記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

『スーパーメトロイド』の探索について思ったこと

 『スーパーメトロイド』についていろいろと考える日々を送っている。このゲームについて知れば知るほど、「伝説的なゲームだな」という印象が深まっていく。

この記事では、スーパーメトロイドの探索について思ったことをつらつらと書いていく。

当たり前ではあるが、内容はすべて僕の主観的な解釈だ。つまり、「開発者はこうやって遊んでほしかったんじゃないか?」というやつだ。全体をフワッと考察しつつ、いくつか僕が着目したポイントを語る。


不安と安心を繰り返す探索

 スーパーメトロイドは常に不安なゲームだなと思う。なんせ探索するゲームなのに目的地が一切提示されない。常にどこに行けばいいのか分からない状態と言っても過言ではない。

そう考えると、マップはスーパーメトロイドの探索において非常に重要な役割を果たす。マップは全体をかなり公開するので、探索において安心をもたらす要素になっている。

ただし、マップはどこに行けばいいか完全には分からない。赤色で表示される探索済みのエリアと青色で表示される未探索のエリア、それからパワーアップアイテムの位置(白い点)とボスの位置が分かるだけだ。

しかし一方で、マップがなにも分からない状態で手探りで探索するのは、不安と未知に対する興奮をもたらす。

また、マップが分かっていても、未探索の青いエリアが減れば減るほど、徐々にまだ行ってない場所が減っていき、これまた不安になっていく。

そうして不安が高まってきたところで新しいアクションが解放されるパワーアップアイテムを見つける。そして、行ける場所がまた増えて安心して……というサイクルだ。

当然、このサイクルは適当に作っても発生しない。プレイヤー心理を予測し、マップを初めとした各種要素を巧妙に設計する必要がある。


【できなかった体験】

 1ブロック分の隙間が通れない。赤いドアが開けられない。

これは探索というよりもパワーアップアイテムにおける特徴かもしれないが、まず初めに【行けなかった,開けられなかった,届かなかった,壊せなかった】といった【できなかった体験】をさせる。

これによってパワーアップアイテムを手に入れたときに、「あそこが行けるようになったかも」という探索の気持ちを湧き起こさせる。できなかった体験によって、印象を植え付けている。そして実際に行けたときに「強くなった!」と実感できるわけだ。


 とはいえ、このできなかった体験を何度も何度もさせているとフラストレーションが溜まりすぎてしまう。この対策にスーパーメトロイドが用いている手法は二つ考えられる。

①途中までは行ける+報酬がもらえる
②行けるようになったときの報酬を多くする

①の手法は僕が確認した限りでは二箇所しかない。

画像6

クレテリアからブリンスタに降りたってすぐの右側の赤いドアの先にある部屋。ここではスピードブースターがないと途中で落ちてしまう。ただ、それでもミサイルは一つもらえるようになっている。

また、スピードブースターを手に入れて戻ってくると、リザーブタンク+ミサイル×2+スーパーミサイルと手に入る。お宝ガッポリである。

これが②の手法だ。たいていの部屋で報酬は一つではない。「もう一つオマケにどうぞ!」とばかりにミサイルが配られたりする。

もう一箇所、途中まで進めて報酬が貰える箇所は以下の場所だ。

画像7

ウェイブビーム前の部屋。中間にあるミサイルまでは初回到達時でも取れる。そこから先はグラップリングビームが必要になる。


①途中までは行ける+報酬がもらえるは二箇所だけなので、手法としては②行けるようになったときの報酬を多くするのほうが多く用いられている。とにかく報酬の量が多い。フラストレーションを溜めるぶん、報酬を多くしている。


だいたい入り口から一番遠いドアが順路

画像8

 たとえばブリンスタに降り立ったところの縦穴。複数のドアが用意されているが、順路は一番右下である。

画像9

ノルフェアに初めて降り立ったとき、これも順路は一番左下で、そこにハイジャンプブーツがある。


画像1

あとはここ、スピードブースター前のエリアも右下から入って左上が順路になっている。

とはいえ、これはあくまで傾向にすぎないと思う。難破船は真下が順路だが、同じくらいの距離で上にも道があったりする。また、基本的にはマップを手掛かりに進むハズなので、参考にすぎない


青くないドアほど重要なドア

 基本的に青いドアは開けるのが一番簡単でラクになっている。そのため、行かせたいところは青くするのではないか?すぐに行かせたくないところには色つきのドアを配置しているのではないか?と考えられる。

画像2

画像で少し具体例を出す。クロコマイアーのいる部屋へのドアが緑のドアで、それ以外のドアは全て青い。これは緑を後回しにさせようとしている……かもしれない。

残念ながら、この考察が当てはまるポイントは僕が考える限り4箇所しかない。クロコマイアー前のエリア、ドレイゴン前のエリア、あとツーリアンの2箇所だ。

と、どうも的外れに感じたので考えを変えてみる。つまり、重要なところほどドアが青くない。まあぶっちゃけ言い換えただけで言葉遊びみたいなものだが、この考えで全体的にマップを眺めてみると、ほぼそのとおりになっている。青くないドアほど、進行に重要なドアだ


▼ノルフェア初回到達時、相当なイジワル説
 ちょっと余談だが、だいたい一番遠いところが順路+青いドアを優先的にくぐる、と想定した場合、ノルフェア初回到達時の配置はイジワルな気がする。

画像3

入ってすぐ左に緑のドア、右に青いドアと並んでいる。これは青いドアに入りたくなりそうだ。というか僕は入った。ここの部屋、アツい!バリアスーツなしで入るとガンガン体力が削られていく。一応、パッと見で行き止まりに感じるような部屋で、すぐに引き返す可能性はあるとはいえ、相当に攻めた構成だと思う。

なんせここでゲームオーバーになるとヤバすぎる。問題なのが、ここに至るまでに長いあいだセーブポイントがまったくない点だ。マメにセーブしているプレイヤーではない場合、下手したら【スポア・スポーン】と戦う前くらいまで戻される

ここで死にかけて恐怖したあとに、右下の青いドアの先にあるセーブポイントで安心する流れなのだろう。また、向かいの赤いドアの先にある【エネルギータンク】の全回復に強いありがたみを感じさせる狙いがあるのだろう。

にしたって、ここまではるばるやってきたプレイヤーを灼熱部屋で初見殺ししかねない構成はクレイジーがすぎると思う。なんなら死んだら死んだで強烈な【できなかった体験】になるし構わないとさえ考えてそうなフシがある。「ここで死んだらバリアスーツでダメージを受けなくなったときにスゴく嬉しくなるやろ!」みたいな。


閉じ込める・一方通行

 重要なところでは、プレイヤーを閉じ込めたり、一方通行にして進行ルートを限定している。これによって、まず大きな不安が生じる。戻れなくなる、出られなくなる。これは探索の自由を突如として奪われるのと同義で、ストレスがかなりかかる。

一方で、閉じ込めたり一方通行にすることによって、プレイヤーを狙った場所へ誘導できる。また、パワーアップアイテムを手に入れて出られるようになったときの快感がとても高まる。


以下、スーパーメトロイドの閉じ込めポイント。

■閉じ込める
 ・ブリンスタのマップ入手前の部屋
 ・ブリンスタ後半の超縦長のエリア
 ・ハイジャンプブーツ入手前の部屋
 ・パワーボム入手前のエリア
 ・グラップリングビーム入手前のエリア

ブリンスタのマップ入手前の部屋とハイジャンプブーツ入手前の部屋は、【敵を全滅させないと開かないドア】が入り口になっている。そのため、入ったら敵を全滅させないと戻れない。そして先へ進むドアの近くに敵が配置されているので、ほぼ確実に奥に進むようになっている。上二つの例で言うと、プレイヤーはほぼ必ずマップを手に入れるし、ハイジャンプブーツもほぼ必ず手に入れる。

ブリンスタ後半の超縦長の部屋、ここは一度落ちるとアイスビームを手に入れるまで戻れなくなる。ここからはかなり長いあいだ閉じ込められる。


下二つのエリア、まずパワーボム入手前のエリア入り口のドアが【パワーボムで開く黄色いドア】になっている。上のほうにクレテリアにつながるドアがあるが、これも黄色いドアだ。したがって、パワーボム入手までこの一帯に閉じ込められる

パワーボムを入手して、元の道に戻らずに上のほうから出た場合、スタート地点のクレテリアに戻ってくる。このとき、ものスゴく強くなった実感が湧く。また、雷雨が止んで勇ましい音楽が流れているところもグッとくる。


グラップリングビーム入手前のエリアも、直前にものスゴく縦に長い穴を落ちてきているので、この一帯から戻れなくなる。一応、壁キックを使えば戻れないこともないが、壁キックは隠しテクニック扱いだ。ここもグラップリングビームを入手してその先へ進んでいかないと戻れない。スピードブーツのダッシュジャンプを絶対にひらめく必要がある

そのほか、新しいパワーアップアイテムを手に入れたら使いかたを修得するまで出られない構造がいくつかある。言葉を使わないチュートリアルだ。


 次、一方通行。閉じ込められるのと似たようなものではある。

■一方通行
 ・ブリンスタのダッシュで抜けるところの前
 ・クロコマイアーのいる部屋へ向かう道中の縦穴
 ・マリーディアのマップ近く(二箇所連続)
 ・ノルフェア深部の酸で満たされる大部屋


画像4

クロコマイアーのいる部屋へと向かう道中の縦穴(画像)。ここは足場が乗ると崩れるスルーブロックになっていて、一気に下へ落とされて戻れなくなる。


画像5

マリーディア、マップアクセス付近のエリア(画像)。ここは二つ連続して一方通行の構造になっている。最初にモーフボール状態で通れる狭い通路から下に落ちる。こうなるとほぼ戻れない。そこからさらに左に向かうとスーパーミサイルをスイッチに当てると開くタイプのドアがある。ここから先へ行くともう戻れない。

ノルフェア深部で酸の水?で部屋が満たされるところも、擬似的な一方通行と考えていいだろう。


隠し通路が順路

 逆に隠し通路ではない順路を探すほうが難しいくらいだ。ゲーム序盤のクレテリアからブリンスタへ向かう道からして、【一見マップ上でつながって見えるがブロックで壁が作ってある】という構造だ。

パワーボム入手前の通路、クレイド前の通路、ファントゥーン前の通路、ドレイゴン前の通路(一見トゲだが実はすり抜ける)、重要なポイントはだいたい隠し通路になっている。

こうすることで、「どこに行けばいいのか分からない……」という不安な状態から、「自力で隠された道を見つけた!」という安心と達成感を味わえる。


マップ

 既に最初に語ったが、マップがあると安心できる。自分が行ったことのある場所、まだ行っていない場所がだいたい分かるからだ。基本はこのマップを軸に探索を進める

ゲーム序盤のクレテリアとブリンスタでは、すぐにマップが手に入る。公開される内容もわりと正直で、マップを頼りに探索を進めるというスーパーメトロイドにおける探索の基本を体験できる。

ノルフェアからはトリッキーだ。


▼ノルフェアマップ
 ノルフェアのマップ入手タイミングはパワーボム入手後。ここまでにハイジャンプブーツを手に入れるために少し探索している。さらにその後、スピードブースターとアイスビームを手に入れるためにかなり長いあいだ探索している。このあいだマップはナシ。

つまり、ノルフェアは長いあいだマップなしでの探索を強いられる。かなりストレスが強い

入手時点でかなり探索しているが、公開されると青い未探索部分の多さが目に付く。ここで「あんだけ探索したのにまだこんなに広いのか!」というおどろきをもたらす。

また、秀逸なのがマップが公開されたタイミングで近くの青い未探索エリアに行こうと考えた場合、アイスビーム入手エリア前の通路に足が向かう点だ。ここが実は正解のルートなのだ。スピードブースターでシャッターが閉まる前に駆け抜けると、くぼみに足を取られる。

このくぼみのブロックが【パワーボムで壊せるブロック】になっている。通常、こういう【○○で壊せるブロック】は表面上はふつうの壁のように偽装されていて、ボムを使うと表面が剥がれるようになっている。が、ここのパワーボムで壊せるブロックは最初から剥き出しになっている。誘導する気マンマンである。

さらにそこから先へ向かうとスルーブロックで作られた足場しかない縦穴に辿り着く。ここで落とされて戻れなくなる。


▼難破船マップ
 ここはマップの入手自体に少し変化を加えている。ボスを倒さないとマップが手に入らない。ここでは、当然のように手に入ると思っていたマップが手に入らないという不安を狙っている。

手に入るマップはノルフェアやブリンスタと違って非常にコンパクトで「小さいな」という逆方向のおどろきをもたらす。上方向への道(順路)が途切れていたり、グラビティスーツ入手付近のエリアが描画されていない【虫食いマップ】なのはここまでくると当然に感じる。


▼マリーディアマップ
 直前で長~~いパイプをくぐるのだが、その瞬間にチラッとメトロイドが映る。もともと惑星ゼーベスに来たのは、ベビーメトロイドを取り返すためだった。なので、ここでいきなり目的地がはっきりと固まる。

どうすればあの場所に行けるのか?という目でマップを見る。これまでマリーディアは通りかかるだけの謎のエリアだった。マップ解放によって次はここを探索することを示唆している。


チラ見せ

 チラ見せは結構使っている。最も多く用いられているのが、【地形を這うタイプの敵】が壁や床を隔てた向こうでモゾモゾ動いているパターンだ。この場合、やはり「あそこ、なんとかすれば行けるのかな?」と考えるようになる。

あとはマリーディアのメトロイドっぽいのチラ見せもやはりデカい。あれで強烈なマリーディア到達への意欲が湧く。細かなポイントだと、グラビティスーツ入手エリアへの侵入通路や、スペイザービーム入手部屋辺りもチラ見せして誘導している。

また、各地形のあいだのつながりが隠されている虫食いマップもチラ見せテクニックと捉えることができる。「離れた位置に部屋が表示されてるけど、ここのあいだ通れるのかな?」といった具合だ。


特徴的なオブジェクト

 重要そうなところに特徴的なオブジェクトを置いて印象を植え付けている。まあ、だいたい顔である。怪物の顔を模したトンネルのような地形になっているところはだいたい重要なところだ。

クレイドがいる場所やリドリーがいる場所への道は、顔のトンネルがある。どちらも最初は入り口である顔が見えるところまでしか行けない(できなかった体験)。ここで印象を植え付けて、「そういえばあそこ行けるようになったかな……」と探索の意識にのぼらせる。


絵と音

 ここまで一切触れていないが、絵と音もめちゃくちゃ重要だ。周辺の雰囲気が大きく様変わりすると「新しい場所に来た……!」とドキドキする。

極端な話、移動する度に風景が変わったり、音楽が変わったり、初めてみる敵が現れたりすれば探索は楽しい。実際はそれだけの物量を作るのは困難なのでたいてい使い回しが多くなる。

なるのだが……スーパーメトロイドはわりと膨大な物量を実現してしまっている。一応、エリア毎に特色がある。ブリンスタは緑っぽいとかノルフェアは溶岩で赤っぽいとか。ただ、各エリアの中でもさらに細かく風景が変化するし、敵も種類が変わる。

【ここの部屋にしか出現しない敵】なんて平気で出てくる。はっきり言って頭がおかしい。正直、工夫というよりは“力”だ。これ以上は脱線するのでまた別の機会に語る。


死んだらセーブポイントから

 もはや昨今のゲームではなかなかお目にかかれないシステムだ。死んだらそれまでに探索したことがすべてパァになるので、死への恐怖はかなり強い。そのため、セーブポイントに辿り着いたときの安心感はスゴい。

死への恐怖でも不安がつきまとう。とりあえずセーブポイントを目指す、というスタイルのプレイを誘発する。また、セーブポイントへの安心感を逆手にとって難破船ではセーブできないようにしておどろきを与えてくる。


まとめ

 とりあえず、こんなところだろうか。正直言ってあんまりまとまっていない。まあでも、叩き台を作るのは大事だからね?フワッと羅列しただけで叩き台になるかは怪しいけども。

だいたいの流れはこんな感じだろう。

■だいたいの探索の流れ
 ①マップがなくてどこ行けばいいか分からん……
 ②マップゲット!こうなってるのか!
 ③青い未探索エリアを探索していこう
 ④行けるところなくなってきた……
 ⑤隠し通路の先でパワーアップアイテムゲット!
 ⑥行けるところまた増えたぞ!
 
◆③~⑥を繰り返しつつ、新しいエリアで再び①に戻る

大まかにはこんな感じか。基本的には目的地が一切提示されていないので、マップに映っている青い未探索エリアを調べていく。この過程では、順路が一番遠い箇所+ドアの色でうっすらと誘導されている。

いろんな部屋を回って【できなかった体験】を積み上げてフラストレーションを溜める。一部に特徴的なオブジェクトを見かけて、のちの探索場所への記憶を植え付けられる。

気付かないタイミングで閉じ込められたり、一方通行だったりで誘導される。壁や床の向こうに気になるモノをチラ見せされてどうにか辿り着けないか考える。

見たことのない風景にワクワクしつつ、死んだらセーブポイントから始まる恐怖にドキドキする。行けるところがなくなってきた段階で、隠し通路を見つけ、その先でパワーアップアイテムを見つける。

そしてまた行けるところが増えて……


 フワッとしてるが、とりあえず僕がスーパーメトロイドの探索について思ったことはこんなところだ。

スーパーメトロイドは他にもパワーアップアイテムとか敵・ボスとか隠し要素とかまだまだ掘り下げられるところがあると思うので、また別の機会につらつらと考えたい。


おわり


※以下、2021年8月16日に加筆

おまけ

 題して、【ディレクター坂本賀勇さんの演出手法からみるツーリアン前のエリア】

スーパーメトロイドのディレクター、坂本賀勇さんは2010年のGDC講演にて、自身の演出手法について語っている。イタリアの映画監督、ダリオ・アルジェント氏の影響を受けたその演出手法は、坂本氏曰く

作り手は“ムード” “間” “伏線” “コントラスト”をコントロールして、
観衆を恐怖させるのだと。

とのこと。

これを踏まえて思い浮かんだのがツーリアン前のエリア。

動画を参考に“ムード” “間” “伏線” “コントラスト”について考えてみる。


▼ムード
 まず、ムード。坂本氏が

“ムード”は音楽が支配するものだと知りました。

と語っているように、ツーリアン前の音楽の使いかたは絶妙だ。敵がひしめく遺跡のような通路を抜けると、おどろおどろしい音楽はピタッと鳴り止む。

生き物の気配がまったくせず、ただ機械だけが稼働するかのような無機質な音が流れている。風景は一変し、怪しげなモヤまで立ちこめている。サムスの足音がいやに大きく響く。


▼間
 次に、“間”。この無機質な鉄の通路、やたら長い。隠し通路はおろか、敵どころか段差すらない。本当になにもない通路というのはスーパーメトロイドでもほとんど見かけない。コントラストを最大にするための“間”だ。


▼コントラスト
 続いてコントラスト。これまた音楽が一変し、強烈に緊張感をもたらす。無機質な鉄の通路から、水の流れる洞窟へと風景が再び一変する。もちろん中央にでかでかと鎮座する謎の石像は強烈なインパクトをもたらしているだろう。


▼伏線
 最後に伏線。この場合、これらの演出自体が伏線になっている。これほど周到に演出を凝らしたロケーションは、プレイヤーの意識に深く刻み込まれる

ここは最初に来てもなんの反応も得られない。そのため、新しい能力を得たら立ち寄る可能性があるだろう。また、次に行くべき場所が分からずにさまよっていてここにまた立ち寄ることもあるだろう。

そのときに、最低でも4体のボスのうち1体でも倒すところまでゲームを進行させていれば反応がある。その反応を見て「もしかして4体倒せばなにかが起きるのか……?」と自分の発見に興奮する。


 今回は僕が取り上げたかったツーリアン前のエリアを例に挙げたが、この演出手法は他の場所でも用いられているだろう。

ムード、間、伏線、コントラスト。これら4つの要素からスーパーメトロイドの探索について考えれば、新たな発見があるかもしれない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?