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共に育ち、共に戦おう。

相模原に訪れたのは厳しく寒い冬だった。

2022シーズン、J3リーグ最下位。
そして、Jリーグ30年の歴史の中で最大となったこのオフの選手・コーチングスタッフの入れ替え。


これまで、サッカー以外にも色々なプロスポーツチームを応援してきたが、これほどまでに好きなチームを応援することに対して問いをぶつけられたオフは無かった。

チームの好きな雰囲気があった。
ずっと応援すると決めた選手がいた。
同じ夢を見て、必死に応援した時間があった。

その思い出たちが、心に毛羽立ったささくれを1つ1つ剥かれるように、痛みと喪失感を伴って消えていった。

多くの敗戦を重ね、とても苦しいシーズンだったが、忘れることの出来ない楽しい思い出がたくさんあった。
その全てが無くなってしまったような感覚に陥った。


年末、もしかしたら、来季の相模原を応援するのはもう難しいかもしれない、とすら思った。

2023年のSC相模原をこれまで通りの熱量を持って応援できるのか、自分自身に対して疑問を持ちながら年を越した。


年が明け、2023シーズンのSC相模原が始動した。

新しい選手、新しいコーチ、DeNA傘下に加わり新たな体制となったクラブ。
新たに監督に就任した名解説者・戸田和幸氏は勇気と大胆さを持ってSC相模原を率いる。

大卒ルーキー9選手を含む、21人の新加入選手は全員25歳以下の複数年契約。そして、昨季J1やJ2で戦った選手は一人もいない。中には、地域リーグの大会で隣のピッチで躍動する姿が戸田監督の目に留まり相模原加入が決まった選手もいる。

Jリーグ史に残るであろう、前代未聞とも言えるとてつもない強化方針。
DeNAをバックとしたクラブ体制と、戸田新監督の固い意志がこの編成を実現させた。

一体今年のSC相模原がどんなチームになるのか、何位になるのか、もはや誰をもってしても予想することすら困難だと思う。

多くの痛みがあった。
悲しく辛い沢山の別れがあった。
けれど、SC相模原は前に進む。

選手達が練習を重ねる様子や新体制発表会を見て、自分だけが2022シーズンに立ち止まっていては駄目だと強く思った。

ゴールへ向け前を向き走る選手たち、
ボールを持てども持たずとも、ゴールへ向かう姿勢、
そして、体現しようとする「エナジーフットボール」。

僕の心に掛かっていた雲を1つずつ取り払うように、2023年のSC相模原は多くの期待をもたらしてくれた。

沢山の新加入選手たちがやってきた。僕たち応援する人間は、まず選手一人ひとりの顔と名前や特徴・背番号を覚えるところから始めなければいけない。
きっと、いま名前を覚えた彼らが、もう少し経つと僕らを喜びの渦へ誘ってくれる。

新たな選手、監督・コーチと共に、心湧き踊るエナジーフットボールを体現するために。
野心的なシーズンを始めよう。

「さあ行こう緑あふれ 俺らは共に進む」


生まれ変わったチーム。
多くの新たな顔ぶれ。
けれど、変わらない僕たちが相模原ギオンスタジアムにはいる。

チーム・選手と一喜一憂し、嬉しければ一緒に飛び跳ねて喜び、悔しければ一緒に涙を流す、そんな週末がすぐそこに迫っている。


「共に育ち、共に戦う」

このクラブのアイデンティティとも言える、大好きなフレーズ。
皆が、色々な痛みを味わった。
選手達もそれぞれ、波瀾万丈のフットボーラーとしての人生を歩んでいる。

2023年のSC相模原の旗の下に集った仲間となることに感謝し、
あらゆる固定観念を捨て、勇気と大胆さを持って、
緑と黒のユニフォームを着た彼等を応援しよう。

何が起きるか、何を巻き起こすか、全く分からないこのシーズン。
野心的なこのシーズンを戦う選手達を今年も魂を込めて応援しよう。

皆が一体となったその熱量が溶けて昇華した先に見えてくる、「エナジーフットボール」を目指して。

さあ行こう。
共に育ち、共に戦おう。


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