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大工の種類(その2)

その1で、建築の構法毎に、大工さんがいるという事を話しました。

一棟丸々仕上がるまで同じ大工さんが工事をする事が殆どですが、中には、内装だけ専門の内装大工や、外部だけの、外壁大工もいます。
リフォーム専門の大工さんもいたり、大工さんも様々です。

今回は、伝統構法の方を掘り下げていきます。

伝統構法の大工

昔は大工の仕事もそこまで分かれていなかったと思います。
その中でも伝統構法の大工さんは敷居が高いとか感じるかもしれませんね。

宮大工

宮大工は、1番耳に入る技術ある大工さんでしょう。神社やお寺を作ったり、直したりする大工さんです。
社寺建築の魅力はやっぱり屋根ですね。大きい柱と梁を組み上げ、大きく跳ね出した軒先を支えないといけないですからね。
社寺建築は世界に誇れる、日本の大事な技術です。
他にも様々な装飾があったり、すごい仕事です。

国宝 妙法院 庫裏 修復現場 (京都)

伝統構法住宅大工

伝統構法で住宅を作る大工さんは、今1番減ってきている大工さんなのではないでしょか。
私は、この大工さんが1番技術と早さと繊細さを必要とされる仕事だと思っています。

伝統構法の住宅大工というのは、金物を使わずに家を建てる大工さんです!

一言に『金物を使わずに家を建てる』という事が、今の時代、どれだけ大変で難しい事かわからないでしょう。
技術的には勿論ですが、今や法律で金物でガチガチに固める住宅ばかりの中、その金物無しで家が作れちゃう。
そこに至るまでの過程はものすごく大変な事でしょう。

なので、伝統構法で住宅を建てる大工さんすごいんです!

まず伝統構法では、土台の納まりから違います。
『石場立て』といい、石の上に柱を立て、そこに足固め(土台の役目)という、横架材を指し木の栓で止める。
これはただ石の上に乗っているだけですが、地震の時はズレて家を守る役目があるのです。ビルの免震構造と同じです。

その様に、柱梁全ての構造体を継手仕口を使って木組で建てて、栓で止めて作り上げていく大工さんです。

コミ栓で止める柱

茶室 数寄屋大工

茶室と数寄屋の大工さんはまた違う仕事内容かもしれません。

茶室は、丸太や竹など、自然そのままの姿のままの材料を使う事が多いです。
なので組み上げる時は繊細な技術が必要です。

数寄屋は、『スキ』と読む様に、好きものが建てる建物。なので、設計と作り手の感性が、ものすごく出てしまう建物でしょう。

茶室 数寄屋造りは、自分も仕事をしていますので、また細かくやりたいと思います。

小間の茶室

※これらは、全て自分の考えを元にして書いています。
他にも、考えがあったり教えてくださる事があれば、何でも教えて下さい。
よろしくお願いいたします。

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