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硬式グラブと軟式グラブの違いって?

皆さんこんにちは。
グラブマイスターのNAOYAです。
皆さんは硬式グラブと軟式グラブの違いってわかりますか。
案外知らない人の方が多いと思います。
そこで今回は硬式グラブと軟式グラブの違いについて話してみようと思います。

野球グラブに使われている革は

硬式グラブと軟式グラブの違いは革の種類だと思っている人が多いのではないでしょうか。
野球グラブに使われている革の99%は牛革(カウレザー)になります。
なぜ豚や馬などの革ではなく、牛革なのか。牛革は他の動物に比べ、皮膚繊維組織が比較的均一で丈夫ということ。次に生育年数や雌雄によって革の性質を変えられるという点が挙げられます。

牛革の原皮のうち野球グラブに使われているのはキップとステアハイドがほとんどです。

キップ

生後6ヶ月〜2年程度の中牛から採れる皮のこと。皮の繊維密度が高く薄いですが丈夫です。成牛皮に比べると銀面(表面)は滑らかで柔らかい。

ステアハイド

生後2年程度で、3〜6ヶ月の間に去勢された雄の成牛から採れる皮のこと。キップには劣るが銀面(表面)はきめ細やか。厚みは均等で丈夫なこと。

キップ、ステアハイドに共通する性質は、野球グラブに求められる弾力性・耐久性・柔軟性の機能に当てはまります。

キップレザーは原皮の中でも高級な素材のためプロ野球選手のグラブとして使われることが多いようです。
ショップに売られている野球グラブの大半はステアハイドになります。

硬式グラブと軟式グラブの違いは

同じ革が使われても状態の良い部分を硬式グラブに、劣る部分を軟式グラブにということはあると思います。あとは芯材の種類も多少は違うとは思いますが、硬式グラブと軟式グラブの大きな違いは鞣(なめし)しかたにあります。鞣とは元々皮膚であった皮のコラーゲン繊維になめし剤を結合させ、しなやかさを持つ素材の革に仕上げることをいいます。基本的にはクローム鞣しの革がベースとなり、耐久性・柔軟性・弾力性に優れています。
 
野球グラブに使われるグラブレザーは革の芯まで染料を浸透させずに仕上げる『半芯通し』を行っています。

革の側面が白くなっている

革の芯(中央)まで染料を入れてしまうと、芯の繊維がほぐれ、野球グラブに求められる弾力性や耐久性が損なわれます。そのため、野球グラブでは半芯通しが採用されています。

しかし、軟式グラブでは硬式グラブほど弾力性や耐久性を求められないため『芯通し』を採用しているグラブも多く見られます。

まとめ

お話しさせていただいたように、硬式グラブと軟式グラブの違いは、鞣しかたの違いでした。もちろんメーカーによっては革を変えているところもあるとは思います。
芯通しと半芯通しの違いがわかっていれば、もし軟式グラブを買う時に半芯通しのグラブを選べば芯通しされているグラブよりは丈夫で長持ちする可能性はあるということになります。(もちろんグラブの使用頻度や使い方によりますが)
グラブを購入する際の参考になったら幸いです。

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