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C.R.A.Z.Y

2022年9月4日

C.R.A.Z.Y

監督 ジャン=マルク・ヴァレ

『ダラス・バイヤーズ・クラブ』の監督の作品いうくらいしか知らず、デヴィッド・ボウイのようなメークをしている青年の姿に導かれる感じで映画館へ

カナダのケベック地方の、保守的な両親とその子供たち兄弟の青春時代を描いた秀作。

主人公である三男坊のザックの成長と彼の目線を中心に物語が進む。
家族それぞれの個性を丁寧に描き、最後に、父子の姿にグッとさせながらも、小さな笑顔で終わる。優しい作品。

そういえば『ダラス・バイヤーズ・クラブ』もそうだったなあ、とても重いんだけど、ケセラセラみたいな軽さに優しさを感じてグッとさせられる、という。。。

終盤のために涙をとっておくような、そんな作品。

カナダのケベック地方だからなのか、外側のカルチャーはアメリカな空気があり内面的な感覚は欧州 イギリス、フランスの青春物語を見ているかのような。。不思議な感覚を覚えながら登場人物を見ていた。
そして、多分わたしにとってほぼ初めてみっちり聴くケベック訛りのフランス語に若干戸惑う。聴いている印象は時として英語みたいに聞こえる気がした。フランス語なのに。。。

欧州からアメリカ大陸に移り住んだ人達の歴史、宗教とか 言語とか そういう歴史の上に立ってる青春映画なんだろうな、と。

この映画が面白かったので 同じジャン=マルク・ヴァレ監督作品『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』を配信で見る。

交通事故で同乗していた奥さんを亡くした男性が、彼女の死を受け入れ次の人生に移るまでを追ったドラマ。
こちらの方が登場人物も少なくシンプル、ただそれだけに終盤の主人公の様子、その重軽さが心に刺さり、最後の最後で我ながら驚くほど涙が出て来た。

この監督 ‘21年に急逝されたそうで(58歳くらいだったはず)、続けて作品を作っていたらどんな作品を撮ってたんだろうなーって、監督のことに思いを馳せてしまいました。

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