総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会(第55回会合) メモ
国が定めるエネルギーの政策を「エネルギー基本計画」と呼び。今年は3年に1回改訂されるタイミング。その概要をざっくりメモしようと思う。
(今後の予定)
以下は追いかけようと思ってます
・基本政策分科会でエネルギー基本計画の議論
・基本政策小委でエネルギーシステム改革の議論
・再エネに関わる政策動向
基本政策分科会(第55会合)でエネルギーをめぐる状況について記載されており、本分科会の情報をもとに、次期エネルギー基本計画の策定に向けた議論が進められることが期待される。
下記の本審議会の概要
1: エネルギー情勢の変化
地政学リスクの高まり:
ロシアによるウクライナ侵略や中東情勢の緊迫化により、エネルギー安全保障への対応が求められている。
エネルギー供給の不確実性が増大し、各国がエネルギー政策を強化。
発展するDX(デジタルトランスフォーメーション)が電力需要を増加させる可能性が指摘されている。
エネルギー価格の高騰:
ウクライナ侵略以降、LNG(液化天然ガス)の需給ひっ迫と価格高騰が世界的に発生。
特にEUはLNGの輸入量を増加させており、米国からの輸入量が増加している。
LNGのアジア価格(JKM)は、2019年と比較して2022年は約6倍の水準に達している。
エネルギー政策の強化:
日本では「GX推進法」と「GX脱炭素電源法」が成立し、省エネと再エネの最大限導入、安全性を前提とした原子力発電所の再稼働が進められている。
エネルギー安定供給、脱炭素、経済成長の同時実現を目指す取り組みが進行中。
2024年度目途に次期エネルギー基本計画策定に向けた議論が行われている。
2: エネルギー安全保障と脱炭素化
化石燃料依存からの脱却:
日本は一次エネルギー供給の9割を輸入化石燃料に依存しており、為替変動による貿易収支への影響が大きい。
化石燃料の価格ボラティリティが拡大し、貿易赤字が深刻化している。
エネルギーの自給率が低いため、再エネや省エネの導入が急務。
再生可能エネルギーの拡大:
世界各国で再エネ導入が加速しており、日本も2030年までに再エネ発電容量を3倍に拡大する目標を掲げている。
太陽光発電や風力発電の技術が進展し、多様なサプライチェーンが構築されている。
水素エネルギーやCCUS(炭素回収・貯留)などの新技術が推進されている。
エネルギー政策の国際協調:
各国はエネルギー安全保障を強化するため、国際協力や政策の調整を行っている。
COP28では、1.5℃目標の達成に向けた緊急行動が必要とされ、再エネ発電容量を世界全体で3倍にする目標が掲げられた。
EUや米国などの主要国は、エネルギー転換に向けた具体的な政策を実施している。
3: マクロ経済とエネルギー政策の影響
経済成長とエネルギー供給:
エネルギー価格の上昇は産業競争力に影響を与え、企業のコスト負担が増加している。
特にエネルギー集約型産業では、生産活動の低下が顕著であり、経済成長への影響が懸念される。
エネルギー供給の安定化と価格の抑制が経済成長の鍵とされている。
脱炭素と産業政策:
各国は脱炭素を産業政策として取り組んでおり、再エネや水素などのクリーンエネルギー技術の開発が進められている。
ドイツやフランスなどの主要国は、炭素削減のための技術導入や支援策を強化している。
日本も脱炭素技術の導入を進め、産業の国際競争力を維持するための政策を展開している。
グリーン・トランスフォーメーション(GX):
日本は「GX推進法」に基づき、グリーンエネルギーへの転換を進めている。
脱炭素電源の拡大や省エネ技術の導入が進められ、経済成長との両立を図っている。
グリーンファイナンスや投資の促進が重要な課題として認識されている。
参考文献
055_004.pdf (meti.go.jp)
総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会(第55回会合)
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