『メトロイド』プレイ感想
『メトロイド ドレッド』に備えて2Dメトロイドを遊んでおこうシリーズ第一弾。今回はシリーズ最初のタイトル、『メトロイド』を遊んだ。
というわけで、感想をササッと書いてみる。当然、ゲーム内容のネタバレを含むので注意されたし。
プレイ環境はNitendo Switch Onlineの加入特典。なお、巻き戻しとかセーブ&ロードとかは一切使わなかった。素材本来の味を楽しんだ。
ちなみに、これを書いている時点でのシリーズ経験は、
3DSの『メトロイド サムスリターンズ』でシリーズ初体験
→Nintendo Switch Onlineで『スーパーメトロイド』をプレイ
の状態だった。この記事では、スーパーメトロイドにも多く言及する。スーパーメトロイドのネタバレも含むので、これまた注意されたし。
メトロイドは初めからメトロイドだった
「あっ、もうほとんど“メトロイド”じゃん!」が素直な感想だ。
厄介すぎる敵とハードな地形で、とにかくタフな探索が求められる。鳥人像が鎮座する空間の、あの不気味でゾクッとする音楽。パワーアップでものスゴく便利になる。無限湧きするザコ敵から補給。いきなりめっちゃ配ってくるミサイル。
行くところがなくなって「詰んだ」と思ったところから、隠し通路を見つけて大興奮する。丸まりボムジャンプで細い通路に入り込む。未知のエリアを突き進むごとに、死への恐怖が高まっていく。ボスがめちゃくちゃ強くて総力戦になる。最後は爆発する惑星から脱出する。
スーパーメトロイドで覚えのある“メトロイド体験”とほとんど同じものを、初代メトロイドでも味わった。
というかスーパーメトロイドを先に遊んでいるので、「あっこれスーパーメトロイドで見たヤツだ!」という体験がけっこう多かった。ゲーム最初の地形とか、ボス前のエリアに顔のオブジェとか、ツーリアン前の石像のくだりとか。
と、メトロイドらしさは一作目から存分に発揮されている。一方で、初代特有の面白さだと思うポイントがいくつか見受けられた。
探索範囲の制限がほとんどない
そもそもパワーアップの数が少ないので、【パワーアップ→行けるところが増える】の流れが、後続のメトロイド作品に比べて希薄に感じる。
序盤でボムを手に入れたら、もうほとんどのエリアが探索可能になる。加えて、スーパーメトロイドで見られるような“閉じ込め”もない。したがって、プレイ感覚として初代メトロイドはオープンワールドだ。
そもそもボムを手に入れてなくても序盤からかなりのエリアを探索可能になっている。
もちろん、隠しテクニックとか使わずにだ。というか、初代に隠しテクニックとかあるんだろうか。
そういうわけで、序盤からヤバいところに突っ込むこともできる。実際、僕はそういうプレイを(意図せず)した。序盤でめちゃくちゃ苦労したぶん、最初のエリアで取り逃していたパワーアップを取ったときの「オレTUEEEEEE!!」感が強まって楽しかった。
心地よい“突き放され感”みたいなものがあった。
足りないからこそ生じる工夫・価値
初代メトロイドに、【しゃがみ撃ち】はない。【ジャンプ中に下撃ち】もない。【斜め撃ち】も当然ない。
となると、必然的に敵に対してしっかり軸を合わせるテクニックが求められる。敵にビームを当てるために工夫しないといけなくなるわけだ。これは後続のメトロイド作品にはない、ピュアなジャンプシューティング的面白さを生み出しているように感じた。
あとは、下方向へのビームができないので、足下の敵への対策になるボムの価値がめちゃくちゃ高い。ボムがちゃんと攻撃手段として価値がある。手に入れたときの嬉しさがハンパなかった。ウェイブビームも足下の敵に攻撃できるようになるので、同じく嬉しい。
また、序盤はビームの射程が短く、威力も低い。だからこそミサイルが輝きを放つ。画面端まで届く射程に、あらゆる敵を一撃で粉砕する威力。メトロイドシリーズで最もミサイルが頼もしいタイトルだろう。たぶん。
コピペ感のある配置
容量の問題だと思うが、同じような地形と敵配置をよく見かける。「あれ?この地形と敵配置、さっきも見たぞ?」が頻発する。
これが面白くないかといえば、そうでもない。
まず、「さっきも見たぞこれ?」が発生することによって迷う。「この道で合ってるのか?」とか「実はループ構造になっているんじゃないか?」とか、ほどよい不安が探索にスパイスをもたらす。
ちょくちょく不自然に色が変わっているブロックを見かけたりする。これもおそらくハード的な問題だと思うが、不気味に感じて好奇心がくすぐられた。
次に、同じような配置が連続することで、パターン構築的な面白さが発生する。「ここでこの敵が仕掛けてくるから、こう対処して……」と立ち回りを洗練させていくのが面白い。上手く切り抜けられるようになったときに上達を実感できる。
また、隠し通路があると見せかけて、ただ壊せるブロックが意味深に配置されているだけの部屋がある。これもおそらく容量の問題だと思うが、似たような部屋には同じように壊せるブロックが用意されている。
いくつかは単にナゾの壊せるブロックがあるだけだが、いくつかは本当に隠し通路になっていて先につながる部屋がある。
このとき、壊せるブロックがあるだけの意味深な部屋が伏線のようになっている。あの部屋ではなにもなかったが、この部屋では別の部屋につながっている!と感動する。コピペなりの探索の面白さがある。
無限湧きするザコ敵がめちゃくちゃ強い
初代メトロイド、無限湧きするザコがマジで強い。スーパーメトロイドでは単なる補給用のザコだったが、初代ではシンプルに強い。もちろん、初代でもちゃんと補給用として扱えるザコはいる。
しかし、中にはそこそこの耐久を持っているヤツがいる。そいつがサムスの高さまでY軸を合わせたあとに、ものスゴいスピードで突進してくるわけだ。ダメージも痛い。もはやザコではなく、強敵である。
しかも場所によっては、足下が浸かっているとダメージを受ける毒沼・流砂になっていて、安全な場所から叩き落とそうと突っ込んでくる。悪魔すぎる。
そして倒しても倒しても即座に湧いてくる。鬼か?
が、ここで面白いポイントがある。この無限湧きは、無限湧きするザコが落としたエネルギー・ミサイルがあると湧きが止まる仕様になっている。これによって、地味に戦術的な展開が発生する。敵が落としたエネルギー・ミサイルをあえて取らずにスルーして湧きを防ぎ、素早く先へ進むテクニックが使えるのだ。
これが地味に面白い。
ゲームオーバーから復帰したときのエネルギー、たった30
この令和時代におそるべきスパルタ指導である。そこそこ強いザコが与えてくるダメージが20だぞ。ゲームオーバーから復帰して2発で殺されるわ。
しかもこのゲーム、部屋移動演出中のサムスが動けない状態で敵が平気でサムスに向かってくるので、ヘタしたら部屋に入った瞬間死ぬ。エグい。さらに無限湧きするザコが落とすエネルギーは5しか回復しない。おいコラ。
と、今の時代に見るとホントひでえ仕様なのだが、これもまた荒々しい面白さがある。
効率よくエネルギーを回復させられるポイントはどこか自分なりに探って、自分なりに効率のよい補給方法を確立する面白さがある。そもそもエネルギーを高く保つために必死になる。
簡単に全回復できると生まれない工夫や感情があるのも、また確かなことだ。
まとめ
一作目にしてほとんど基礎ができあがっているように見えた。そこに、(たぶん)昔のゲーム特有の荒々しい面白さが混ざり合って、独自の体験が生まれている。
エンディングでふつーに感動したよ。いま遊んでも面白い!
でもぶっちゃけスーパーメトロイドのプレイ経験がなかったらクリアできなかったと思う。赤い扉はミサイル5発撃たないと開かないとか、メトロイドにはアイスビームが有効とか、分からんてそんなん。
次は『メトロイドⅡ』だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?