記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

『モンスターハンターストーリーズ2』プレイ感想

 結論から書くと、僕はこのゲームのターゲットユーザーではなかったようだ。あまり楽しめなかった。

それじゃあ、今回は肩の力を抜いてサクッと短く狭い範囲を書いていく。


ストーリー

◆説得力が欲しかった
 全体的にもう少し説得力が欲しいと思ってしまった。モンハンストーリーズ2のお話は、随所で【絆の力】というフワッとしたものを中心に進む。まあ、絆の力という表現はよくあるものだし、これ自体は別に構わなかった。ただ、やはりもう少し説得力が欲しかった。

作中では、【レウス】との絆が重要視されるが、そのレウスとの絆を結ぶ過程がどうにも薄いように感じた。そこまで特別な体験を共有したわけでもないのに、なんか急に仲良くなっていったように思えた

特に、一度暴走したあとに、すぐに【デデ爺】のところへ行って覚醒させる展開が納得いかない。挫折からの立ち直りが速すぎるうえに、理由が曖昧でフワッとしすぎだった。このシーンの違和感がかなり強く、ストーリーへの気持ちが離れてしまった。

◆ゲームプレイとストーリーがシンクロする箇所は良かった
 ただ、暴走シーンに至るまでの作りかたは非常に上手かった。というのも、はじめのうちはレウスは【絆ゲージ】が50までしか溜まらない。ライドも絆技も使えないため、他の【オトモン】と比べてとても弱い。フィールドでも特に技能はないため、必然的に冷遇してしまう

その結果、暴走したレウスを抑えきれず悲劇を起こしてしまう展開へとつながる。これはゲームプレイとストーリーがしっかりとリンクしていて、没入感をもたらした。風車壊したときに罪悪感がヤバかった。「うちのペット、ちゃんと躾けてなくてすんません……」といった感じだ。(でもそのあとすぐに覚醒させて絆を結べたのがホントに意味分からない)


◆レウスに愛着が湧かなかった 
 しかし、そもそもな話、本作のレウスに愛着があまり湧かなかった。周囲からやべーヤツと聞かされて任され、戦闘では弱い。そして暴走して周囲に迷惑をかけまくったうえに、拉致されてしばらく離脱。復帰してきて空を飛べるのはテンション上がったものの、実は他のモンスターでも飛べる。終盤はちょくちょく暴走し、終いには敵に乗りこなされて敵と一緒に絆技までプレイヤーにかましてくる始末。

あれ……?コイツいいところないのでは……?

シナリオ的にも、レウスでなくてはならない理由がイマイチ伝わってこない。ここもフワッとしているように感じた。ラスボスの光に当てられて暴走するようなやべーヤツをわざわざ使わなくても、別の制御できるオトモンと一緒に戦ったほうが良かったのではないかと思ってしまう。実際、ラスボス攻略では【エナ】の持っていた護符と【カイル】の弓の腕が攻略の一翼を担ってしまったわけで、レウスの貢献度が薄いのではないか。

ゲームプレイでも愛着が湧きづらくなる部分が見受けられる。はじめのうちは弱い。翼が覚醒したあとの初ボス戦が雷属性の【クルペッコ亜種】でレウスが相性悪くて活躍しづらい。最終盤にもかかわらず敵にあっさり乗っ取られてしまう。ところどころでブレーキをかけてくるような感じだ

この辺、全部逆だったら良かったのになあと思う。まずゲームプレイにおいて、はじめのうちからスゴく役に立つ。それなら【破滅の翼】だの「災厄をもたらす」だの言われることに対して、「この子はイイ子なんです!」と擁護する気持ちになれる。空を飛ぶのはレウスしかできない。翼覚醒後のボスは炎弱点でボコボコにできて「レウスTUEEEEEE!!」でよりレウス優遇が進む。【ゼラード】が乗ろうとしても余裕で振りほどくし、暴走とかまったくしない。ほんで他の野良レウスはみんな暴走させて、ゼラードに「他のレウスはみな狂っているというのに……なぜキサマのレウスだけは正気を保っていられる……!」とか言わせれば完璧よ。絆の力だ!

正直な話、一体目のオトモンで、乗り心地良くて動かしやすくて、最初になついてくれたランマルのほうが好き


◆レウスに関する描写が少ない
 あと、レウスについてもったいないなと思ったのは、性格描写がまったくない点だ。無個性すぎる。好物/嫌いなもの、されて喜ぶこと/嫌がること、せめてこの辺りは欲しかった。生まれた直後は甘えん坊で主人公以外背中に乗せたがらないとか、マハナ流あいさつを主人公にしてもらうのが好きとか、【シュヴァルのレイア】といい感じになるとか、そういうの、欲しくない?こうした描写を一つずつ丁寧に積み重ねて信頼を築いて絆パワーですよ。

レウスをお話の中心に添えようとしているハズなのに、主人公のレウス自体が取り上げられるエピソードが一切存在しないのは、引っかかるところだ。結果的に、レウスにはパートナーというよりモンスターに接する感じだった。


バトル

◆バトル演出、すっごくよい
 このゲームのバトル演出、すげえ気持ちいい。このゲームの一番好きなところ。これはもうさすが老舗アクションゲームメーカー!いよっ!日本一!って感じ。原作(という表現が正しいか不明だが)のアクションゲームならではの爽快感溢れるエフェクト。さらに今作は原作とは違ってアニメ調なグラフィック表現なので、エフェクトの盛り具合に磨きがかかっているように見えた。

各モンスターの絆技のアニメーションやエフェクト類のカッコよさは言うまでもなく、共闘パートナーのスキルアニメーションもかっこいい。クリティカルのヒットストップ、気持ちよすぎる

◆わりとすぐ飽きちゃった 
 じゃんけんがメインギミックのバトル。最初は楽しかったけど、途中から完全に飽きてしまった。拡張性が乏しく、最初から最後までやることが変わらない。変える必要がない。くさ・みず・ほのおタイプしかないポケモンみたいな感じ。そりゃあ飽きる。

このじゃんけんバトル、構造的に難易度が上げられないのもキツい。後半の強敵は、三すくみを無視してくるのが多かった。二回行動、もしくは全体攻撃スキルを連発のどちらかだ。二回行動はじゃんけんで勝っても、追加の行動は防ぐのが難しいのでやや理不尽。全体攻撃スキルはそもそも三すくみにすらならない。また、ライダー戦ではお互いが狙える敵が多くて真っ向勝負が発生しにくい。

結果として、全体回復アイテムの【生命の粉塵】を事前に買い込んでいるかどうかが攻略のカギになってしまっていた。生命の粉塵を連発していれば勝てるし、それが安定行動のように思えた。


◆ネルギガンテ戦が一番面白かった
 個人的に一番面白かったのが【ネルギガンテ】戦だった。トゲを全て破壊しないと全体に超強力な攻撃を放ってくる。効率良く部位破壊をするために、各オトモンの絆ゲージをしっかりと管理しなくてはならない。共闘パートナーのシュヴァルの絆技は全体攻撃なため、部位破壊ダメージが通らない。同時にプレイヤー側も絆技を撃つ必要がある。また、部位破壊のためにハンマーのスキル【スピニングメテオ】も活躍する。

超強力な全体攻撃に対する緊張感、それを防ぐための適切なゲージ管理、有効なスキルの模索、三箇所の部位破壊が小目標として綺麗に機能する構成……本作のバトルの面白い部分が濃縮された一戦だった。


◆あんまり絆!って感じのバトルシステムじゃない 
 個人的には、モンスターとの絆を感じるバトルシステムとは言いがたい。といっても、これは個人的な好みの話になりそう。プレイヤーとオトモン、それぞれ自分たちの強み/弱みを活かしたり、補い合ったりするほうが共闘感、ひいては絆を感じるのではないかと思った。例えば、プレイヤーが【大剣で溜め攻撃】するあいだ、レウスがプレイヤーへの攻撃を【かばう】とか。

もう少し役割特化するようになっていればなーと。まあ好みの問題かな。


◆それはそれとしてバトルのいいところ
 このゲームのバトルシステム、上手いことプレイすると処理の数が減るのがよい。真っ向勝負が発生したら、プレイヤー側と敵側で攻撃が同時処理になる。わざわざ、プレイヤーの攻撃→敵の攻撃、と処理の手順を踏むことがない。

さらにプレイヤーとオトモンが同時に同じ敵にじゃんけんで勝つと、【ダブルアタック】が発動して敵の行動がキャンセルされる。ダブルアタックを決めてると絆ゲージが溜まってライドできるようになる。

ライドするとプレイヤーとオトモンが一つのユニットにまとめられるので、これまた処理が一つ減る。ライド状態で撃てる絆技は相手の行動をキャンセルするのでこれもダブルアタックと同じで処理が減る。

とまあ、【上手くプレイするとそのぶん戦闘時間が短くなる】というRPGにおけるバトルの面白さを的確に表現したシステムだと思う。(やることがずっと変わらなかったので、途中で飽きちゃったけど…)


遊びやすさ

◆ストレスフリー
 とにかくストレス要素を極限まで削っていて、「このゲーム、ストレス要素をめちゃくちゃ憎んでるな」と思ったほど。

▼エンカウント
 まず、エンカウントについて。シンボルエンカウント方式を採用している。モンスターに乗っていると移動速度がかなり速くなるため、モンスターにぶつからないように動けば本当に戦闘を少なくすることができる。望まないエンカウントが少ない。フィールドに対する敵シンボルの密度も少なく、【探索したいのに戦闘ばかりやらされる】といったことが一切生じない。格下の敵とエンカウントした場合、一掃コマンドを使えば一瞬にして敵が全員横倒しになる。

▼移動・探索
 特に、移動面に関してはものスゴく親切に作られている。ファストトラベル機能は、いつでもどこでも使えるのが驚異的だ。ダンジョンを攻略したら、即座に拠点に帰還できる。逆に、拠点からダンジョンの近くまですぐにワープもできる。リレミトとルーラが一体化しとる。

常にミニマップが表示されていて、かなり広い範囲の地形が自動更新されていくので、行き止まりの先までわざわざ探索する必要がない。目的地マーカーもあるので、迷いようがない。さらに、移動経路を表示する仕組みもあるので、さっき探索したのに気付かずにもう一度探索してしまうこともない。【ジャンプ】や【ツタ登り】などのトップオトモン切り替えもスムーズ。宝箱もミニマップに全部表示されるので、取り逃しの発生しようがない。

▼そのほか
 戦闘に実際に参加していなくても手持ちに入れていれば経験値をもらえるポケモン的仕様も育成しやすくてありがたい。経験値が分散されるのが嫌なタイプのプレイヤーなので。また、低レベルだとボーナスが入って一気にレベルが上がりやすい。これも新たにメンバーを手持ちに加入させやすくて遊びやすい。



 感想は以上。まあ、間違いなくいいゲームだとは思うけど、僕がターゲットユーザーではなかったのが最大の問題だった。バトルの演出がほんと素晴らしかった


おわり


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?