あすか

片田舎の薄給会社員 ぽつぽつと文章を書いてます

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最近の記事

kindleを買っちゃった話

わたしが給料を手にしてから勢い任せにkindleを買ったのは、横溝正史の由利麟太郎シリーズが読みたかったからだ。 ちょうどドラマの探偵・由利麟太郎が始まって、近所の書店で「蝶々殺人事件」を買ったのは先月の話。 まあ、基本的に買うだけ買って本を積み上げるのが趣味のような人間なので、案の定積み上げてしまったのだけれど、本が身の回りに置いているだけで幸せになれるタイプの人間なので、幸福にはなった。 しかし、帯には四か月連続刊行と書いているのに、近所の書店にはそれ以降の復刊され

    • 早寝と傷と十五歳のわたし

      ※自傷行為にまつわる話があります 両方の腕がズタズタでも、なんとか仕事をしている。 ――ほんとうにズタズタである。 もうこれは思春期のものなので、おそらく十五年以上昔の傷なのだけれど、両腕がしまじろうにもほどがある。 いつだったかTwitterで見た「イカ焼き」という文字に、あぁわかる…となるくらいにはイカ焼きにも似ている。 おかげさまでわたしは腕を出せない。夏でも薄い羽織りを着ている。 水着も着なければ、浴衣もためらう。 たとえば、かわいいと思う半袖のワンピースがあ

      • なんとなく嫌だったものとサヨナラした話

        なんとなく嫌だと思っていたものにサヨナラをする。 というか嫌だと思いながら持つなよという話なのだけれど、これは日常のどこかにあるような“壊れてはないんだけどちょっとなぁ…”であり、なおかつ”使えるには使えるので本格的に壊れたらにしよう…まだいける…な?”みたいな品の話だ。 わたしにとってそれは傘だった。 紫陽花がきれいに咲いていたのに、そこを歩いている自分がボロボロのビニール傘を持っているのがマジのマジで恥ずかしくて嫌になったのだ。 よし、傘を買おう。そう思ってからの行動

        • 最果ての夏

          来年の春に予定通りに引っ越すのなら、このいなかで過ごす最後の夏だ。 さよならをすると決めてから急にいとおしくなるなんて都合のいいはなしだ。 自分でも思う。 この街で咲く紫陽花も最後なのかと思うと、ボロボロのビニール傘で紫陽花に向き合うのがなんだか悲しくなってしまって、新しい傘を買った。 街のいたるところで紫陽花が咲いていることを、おそらく人生で初めて、意識した。 それでも着々とさよならの準備をしている。 荷物にならないように、紙の本ではなく電子書籍を買うようにシフトし

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