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パン職人の修造13 江川と修造シリーズ 進め!パン王座決定戦!
さて、300人のお客さんは行きたいパン屋のパンから食べて行き、4種類のパンの中から1番と思うものに投票していった。
今のところ佐久間チームが圧倒的に人気。
そろそろ終盤、パンロンド田所チームのブースでは修造が丁寧にカレーパンを揚げ続けている。
修造のカレーパンは衣がカリッとカレーはトロトロとスパイシーで牛スジがトロリプリンとして最高だった。 それを食べた人達はたとてお腹一杯でも牛すじカレーパンを完食し、その足で投票に行った。
全ての人が投票を終えて300人分の投票用紙は各店舗別に掲示板に貼られていった。
司会の安藤良昌(あんどうよしまさ)がマイクを手にした。
「さあ!お待ちかねの集計です。いったいどの店が何枚あるのでしょうか?決勝戦に進むのはどの店なのか!」
係のお姉さん達が集計をした紙を安藤に渡した。
「さあ!それでは第4位は!62票!ブーランジェリータカユキ!那須田チーム残念でしたがまた次回頑張って頂きたいと思います!クロワッサンサンド美味しかったです!そして第3位は!67票!北麦パンです!佐々木チーム残念でした!クロックムッシュ僕も頂きましたが本当に美味しかったです」
「さあ!では1位の発表ですー!」
安藤は2位は言わずに1位を言った。
「1位は102票!佐久間チーム!」
と同時にドーン!と音がなった。そのあと音楽が鳴り、安藤が更に大きな声で言った。
「おめでとうございます!決勝戦に進むのは!佐久間チームと田所チームです~~!」
「ふ~!僕たちのチームって69票でしたね、4位から盛り返したとは言え佐々木チームと2票しか変わらなかったな~」江川がとりあえずほっとして言った。
「ギリギリだったね」
佐久間チームには全然及ばなかったが、修造にしてみれば人が集中せず分散したことで、無理に急いで揚げたりせず自分のペースでいいカレーパンを揚げることができた。
販売のお姉さん達に「ありがとう」と言った。
お姉さん達は修造に言われた通り「カレーが熱いから注意して下さいね」と一人一人に言っていた。
勝敗に関係なく熱々を提供して、火傷しない様にフーフーして食べる楽しさをお客さんに味わって欲しかったからだ。
このカレーパン、パンロンドでも販売しよう。
放送が終わったら大量に仕込むぞ。
そうだ、カレーパンロンドって名付ける!
修造はそう決めていた。
佐々木シェフと那須田シェフに挨拶して、お互いに「また会いましょう!」と言って控室に戻った。
そこへディレクターの四角が佐久間シェフとやってきた。
「いや〜お疲れ様でした。次の決勝ですが、スタジオでパンを作って頂き、5人の有名人が審査して優勝を競って貰います!優勝賞金は100万円!テーマはパンのフルコース対決です!フルコースに見立てて4品のパンを5人分作って頂きます。フルコースと言ってもどんな形でも構いませんし、自由な発想の方が面白いのでそこら辺はよろしくお願いします。時間の都合でパンはお店で焼いて来て下さい。スタジオでは盛り付けからやって貰います」
クタクタの修造も佐久間シェフも内心『まだやるのかよ』と顔を見合わせた。次の収録の前にまた何を出すか考えなければいけない。
「収録は次の火曜日、NNテレビのスタジオですのでよろしくお願いします。資材は全てこちらで用意します。材料費もこちら持ちですので」
やれやれ、次は審査員5人が相手か。
何を出すかな、、審査員は多分パンの世界の人と、文化人、調理師学校の校長、タレント、なんかかな。
さて、佐久間シェフは何を出してくるだろう。
「修造さん!優勝賞金100万って何に使います?」
片付けながら江川はまだ優勝してもないのに聞いてきたが修造は「う~ん」と生返事をした。もはや頭の中は決勝の4品でいっぱいだった。
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