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生まれて初めて乙女ゲーをやったらアニメを見ることになった話

あらすじ

恋愛幕末カレシという乙女ゲーのアニメを発見した!という話をしたら友人が釣れたので、カラオケのでかいスクリーンで上映会をすることになった。


…………いや、なんで? どうしてこうなった?
本当にわからない。

そろそろ「高杉晋作がいるから冷やかしで見ているだけで別にこの作品にハマっているわけじゃないです(早口)」という言い逃れはできなくなってきた気がする。

アニメを発見したときの話↓


本記事にはアニメ『恋愛幕末カレシ外伝 BAKUMATSU』のネタバレが含まれます。ご注意ください。
また、ストーリー内容の説明がほぼ無く感想を垂れ流しているだけなので、内容が気になる方は是非ご視聴のうえご覧ください。




上映会の概要

都内某所のカラオケ店に集まった私と友人。

私:高杉晋作推し、よく叫ぶ
友人:晴明さん推し、よく叫ぶ

カラオケを選んだのは大きいスクリーンと音響機器目当てというのもあるのだが、1番の必須設備は防音部屋……というかでかい声を出しても問題ないという環境なのだ。2人ともよく叫ぶうえに声がくそでけえので……

なお、この日の前夜に私はFate/Grand Order 奏章Ⅱ 不可逆廃棄孔イドをクリアしてしまったのでメンタルはズタボロだし泣きすぎで顔が腫れぼったいし頭もぼんやりするしコンディション最悪だった。なぜ約束をした日の前夜にクライマックスをやってしまったのか。あまりに愚行。みんなもFGOをやろう。


やった〜〜〜!でかいスクリーンだ〜〜〜!

正直高杉晋作より私のアヴェンジャー平景清に思いを馳せたい……などと行きの電車では思っていたが、実際に流し始めたらまぁ〜〜〜〜〜それはそれは楽しかった。

アニメを見ること自体久しぶりだったし、友人と騒ぎながら大きいスクリーンで1クール分ぶっ通しで見る機会なんてほとんどないため、そりゃ楽しいわなという感じ。

松下村塾が映るだけで叫ぶ女になっていたのは本当に申し訳ないと思っている。うるさくてごめん。

途中休憩を挟みつつ1クール12話をぶっ通しで見たので、所要時間は5時間かかったかどうかくらい。
さすがに疲れたけど同じくらい充実感と満足感が得られた。


ガバガバ全体評価

好き。
こういうアニメ、私はとても好きです。

普通〜〜〜に1クール分のアニメとして面白かったし、極端な作画崩壊などもないし、戦闘シーンもそこそこ動く。やっぱ日本刀アクション好きなんだよな〜! BLEACHで育ったオタクなので。あとOPがめちゃくちゃ好き、曲も映像も。フルバージョンも探して聞いた。

そりゃあ粗を探せばたくさん出てくるのかもしれないけど、私はアニメやゲーム等のエンタメをノリと勢いで見る人間なのでご都合展開やら多少の設定の矛盾は気にならないし、合う合わないは別として余程のことがない限り基本的に見たものは肯定していく性分なので不満点はなかった。気にならないというか、設定を覚えられないというか……

とにかく、なんかよくわからんすけべ服を着た高杉晋作が主人公な時点で100点だからいいんだよ。

主人公高杉晋作、とても良かった。
顔が良い~~~! 声も良い~~~! 服もすけべ~~~!
ちゃんと刀が強い。さすが柳生新陰流免許皆伝。
ちゃんと頭もいい。「ハイドロゲン」というワードを聞いただけで「前に薬学書で読んだことがある」と言って水素爆発を起こさせる。
そして曇りはするけど湿度は低い! 友達にメンヘラ手紙送り付けたりしなさそう。

主人公は高杉晋作なので長州コンビがもちろんメインではあるのだが、維新組だけでなく新撰組や幕府・朝廷組にもきちんとスポットが当たるのでどの勢力を推していても楽しめると思う。

……晴明さんだけはクライマックスまでほぼ喋らないので、晴明さん推しの友人は「なんでぇ!」となっていたが。

新撰組も結構しっかりおつらい。異なる歴史を歩んでも日本に武士の未来は無く、「徳川が滅んだ時に新撰組も滅ぶべきだったんじゃないか」と他でもない新撰組の人(誰が言っていたか忘れてしまった、一ちゃんだっけ?)言わせてしまうのがいい感じにおつらくて良い。
近藤さんの葛藤も良い。好きで主を変えたわけではないし多分徳川が滅びて慶喜さんの生死が不明になった時点で一番死んでしまいたかったのは近藤さんだろうに、慶喜さんに「生きろ」と命じられて新撰組の隊士たちを守るために無限斎に仕えることを決断した近藤さん……それで「簡単に仕える主を変えるようなお前らは武士じゃねえ」とバカにされようとも……局長……


刺さったポイント


■高杉晋作のトンチキすけべ服
違うんだ、聞いてほしい。
やっぱりキャラ紹介の静止画と動くアニメだと全然違う。
上着の丈も短いので、当たり前なのだが背中も見える。いやわかっていたことなんだが、実際に動いてるところを見るとうぉ……となる。
特にアクションシーンとで背中やら腰やらがもろに見えているとそっちに目が行ってしまう。なんて正直な目。

最初にキャラクター紹介で見たときの印象の通り、
どう考えても「腹と腰を見せたいけどアクション映えする"ひらみ"も欲しいしハイネック黒ピチインナーを着せたいけど高杉晋作の胸の谷間も描きたい」という願望のもと生み出されたデザインとしか思えない。わかる。絶対制作スタッフに私と同じ性癖の人がいる。

そして異なる歴史をたどった世界といえども日本は日本。畳は土足厳禁なので靴を脱いでいるシーンがあるのだが、高杉晋作のロングブーツの中身がアンクル丈パンツに黒ソックスだったのがめちゃくちゃに好みドンピシャで嬉しかった。この男、私の癖の塊すぎる。


■史実を知っていると楽しい
長州コンビが異なる歴史を歩んだ世界線に迷い込み、時間巻き戻し能力を持つ黒幕と戦う!……なんていうとんでもファンタジーあらすじだが、要所要所で史実ネタを入れてくれる。
というか、土台となる史実ネタがあるからこそ異なる歴史の世界という設定が輝くわけだ。

高杉晋作が上海に行った話とか坂本龍馬に銃をあげた話とか松陰先生の教えをたびたび引用してくるとか高杉晋作が三味線を弾くシーンがあるとか、意外とたくさん盛り込まれている。私は高杉晋作以外の幕末知識がほぼないので他陣営ネタはわからなかったが、史実を知っていれば知っているほど楽しめるんじゃなかろうか。
私も幕末の解像度を上げるためにもっと勉強しよ〜と思った。

まあ元ネタを知っていればより楽しめるよ、というのは世のすべての創作物に言えることだが。


■高杉晋作曇らせ
そう、土台となる史実ネタの存在は重要なので、高杉晋作を安政5年の萩に飛ばして松下村塾メンバー全員集合時代で過ごさせたあとに安政6年の日本橋に飛ばして吉田松陰処刑を見せるね。
史実では松陰先生が処刑された後に恩師の死を手紙で知ることになった高杉晋作を、処刑に間に合わせてあげるね。地獄か????????????

この展開、タイムスリップものとしては王道だろう。私もとう○ぶで見た。

だが男士たちは歴史を守るという使命のもと励起した存在なのに対して、高杉晋作は事件に運悪く巻き込まれてしまったただの一般人。
葛藤の末、一度は自分都合で過去を変えることを良しとせずに処刑場を立ち去ることにするも、やはりこのまま目の前で見殺しにすることなんてできない、正しい歴史とか知らね~~~~~! と引き返して処刑を阻止しようとする。

ここの葛藤が大変すばらしい。自分都合で過去を変えてしまうなんて散々つまらないと言ってきた無限斎とやってること同じじゃんか! という気持ちと今ここで飛び出せば大好きな恩師が死ななくて済むという気持ち。
強い信念と志があったって、恩師が目の前で死ぬのは嫌だよね。
判断基準がただの正義感じゃなくて面白いか否かが噛んでいるのが最高に高杉晋作。

「武器を持っているのは処刑人と見張り2人、いける!」と相手の戦力を冷静に分析して襲撃しようとするのも良い。全体を通して即断即決で敵陣に突っ込む(それでもある程度の勝算は彼の中であるのだろうが)高杉晋作と慎重派の桂小五郎で対比されているため、どうしても高杉晋作が無鉄砲考えなし男に見えなくもないのだが、処刑阻止シーンでは的確に戦況把握ができる指揮官としての才と頭の回転の速さというギャップで殴りつけてくる。

最終決戦も良かった、作画が。

もしかしたら操られているんじゃないかと僅かな希望に賭けるも本人の意思で闇落ちしていたことを知り、黒幕の計画を阻止するために尊敬していた恩師を斬る覚悟を決める高杉晋作、あまりにも美しい。

松陰先生の本心を知ったときの「先生! 松陰先生ェ!」という叫びも悲痛で沁みる。ありがとう中村悠一。

炎にまかれる松陰先生を助けようとして桂さんに止められるシーンの「急所は外してある! すぐに治療すれば間に合うはずだ!」も、高杉晋作の甘さが滲み出ていて最高。
絶対身内には冷徹になりきれない男だよな高杉晋作……

そして最終決戦後には「松陰先生が言っていた『歴史を正しい流れに直す』をやってみる」宣言。
恩師の二度の目の死をも乗り越えて前を向く、それでこそ高杉晋作……
主人公としてあまりに完璧すぎる。

推しには幸せになってほしいけど、それはそれとして暗闇の中で藻掻きながらも常に前を向いて進む彼はとても眩しく美しいので定期的に曇らせたくなってしまう病。


■10代の高杉晋作と桂小五郎

【朗報】10代桂小五郎、黒髪ロングメガネ美人

ええ〜〜〜この麗しメガネお兄さんが口を開けば友人に振り回される苦労人ツッコミ気質男なんですか〜〜〜??? 好きだ。
10代高杉晋作は今より髪が短くて、10代桂小五郎は今より髪が長いのなんか良い、この、正反対な感じが。髪が長いと美人さが加速するわね……

10代高杉晋作も素晴らしい。

松下村塾の塾生時代高杉晋作は19歳かそこらなので、ショタすぎずそれでいて今よりは少し幼い純粋無垢で青く瑞々しい青年姿という絶妙な描き分け加減。恐れ入った。
かわいいねェ〜〜〜! 連れ帰って養いたいねェ〜〜〜!
こんなかわいさ天元突破の青年が恩師の処刑を知って泣き叫ぶシーンを浴びられる、それがBAKUMATSU。


■3話で一旦坂本龍馬の女になる
人懐っこさでカモフラージュされた、強かで策略家で食えない男、坂本龍馬。
たれ目つり眉高身長お兄さん。顔が良い。服はちゃんと着ろ。

いつもどこからともなく現れて長州コンビを手助けし、さらっと自分たちの目的を達成してちゃっかり去っていく。
高杉晋作に肩入れして見ていると「お前〜〜〜!」となるシーンもあるにはあるのだが、3話の坂本龍馬があまりに最高すぎて全て許してしまう。
みんなも3話を見て坂本龍馬の女になろう。


■牛若丸に出会う前の弁慶
もはやメインキャラ関係ないんだが、もしかしたら一番衝撃を受けたかもしれないところ。

敵陣から逃れた慶喜一行は鞍馬山の廃寺院に身を隠していたが、無限斎から追手が放たれたと知り移動を開始する。しかし追手こと武蔵坊弁慶に途中で追いつかれてしまい、橋の上で対峙することになる。鞍馬山からの橋上対決だけでも牛若丸と弁慶のオマージュで最高なのに、なんとこの弁慶「1000本目の刀を求めている、牛若丸に出会う直前の弁慶」なのだ。

新撰組を抜けてまで大切な主を守るために戦う山崎くんとの対比なのだろうが、にしても武蔵坊弁慶といえば牛若丸の従者のイメージが強いのでまだ主に出会っていないバージョンを出してきたことには驚かされた。

私はFGOの牛若丸が大好きで聖杯もあげてるし、バビロニアでの黒牛若丸と弁慶(弁慶ではない)のやりとりでめしょめしょに泣いたマスターなので……そういう意味でも思わぬ方向から刺された。不意打ちにも程がある。


総括

高杉晋作推しとしてはこの上なく楽しめたし、基本誰を推していても推しの活躍が見られるいいアニメだったと思う。2クール分作ることが最初から決まっていたようで、最終回も完全に次に繋がる構成になっていたので続きもとても気になる。早く見たい。

原作ゲームの要素は全くないので、アニメ単体でも楽しめる。恋愛は興味無いけど幕末の男たちがドンパチしてるのは見たい、という人にも勧められるのではなかろうか。




私「いやー、面白かったね……」
友人「面白かった……」
私「…………これ、2期もこうやってでかいスクリーンで見たくない?」
友人「私も同じこと思ってた、いつ空いてる?」
私「直近だと来週末」
友人「私も来週末空いてる」


次週!
アニメ第2期BAKUMATSUクライシス上映会開催!

…………は?


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