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『丸ノコルーム』制作記録

 3日くらいでゲーム作ったのでササッと振り返る。


経緯とかそういうヤツ

 まず、前作『影縫いサークル』を作った時点で、「よっしゃこの調子や。1日でゲーム作りまくったるで~^^」と息巻いていた。勢いそのままにワンボタンゲームを量産しようともくろむも、「……全然作れねえ」とあえなく撃沈。

「もうダメだやっぱりオレには無理なんだ才能がないんだ僕はウジ虫にも劣る下等生物なんだぁ~」とぶくぶく泡を吹きちらかし、あわやノックアウト寸前だったが「もういいやじゃあワンボタン以外でなんか面白いの頼むわ」と考え出してギリギリのところで復活に成功。

ワンボタンから解放されて、WASD移動を得た気持ち良さから「なんか純粋な移動だけで面白くできねえかな?」と考え出す。

パネルを踏んで床の色を変える、これはシンプルに移動が楽しくなりそうだと思って作る。しばらく適当に遊んでいたが、当然、適当に遊んでいては成果につながらない。

他にも、敵の背後を取って倒す、みたいな鬼ごっこ的な遊びや、壁に激突させて敵を倒す、とかそんなのをふわーっと考えたりした。ふわっと脳内にただようだけで形にならないので、このあいだはひたすらボーッとしてるだけで無為に時間を過ごした。

「おい1日で作る話はどうなった」ともう一人の僕(遊☆戯☆王)がキレ始めたので、あわててゲームっぽく整え始める。

1日目、基礎的な部分を作った(上記ツイートのGIF画像の状態)。

2日目、ハイパー調整タイム。

3日目、音作って完成。

完成形の見通しを立てずにダラダラと作ったので、1日で完成させるもくろみはあっさり失敗する。オレは悪くない。オレの頭が悪いのと、暑いのが悪い。

1日目の基礎工事の話は見どころないのでカット。「ボク、頭の悪い実装してます!プログラミング全然できないんですよ~^^」なんて話、誰も興味がない。オレも興味がない。

3日目の音関連の話も見どころないのでカット。パネルの音を音楽のリズムに合わせようとして結局プログラミングで制御しなきゃダメだと気付く話とか、色んな打楽器をランダムで鳴らす処理をしてみたけどイマイチしっくりこなくてやめた話とか誰も興味ねえわ。

というわけで、2日目の調整の話をこれからする。レベルデザインとかゲームデザインの話。ここからが本題ですよ多分。

本題的なアレ

◆ゲームデザイン・エネミーデザインについて
 最近の傾向として、【明確にクリアがあるゲームにする】意識がとても強い。スコアアタック要素もいれない。クリアしたら「はいおしまい。さようなら」でOK。

一応、このゲームはクリア時に、ゲーム起動までにかかった時間+死亡数の表示をあとから追加したので、スコアアタックできなくもないけどね。

【パネル全踏みで丸ノコ1枚割れる】これは、避け続けるだけのゲームにしないようにする目的で実装している。あと、当然ながらパネルを全部踏めた報酬としても。「パネル踏みたいor丸ノコ割りたいのに、他の丸ノコが邪魔で行けないぞぐぬぬ」というジレンマを生み出すのは言うまでもない。

丸ノコを割れるようにしたので、【最終的に全部叩き割ったらクリア】にするのがこの時点で決まる。

また、「どの丸ノコを叩き割るか?」という選択が生まれる。この選択をゲームデザインのキモにしようと考えた。自分が厄介だと思うヤツを消せるのは避けゲーとしてありがたい話である。

自分の選択がゲームに影響を及ぼしていると感じるとゲームは面白い。多分。知らんけど。あと、「さっきこの丸ノコ割って上手くいかなかったから次はこっちの丸ノコにしよう」とか、プレイヤーがあるていどモチベーションを保てる。

と、こうなれば必然的に、丸ノコは種類ごとにしっかり区別が付けられないといけない。多すぎてごちゃごちゃしていたら、倒す敵を選ぶとか出来るわけがないし、見た目も区別されていなければ同様だ。が、この点は妄想時点で見抜けていなかった。脳内プレイ精度がガバガバである。

 まず、丸ノコの見た目をちゃんと動きごとに設定した。まあこの点に関しては、動きの種類が三種類+大きさ三種類(サイズ違いは斜め反射系丸ノコの一種のみ)しかなかったので問題なかった。お絵かきを楽しんだ。

次に実際の設計、パラメータについて。これ、最初は移動速度をランダムにしていたが、これはダメだった。敵の区別が付かない。少なくともパラメータをはっきりさせるのがよいと判断して、【遅い・ふつう・速い】の三つに設定した。とにかく、特色をハッキリ打ち出す。【遅くてデカい】、【小さくて速い】といった具合に。

一応、ランダムで【小さくて遅い】、【デカくて速い】とか作るのもアリかもしれなかった。これは、その場その場の判断の面白さをより追求できそうだったが、ランダムで全部の丸ノコが速くなったらゲームバランスが崩れそうで、そうならないためのプログラミング実装がとってもめんどくさそうだったので今回はやめにした。

全部の要素を自分の手のひらの上でコントロールしたかった。エンドレスモードみたいなのを入れるなら、そういう仕様もアリだったかもしれない。ただ、クリアがあるゲームにしたかったし、別モードなんざ作るのがめんどそうでイヤだった。

こうやって見た目とパラメータを設定しているテストプレイ中に、パネルと同色で背景に溶け込む【カメレオン丸ノコ】を見いだす。今回のゲーム制作の楽しかったポイント。


◆レベルデザイン(敵の配置・ペース配分)について
 階段状のレベルデザインをしようと思った。この手の避けゲーは時間経過と共に障害が追加されていく形式が多い印象だが、それをやめる。

「どの丸ノコを叩き割るか?」というゲームデザインにする以上、段階的に追加していくのは確定だった。丸ノコを叩き割るのと同時に丸ノコを追加して、パネルを踏んでいくあいだを「どいつを倒すか?」を考える時間にするような感じ。

段階上にすることで「どのターンまで行けたか?」と上達の実感をしてもらう狙いもあった。また、「このターン、どの丸ノコを割ろう?」と考えることもできる。


中盤にカメレオン丸ノコをぶちこんでビビらせたいと思ったので、そこを軸に考えた。

①開幕(外周2体,ふつうの斜め反射1体)
 ほどほどに難易度を感じるように。操作を覚えるくらいの余裕はあるようにする。ただし、斜め反射丸ノコがプレイヤー座標に重なった場合、容赦なく突然の死。

②小さくて速いのとデカくて遅いの追加
 一気に難易度を上げる。生半可な気持ちで遊び始めているプレイヤーの心を叩き割るのが狙い。「このぐらいは乗り越えられるよな?」の気持ちで崖から突き落とす。

③上下左右どれか往復するヤツ3体追加
 斜め反射系の丸ノコを割ってたらここで外周丸ノコと合わせて移動ルートが固定の丸ノコしか存在しないようになる。つまり、選択によっては一生じっとしていても丸ノコに当たらない安全地帯ができる。ある程度、選択の価値を認識できるようにしておく。

ここで丸ノコ残り2体まで叩き割る。このゲームで最も難易度を下げる瞬間。楽勝感を出す

④カメレオン丸ノコ1体追加
 ビビらす。1体だけ出す。確実にカメレオン丸ノコの性質に気付かせる。なんじゃこいつと思わせる。

⑤カメレオン丸ノコ3体追加
 性質を理解させたうえで、3体追加。慄くがいい。

⑥,⑦,⑧外周丸ノコ1体→外周丸ノコ1体→小さくて速いの1体
 クライマックスに向けて全体の数を落とさないようにする。

⑨ふつうの2体+デカくて遅いの1体
 過去最大の丸ノコ数で認知負荷を圧迫する。なんとかさばけるくらいのギリギリの規模感。乗り越えたら1枚残らず叩き割るボーナスタイムで一気にクリア。このゲームで一番気持ち良い瞬間にする

なんとなく今回のレベルデザインの全体的な数値イメージを出すと、

3→5→4→→2→3→5→→→→7

こんな感じ?もう少し調整の余地はありそうだが、この規模感のゲームならだいたいこんな感じで良さそう。多分。


感想とかまとめ的なアレ

 実際、ゲームデザインがどうだったか?まあ、半分くらい上手くいったんじゃないかな。多分。きっと。

でも自分が何回かクリアした感じでは、外周丸ノコをスルーするのがド安定っぽいので、その点で設計ミスった感がある。ま、まあ1日で作ったし?しゃーないしゃーない。アハハ。

まあこのゲーム最大の欠点はタイトル名がクソダサいことなんだけどな。なんや丸ノコルームて。


それはさておき、「どの敵を倒すか?」「どの敵から倒すか?」で選択を迫りたい場合、敵の【厄介さ度合い】をある程度、均一に見えるようにしないといけないらしい

今回だと、外周丸ノコをもっと厄介にするか、他の丸ノコの厄介さ度合いをもう少し下げる必要がありそうだった。今回は外周丸ノコを無視するのが最適解になってしまっている。まあ、とはいえ、最適解があってもそこに至る過程が面白くできていればそれでも構わない気がする。今回はそれもできてないんだけどな^^;

今回のゲームではプレイヤー側の能力とかはないので考える必要がなかったが、【プレイヤーの能力】も絡むとより深みが出そうね。「今は遠距離攻撃が強いから遠距離の敵をさっさと処理しちまおう」とか。複数の敵が組み合わさると厄介になったりとか。ムズいね。


 今回は3日で作ったけど、やっぱりもっと速く作りたいね。1日とか1時間とか1秒でゲーム作りてえわもう。あーもう毎秒ゲーム完成しろ。


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