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『勇者のくせになまいきだ』のゲームデザイン概観

 『勇者のくせになまいきだ』っていうゲームシリーズがめっちゃ好きだった。PSPの三作品だけしかやってないけど。したがって、ゲームデザインについてざっと考えてみる。なにが“したがって”なのか。

とはいえ、今はもうPSPが壊れてしまって遊べないので、思い出しながら考えてみる。思い出しながらなので、当然間違っている部分も出てくるかもしれないが、とりあえず突っ切る。

本能的な面白さ

 生理的快感とかそういうやつ。マリオでいうジャンプの気持ち良さや、踏みつける気持ち良さみたいな。

ざっと思い付くのを考えてみる。

・ブロックを掘る手応えの気持ち良さ
・ズームインアウトの動きの気持ち良さ
・魔物の営みを眺める楽しさ
 →特に捕食シーンは心躍る
・魔物をつついて殺す愉しさ
・勇者をしかばねにする楽しさ
・宝箱(ガチャ)
・音楽

・ブロックを掘る手応えの気持ち良さ
・ズームインアウトの動きの気持ち良さ
 この辺りは説明不要というか、説明しにくい。まあ、入力に対するリアクションが丁寧に付けられている。つまり、アニメーションやエフェクトや効果音が細やかに付けられているからこそ、そこに気持ち良さが生まれているはず。

・魔物の営みを眺める楽しさ
 アリの行列を眺める楽しさに近い。観察の面白さとでもいうのか。一定の法則にしたがって動くものを眺めるのが人間は好きなところがある。ただ、それがなぜ面白いと感じるのかは分からない。人間に詳しい人がいたら教えて下さい。

・捕食シーンの興奮
 
魔物の捕食はなんとなくテンションが上がる。これは生存本能として食に対する興味にバフがかかっているからと解釈している。他の生物の食事に対して関心が高まるように設計されている気がする。その方が生存率上がりそうだから。

捕食シーンは、生存に関係している生存競争/生存闘争の一番剥き出しの部分も合わさるのでさらに関心が高まる。暴力性を感じるものに人間はどうしても興味が惹かれる。

余談だが、僕が『勇なま』にハマったのは、トカゲおとこがガジガジムシをバクっと食べるさまに興奮したときだ。友人に遊ばせてもらった際に体験して大興奮し、翌日ソフトを買いに行った。

・魔物をつついて殺す愉しさ
 このゲーム唯一のプレイヤーの手による直接的な殺害だ。命を奪うのは明確に悪いことで背徳感が怪しい愉しさをもたらす。さらに魔物は自分が生み出しているのだからタチが悪い。積み上げたものを台無しにする感じがたまらない。積み木を崩すようなものか。突いて間引くことによって養分を特定ブロックに集中させたり、養分の循環を図る攻略性も意図されていることは言うまでも無い。

ただ、効果音がつるはしを振る音だけでダメージを与えている音が無いのは少し気になったところ。ここにもう少し丁寧に音を付ければもっと気持ち良くなっただろうに。何か意図があるのだろうか?間引きが楽しすぎるとゲーム攻略に支障をきたすからだろうか……

・勇者をしかばねにする楽しさ
 まあ勝利は楽しい。これは言うまでも無い。生存闘争に勝ったらそりゃ嬉しいに決まっている。【殺すか・殺されるか】は古今東西あらゆるゲームの主題になっている。

・宝箱
 養分/魔分が無いブロックを掘るとたまに出現。ランダムに出現する上に突くとランダムで魔物が生まれる。たいてい弱い。放置しておいて勇者が開けると最大HP÷2のダメージを与えるトラップになったりする。そしてたまに回復させちゃったりする。

養分/魔分が無いブロックを掘るメリットは薄いが、そこにちょっとしたギャンブルを入れることでほどよいスパイスにしている。宝箱自体もランダム要素の塊でギャンブルの楽しさがある。深い層ほど出やすくなるのは、深く掘るのが強くなるような設計だろう。

・音楽
 音楽聴くのってもう本能的に気持ち良くない?そんなことない?リズムに乗るのも気持ち良いし。というかリズムに乗る気持ち良さから派生して音楽聴く=気持ち良いになっている?

『勇なま』は小学校の音楽室に置いてある楽器で構成された楽曲がとても良い。夕暮れまで友達と遊んだときとかそういうのを思い起こさせてくる。ノイジークロークスタッフの生演奏なのも良い味出てる。

論理的な面白さ

 論理的な面白さは、【リスクとリターン】とか【駆け引き】とか【ジレンマ】とかそういうヤツ。『勇者のくせになまいきだ』は、振り返ってみると、とりわけジレンマがたくさん盛り込まれているように思う。

そしてジレンマが用意されているが、ほとんどはプレイヤーのテクニックと知識でジレンマを破壊出来るようになっている。これが出来たときの【してやったり感】はなかなかの快感。

このゲームのジレンマは、

・掘パワー
・軍パワー(≒戦力)
・戦力を整えるスピード

 これら三つが相互に干渉し合うイメージだ。ジレンマが生じる仕様をざっと考えてみる。

①掘パワーボーナス
②タイムボーナス
③軍パワーボーナス
④魔物強化
⑤突然変異
⑥魔物を生み出す
⑦ダンジョン成形

①掘パワーボーナス
 ステージクリア時に残っていた掘りパワーが多いほど掘パワーボーナスがもらえる。ボーナスは掘パワー増加。

▼掘パワーを消費する
 +戦力が整って勝てる可能性が高まる(短期的に見ると勝てる)
 -ボーナスが減る(長期的に見ると負ける)

▼掘パワーを温存する
 +ボーナスが増える(長期的に見ると勝てる)
 -戦力が整わず負ける可能性が高まる(短期的に見ると負ける)

②タイムボーナス
 ステージクリア時間によってタイムボーナスがもらえる。ボーナスは掘パワー増加。ボーナス補正値は後半のほうが大きい。後半ほど強い勇者が来るので、早くクリアするのが難しくなる(基本的には)。

▼早いステージクリアを目指す
 +ボーナスがもらえる(長期的に勝てる)
 -戦力が整わない(短期的に負ける)

▼確実なステージクリアを目指す
 +戦力が整う(短期的に勝てる)
 -ボーナスがもらえない(長期的に負ける)

 ③軍パワーボーナス
 
前ステージクリア時の軍パワーと現ステージクリア時の軍パワーを比較して、現ステージクリア時の軍パワーが大きければボーナスがもらえる。ボーナスは掘パワー増加。序盤のほうがボーナス補正値が大きい。序盤は充分な軍パワーを整えるのが困難。それゆえにテクニックで大量の軍パワーを稼げたときにジレンマが破壊出来る。

軍パワーボーナス狙い自体が、掘パワーボーナス狙いやタイムボーナス狙いとのジレンマを生み出す。軍パワーを増やすには掘って魔物を生み出す必要がある。軍パワーを増やすのは時間がかかる。といった具合だ。

ただ、軍パワーボーナスだけは、前ステージとの比較が前提にあるので、簡単にまとめにくい。もう少し深掘りして正体を明らかにする必要がありそうだ。

◆ボーナスシステム概観
 上手くプレイしたことを褒めるタイプのボーナス系システムによくあることだが、富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる。このゲームもその例に漏れず、ボーナスで余裕が出来てさらにボーナスを得られるようになる。

上手になったときの余裕っぷりが気持ち良い。ボーナスは【あちらが立てばこちらが立たず】のジレンマが多く張り巡らされているが、上達によってこれをぶち破ることが出来る。だから面白い。

その他に、ボーナスを狙い過ぎて本来なら簡単に勝てるはずの勇者に負けてしまうことがあるところも興味深い。これがゲームに深みをもたらす。

負けるときは掘パワーや軍パワーが徐々に失われていき、ジリ貧になって負ける。勝てないときはこれがかなり辛い。

「もう一回!」を狙う仕組みは後でまとめて書くか。

④魔物強化
 ステージクリア時に、掘パワーを消費して魔物のレベルを一段階上げられる。掘パワーの許す限りいくらでも行える。

▼強化する場合
 +魔物が強化されて勝てる可能性が高まる
 -掘パワーボーナスが減って長期的に負ける可能性が高まる

▼強化しない場合
 +掘パワーボーナスが多く貰えて長期的に勝てる可能性が高まる
 -魔物が強化されないので負ける可能性が高まる

短期的に見るか?長期的に見るか?のジレンマ

しかし、更に前のステージで大量の掘パワーを獲得していれば「ボーナスもがっつり貰えてかつ強化もできる」というジレンマの破壊が出来る。

 ⑤突然変異

+通常強化よりも掘パワー消費が少ない
-絶滅の危機に曝す/曝される必要がある=戦力低下(:3D)
-シンプルに難しい(or2)
-通常強化よりも時間がかかる=戦力を整えるスピードが遅い
・種が変更されて戦力の質が変化する(or2)(※最大ランクだと逆に弱体化のピンチに)
・ピンチがチャンスに変わる、ドラマを生み出す仕組み
・魔物や勇者が死ぬときに養分/魔分が土に飛び散る仕組みとの親和性が高い

-絶滅の危機に曝す/曝される必要がある=戦力低下(:3D)、と書いたが、強化のために変異を狙う場合、現在戦力に不満があるからやることなので、戦力低下は想定内な可能性が高い。

また、プレイヤーのテクニック次第では素早く確実に変異出来るので、これまたジレンマの破壊につながる。最初はトレードオフ的な仕組みに思えるが、上達するにつれてメリットが上回ってくるようになる。ここに成長の実感があって面白い。

⑥魔物を生み出す

▼ブロックから魔物を生み出す 
 +戦力を特定位置に集中させるのが容易い
 +魔物の繁殖よりも速い=戦力を整えるスピードが速い
 -掘りパワーの消費が多い
 -養分/魔分効率が悪い
 -魔物の体力が低い
 ・短期戦向き

▼繁殖させて魔物を生み出す
 +掘りパワーの消費が少ない
 +養分/魔分効率が良い
 +魔物の体力が高くなる(食事で体力増加)
 -掘るよりも遅い=戦力を整えるスピードが遅い
 -戦力を特定位置に集中させるのが難しい
 ・長期戦向き

 一応、掘るのが繁殖よりも速いのは慣れてからだ。プレイし始めは繁殖のほうが速いと感じるかも。実際のプレイでは掘りと繁殖、どちらの方法もある程度並列で使っていくのでどっちかの戦略に特化することはなかなか無い。

最適解が見えづらく、状況によって変動するので、チャレンジとして成立する。

⑦ダンジョン成形

▼戦力の集中/分散
▼養分/魔分の循環(柔軟性および逆転性)

の二つが主な焦点か。

◆一本道の通路に小さく掘っていく
 +全ての魔物が勇者と遭遇する
 +全ての養分/魔分が土に還る
 +ダンジョン全体をコントロールしやすい
 -十分な戦力を確保できない

◆広場を作るように掘る
 +戦力を確保できる
 -ダンジョン全体をコントロールしにう
 -全ての魔物が勇者と遭遇しない
 -全ての養分/魔分が土に還らない

となる。これは別に0か1かという話では無く、実際は最初は通路型で掘り進められ、状況に応じて戦力を追加しようとして徐々に広場型へと移行していく。グラデーション的な構造になる。

また、分かれ道の有無で、

+勇者パーティーの戦力が分散される
-魔物の戦力も分散される

のジレンマが生じる。これもジレンマ破壊の手段があって、「魔王を配置した側の戦力を厚くする」といった手法がある。メインルートを設定してそこで勇者を一人ずつ殺す方法。

分かれ道でどの道を進むかは勇者ごとに決まっているので、知識を積めば「このステージの回復魔法を持った勇者は右に行くから右の戦力を厚くして回復手段を絶とう」とか出来るようになる

 

とまあ色々あるものの、結局のところプレイヤーがやることは

「ダンジョン掘って、魔物生んで、勇者倒す」に収束するのがこのゲームの素晴らしいところ。ほとんどの要素は

・掘パワーの増減
・軍パワーの増減(魔物の増減)

に収束していく。また、全てのジレンマはプレイヤーの腕前によって破壊可能なのがやはり魅力的だ。考えることは至ってシンプルで、【いかに最少の手間で最大の効果を出すか?】だ。少ない消費掘パワーと短い時間で大量の軍パワーを稼いで勇者を倒すことを考えていれば良い。

そのためのテクニックと知識がある。後で書くが、テクニックと知識は、主に【チュートリアル・チャレンジ】で身に付けられるように設計されている。

リプレイ性・「もう一回!」を生む仕組み

  これもザーッとまとめてみる。

◆リプレイ性・「もう一回!」を生むと思われる仕組み
 ①ランダム性
 ②敗北時のヒント
 ③逆転可能性の高さによる敗北時の悔しさ喚起
 ④ボーナスによる難易度変化
 ⑤戦略の多様性
 ⑥図鑑(コレクション性)
 ⑦ドラゴンオーブ(:3D)
 ⑧ハイスコア

とりあえずこんなもんかな……よし考えていくぞ。

①ランダム性
 少しある。初期の養分配置が代表的なランダム性か。あとは広いエリアでガジガジムシ系やリリス系がどう動くかとか、宝箱が出るかどうか。『:3D』だと水源の位置とかも入るな。

要素単位で見た場合、本当にランダムな要素というのは案外少ない。が、実際にプレイすると分かるが、いくら法則にしたがって動いているとはいえ、要素数が膨大なので実際のプレイ感覚では、同じようにプレイしたはずなのに結果が変わっているような感覚を受ける。

結果として飽きがなかなか来なくなり、遊び続けられる。

②敗北時のヒント
 敗北時に魔王が敗北ステージの攻略ヒントを言ってくたばる。また、勇者の強さや襲来までの時間などは固定。「物理攻撃系の魔物が通用しなかったから、今度は魔法攻撃系の魔物で攻めよう」といった次の戦略が考えやすい。

「次は勝てる!」「次はこうしよう!」が生まれやすい。

③逆転可能性の高さによる敗北時の悔しさ喚起
 『勇なま』は負けそうな状況から逆転出来る可能性が結構ある。そのぶん、負けたときに悔しくて「もう一回!」になるわけだ。以下、関連していると思われる仕様まとめ。

◆逆転要素
 ・魔王を捕らえて地上に行ったらゲームオーバー
  →魔王捕縛中の勇者はスキル使用不可
  →死んだ魔物/勇者が養分/魔分を撒き散らす
   →突然変異

だいたいこんなものだろうか。勇者はダンジョンに配置した魔王を捕らえて地上に戻る。行きで負けても、そのときに散った養分を再利用してもう一度魔物を作れるときがある。魔物が死ぬ分、突然変異チャンスも生まれやすい。突然変異では魔物が強化されるので、帰りで勝てる可能性も高まる。

また、魔王捕縛中の勇者はスキルが使えないので、勝てるチャンスが高まる。なんならこの仕様を悪用してわざと魔王を捕らえさせてから殺しにかかる戦法もあるくらいだ。

勇者はダンジョンから引き上げる、いわばダンジョンから逃げるような形になる。これによってクソッ!逃げられた!という感覚を生み出してより悔しさが高まるようになっているかもしれない。「魔王が連れ去られただけだ。オレは負けてない」というマインドに持って行きやすいかも。

④ボーナスによる難易度変化
 なんか上手い名前が思い付かなかった。要はボーナス狙いしすぎて本来なら勝てたはずの勇者に負けたりする。そのとき主観的に難易度が一定ではないように感じられるわけだ。【上手くなったら序盤ステージは楽勝すぎて退屈……】とはならないようにしている。上手くなろうがどのステージも一定の面白さを保っているゲームは飽きない。

⑤戦略の多様性
 正直、こんな一言で言い表せるほど単純では無いように思う。どこから手を付けるか……

まず、どの魔物も勇者を倒すための手段足りうる。最弱のコケ系でも最大強化して戦力を集中させれば強い。『。』や『or2』では【コケ地獄】なる戦法が編み出されたくらいだ。

魔物をどう違いを作っているかに注目してみるか。

◆魔物の要素
 ・生み出す方法
 ・攻撃種類&攻撃力
 ・HP
 ・繁殖力
 ・種

こんなところだろうか。これが魔物によって長所が変動するので、戦略の多様性を生んでいる。そのため、遊んでも遊んでも学習出来る余地が山積みなため、なかなか飽きてこない。

勇者側も見てみよう

勇者の要素
 ・人数
 ・職業(攻撃種類&スキル)
 ・攻撃力
 ・物理防御&魔法防御
 ・HP
 ・MP
 ・曲がる道

こんなところか。各要素がプレイヤーの選択にどう影響してくるかざっと考えてみる。【人数・曲がる道】はダンジョンに分かれ道を作るかどうかの選択に影響してくる。

攻撃種類はダンジョンの成形や補助効果の選択などに影響してくる。直線に貫通攻撃してくる勇者対策にジグザグにダンジョンを掘ったり、物理攻撃が強力な勇者対策に居るだけで物理防御アップのデーもん系を用意したりする。

防御力はメイン戦力に影響してくる。物理防御が高くて魔法防御が低い勇者相手には魔分系の魔物で攻めるなどの工夫が必要になる。もちろん防御をぶち破るくらい物理攻撃が強い魔物を大量に用意するのもアリだ。

スキル・MPは特にプレイヤーの選択に影響してくる気がする。勇者のスキルの大半は強力なので対策が必要なのだ。回復魔法を持った勇者を優先的に始末するようにしたり、レディ系の魔物でスキル発動を抑制、魔法陣を踏ませてMP消耗、魔水に浸からせる、あえて魔王を捕まえさせるなどがある。勇者が使う補助魔法は時間で切れるので、あえて魔物をけしかけず、補助効果が切れたタイミングで仕掛ける戦法もある。これはリアルタイム性を意識させる面も強い。


 とりあえず戦略の多様性をもたらしている二大要因の魔物と勇者の要素について考えてみた。正直、まだまだあると思うがとりあえずこんなところにしておく。

戦略が多様だと、「トカゲメインでクリアしたけど、別の魔物メインにして遊んでみるか」といったことも発生する。要は価値や遊び応え、学習余地が幾層にも用意されているので、なかなか飽きてこないわけだ。

⑥図鑑(コレクション性)
 登場した魔物や勇者が図鑑に登録される。図鑑では主に確かざっくりしたパラメータが見られたはず。ここである程度「へーこの魔物はこれが長所なのかー」とか「この勇者はここが弱点なんだな」と学習出来る。

また、説明文が凝っておりクスクス笑いながら読める。各キャラクターに愛着が湧くので、これも継続を促す。世界から離れにくくなる。

でも本命はコレクション性だろう。図鑑達成率がxx%表示されるので、埋めたくなる。プレイ続行!レアモンスターのロマンもデカい。

【宝箱から出てくるモンスターが埋まってない】とかランダム性が組み合わさると、さらに沼っ・・・・・・!嵌まっている・・・・・・すでに泥中 首まで・・・・・・

⑦ドラゴンオーブ(:3D)
 これもコレクション要素。同じステージでも条件分岐で別の勇者が登場するシステムも、同じステージを再プレイする動機になる。集めた結果、新しいツルハシが手に入るというのもご褒美としては十分な魅力。そして新たに手に入れたツルハシがまた戦略の多様性を押し広げる。やはり沼。

⑧ハイスコア
 いにしえの時代よりプレイヤーの周回を促した存在、ハイスコア。『勇なま』ではどちらかといえば「別の戦法を試してみたい」という【自己実現】が再プレイ動機として魅力的だが。別の戦法を促す仕組みの一つとしてハイスコアがあるといった形か。【どういう戦法ならハイスコアが取れるか?】だ。

ゲームサイクル

 雑に軽めにゲームサイクルも少し。基本的にメインストーリーで完結しているが、【チュートリアル・チャレンジ・魔王の部屋】もある。あと図鑑眺めて学習。

◆チュートリアル・チャレンジ

 チュートリアルでは、基本的な操作方法とシステムを教えてくれる。チャレンジでは、応用問題。チャレンジで学んだことをメインストーリーで活かすという流れ。また、メインストーリーで行き詰まったら気分転換にチャレンジしてみたり。

◆魔王の部屋

 フリーモードみたいなやつ。戦法を試したり、魔物を心ゆくまで眺めたり出来る。訓練場兼息抜き場所といったところか。


チュートリアル・チャレンジ・魔王の部屋・図鑑⇔メインストーリー

一文で表せるゲームサイクル。チュートリアルなどで学んだことをメインストーリーで活かす形式。メインストーリーで行き詰まったら息抜きにチャレンジしたり図鑑見たり……

とりあえず〆

 結構な文字数書いたが、これでも概観なんだよな……

もっと深く掘れそうなところが多い。ダンジョンだけに。とはいえ、とりあえず概観出来たと思う。多分。

今回は個人的に考えやすかった、

・【本能的な面白さ】
・【論理的な面白さ】(ジレンマ)
・【継続を促す仕組み】

と主に3つの軸で考えたが、なんかもっと良い方法ありそうだなあ。3つの軸で考えているが実際のゲームプレイではこれらは溶けて混ざり合ってるので、なかなか考えるのが難しい。

『勇なま』はある程度規模の小さいゲームなので通用したが、もっと大作のゲームになると全体のゲームサイクルにも注視しないといけなくなる。一つの記事に全部詰め込むのはやはり難しいな。


「むかしめっちゃ遊んで好きだったな~」というゲームのゲームデザインを概観してみたが、やはり良く出来てる。むかし夢中になるのには、ちゃんと理由がある。


おわり


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