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ひとくち独話集 part12

日々考えている、どうでも良いちょっとしたことをいくつかまとめて書く。



・懐かしいの第2段階

先日、久しぶりに、郊外のレトロゲームショップに行った。都内の同種の店に比べて広く、品揃えも良い感じがする。田舎の家の方がレトロゲームが眠っているし、それを売却しても、買い手が少ないからじゃないかと思う。

自分が赤ちゃんの頃に遊んでいた、レトロなゲームやおもちゃが好きで、そういう店に行くことがある。先日、ゲームギアソフトを見て「これ持ってたな~、懐かしいな。」って思ったんだけど、そこで「あれ?」と思った。

「「これ持ってたな~、懐かしいな。」って思うのが、懐かしいな。」

思い返せば、こういうレトロゲームショップに行くことにハマっていたのが、20年前。その時も、「懐かしい~。」って思って楽しんでいたんだけど、もはやレトロゲームショップに行くという行動すら、自分にとって懐かしいものになっていた。

懐かしい の楽しみ方として、第2段階な感じする。




・意味わからなくなりたい

自分が昔使っていたパソコンに、久しぶりに電源を入れた。
やることはひとつ。自分が中学生時代に作ったゲームを遊ぶこと。

自分が中学時代に作ったゲームは100以上ある。なぜか、1日1個ゲーム作るみたいな縛りをして過ごしていたから。当然、1日1本ってかなり無理があるので、超低クオリティなものが大量に生産された。それを、昨日超久しぶりに遊んでみたら、一人で腹ちぎれるくらい笑った。

とにかく、意味が全く無い。

今、ゲームを作るなら、全体像・ストーリから考えて、こういうゲームを作ろう!って企画ができてから作り始める。中学当時は、そんなものは全くなかった。いきなり作り始めて、作っている最中に、その瞬間に思いついたことを、ただ実装する。結果的にストーリはめちゃくちゃで矛盾だらけ。敵を倒していくけれど、そいつが誰なのか、なぜ戦っているのか、そういうものは全く意味がない。ボスを倒したら、実は偽物だったとかで、真のボスが出てくる。真のボスを倒したら、宇宙人が現れて本当のラストバトルが始まる。倒したら、宇宙人の顔がビリっと破れて、実は本当のボスは俺だとか言って違う奴が出てくる。

音楽や効果音の使い方もめちゃくちゃ。
ガチャーーン!!(真のボスが登場)
てってれってててれれれれ~~~~~~~♪♪♪(フランスみたいな音楽にのせて、ボスの顔のアップ表示)
~♪(戦闘BGMが謎のクラシック音楽)
ゲ!(ボスがミサイル撃つ音)
ゲ!(ボスがミサイル撃つ音)
あ~w(ボスに攻撃あてた音)
ゲ!(ボスがミサイル撃つ音)
てってって♪♪♪♪♪(ボスを倒して爆発するシーン)

もちろん、絵も自分で書いていたりするので、とてつもなく酷い。こんなレベルで100以上、俺以外に誰も遊んだことないものが存在する。

これ本当に俺が作ったんか?どっかの馬鹿がウケねらって作ったただのネタだろ、と本気で言いたくなる。いや、どっかの馬鹿がウケねらって作ったただのネタだったとしても信じられないわ。でも、今言えることは、下手に知恵があって、辻褄合わせて作ったゲームよりはおもしろいよね・・、ってこと。

そこで思ったのは、意味なんてなくてよかったんだなってこと。今では、意味のないことってできなくなってしまったと思う。ゲームで敵が現れた。なぜ戦わないといけないんだ?本当に戦うのはただしいのか?とか考える。

敵が出た。倒した。正体は違う奴だった。倒した。マシンに乗って復活。でも倒した。・・・
うまく作れなかったけど、それは遊ぶ側が気をつかってくれや。とにかく、全部に何の説明もないし、意味もない。それでよしとできる勇気を昔は持っていたんだなあ。

その方が圧倒的に心をつかむんだなって思ったし、そういう暴力的な性格のままで生きてきたかった。今からでも、意味わからなくなろうと思ってなれるものなのかな。

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