難しさは言うまでない。問題はバトルだ。中盤に出てくる【ロボット鳥人族】が恐ろしいまでに強かった。そしてラスボスの圧倒的な強さ!

僕はもともとシリーズの中でも特に歯応えのあるバトルが楽しめる『メトロイド サムスリターンズ』でメトロイドシリーズデビューした。歯応えのあるバトルが楽しいメトロイドを常に渇望していたので、この難易度は大歓迎だった。

観察と試行錯誤を繰り返していくことで、戦いかたを少しずつ学んでいく。【攻撃の避けかた・有効な攻撃方法・ボス専用ギミックの理解・カウンターのタイミング】、ゲームオーバーになりながらもこれら一連の要素を理解していったとき、ボスが倒せる。このようにバトルの面白さが突き詰められたゲームにはなかなかお目にかかれない。大満足だ!

ダッシュメレーを決めたときの爽快感はもはや犯罪級。特にカタリスにいる、両腕を地面に突き立てて火柱攻撃してくるロボットにダッシュメレーを決めたときの快感はドーパミンとかセロトニンとか出てると思う。“がんに効くようになる”ってヤツだ。

ボスにカウンターを決めたときの【グラブシーケンス】の演出は素晴らしい。サムスリターンズでもそのカッコよさ全開だったが、ドレッドではその比ではないほどのパワーアップを遂げている。



ストーリー

 フュージョン未プレイヤーはわりと置いてけぼりになる気がした。一区切り……なのか?サムスを取り巻く因縁は今度こそすべて明かされ、整理されたと考えると一区切りついたと言えるのかもしれない。

メトロイドらしいおどろきをもたらす展開がいくつかあって素晴らしい

ムービーは必要最低限に絞っていて、しっかりゲームのためのムービーになっている。アクセスステーションの会話シーンも「早く操作させてよ」と感じないちょうどよいところで切り上げられる。


■サムスがめちゃくちゃカッコいい
 これは今作最大の長所、なんなら一番の魅力だと思っているところで、声を大にして何度でも言いたいところだ。サムスがめちゃくちゃカッコいい。

サムスが、めちゃくちゃ、カッコいい。

サムスが!めちゃくちゃ!!カッコいい!!!

直前に『METROID Other M』を遊んだせいか、カッコいいサムスが見たかったのだが、予想以上に満足させてくれた。口数は少なめで、寡黙なプロフェッショナルな面がそこかしこに現れている。ボスにトドメを刺すシーンがカッコよすぎる

一方で、サムスの感情が揺れ動く重要なシーンでは、バイザー越しの表情が垣間見えるようになっている。表情が見えないシーンが8割、表情が見えるシーンが2割といった感じ。

つまり、銀河最強のバウンティハンターとしての顔が8割、サムス・アランとしての顔が2割。そのくらいの見せかたをしている印象だ。個人的に、この配分はパーフェクトだ。



総評

 一言だけであらわすなら、フュージョンⅡ。そう言っていいのではないかと思う。任天堂とドレッドを共同開発したMercurySteamはもともとフュージョンのリメイクを作りたがっていたらしい。ドレッドにはまさにそうした開発者のフュージョン愛をひしひしと感じた。

■簡単なメトロイド ドレッド初回プレイ感想まとめ

◆E.M.M.I
 ・緊張感が本当に素晴らしい
 ・ほどよいペース配分でダレずに楽しめる

◆探索
 ・予測不能な探索が巨大迷路をさまよう感覚をもたらす
 ・暗黙の誘導と目的地の明示によって探索にのめりこむ

◆アクション 
 ・最高の手触り
 ・複雑ゆえに上達の楽しさがある
 ・歯応えのあるバトル

◆ストーリー
 ・サムスがめちゃくちゃカッコいい

あ、あとラストのトドメシーンに映画的演出の香りを感じた。ゲームUIがスッと消えるのが自然でカッコいい。あ、あとパワーボムの演出クソカッコいい。


See you next mission!


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