私の失敗談 「おかあさま」の解釈

今振り返ると、笑いのネタになり、子供も大笑いしているが、当時は赤っ恥をかいた。
子供が園に通っていた頃、副園長先生とお話をしていたときのことだった。
いくつか言葉を交わした後、先生が私にこう尋ねられた。
「おかあさまはいかがですか?」と。

今の私ならもっと分かりやすい言葉に翻訳できる。
「この件について、子供の母である貴方(つまり私)は、いかがお考えでしょうか?」という意味だと。
だが、当時の私は悲しいかな、まだ発達障害の診断も下りず、定型発達者に囲まれて必死の交流をしていて、人の顔と名前を覚えるのが精いっぱい。
「文脈」を読む余裕も能力もなかった。
そして、返した言葉がこうだった。
「は?うちの実家の母ですか?」
ああ、嚙み合わないこと甚だしい…。
私の能力不足か、それとも日本語の構造か?
英語なら、私のことはyouに、実家の母のことはyour motherに、私の義母のことはyour mother in lawになって、主語が実に明快だ。

失言の後は、先生が笑顔で私を見守りつつ、私の言葉の続きを待っていらっしゃるので、数十秒後にやっと先生の意図に気づいて、適切なお返事が出来た。
副園長先生の優しさ、忍耐強さには脱帽した。その園に通わせて本当に良かったと思った。今となってはいい思い出だ。


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