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私は 私は さまよい人になる

最近、サンテレビをよく見ていることは、先日書きましたが、急に映画が始まったりするので、びっくりする。ほんと、突然始まるので。

先日は、原田知世主演の「時をかける少女」だった。

懐かしいな〜、と思いながら観てたら、「こんな深い映画だったのか...」と、観て数日経ったいまも、なんだか心をかき乱されている。

映画は、筒井康隆原作、大林宣彦監督の尾道三部作の二作目。原田知世ちゃんのデビュー作で代表作でもある。

映画の一番の魅力は、なんといっても、知世ちゃんのフレッシュさだと思うし、大林監督が彼女と結婚したかったぐらいに、レンズから愛が溢れている映画である。

ただ、久しぶりに観て、こんなに心がかき乱されているのは、実は、映画終盤の老夫婦(深町くんの祖父母)の会話。

息子夫婦と孫(深町くん)が事故で亡くなっている設定で、祖母のほうは、いないはずの孫(深町くん)に洋服を買っている、という内容。

祖父「もうそういうことはやめなさいよ。買っても帰ってくるもんじゃないんだから」

祖母「そうですねえ...これから、あなたとずっと二人きりなんですかねえ。」(寂しげに)

その場面の前までに、未来人の深町くんと芳山さん(原田知世)の淡い恋が描かれる。出会いと別れ。現在に残ることもできないし、未来へ一緒に行くこともできない。出会った記憶も消され、強制的な別れ。切ない。

そこからの老夫婦の「現在」のシーンにつながり、切なすぎて、目から汗が大量に溢れ出した。

周囲から急に愛しい人がいなくなる、ってのは、どれほど寂しいだろうか。残された時間をどう過ごせばいいんだろうか。

そして、主題歌「時をかける少女」の、松任谷由実さんによる作詞がこれまた心にしみてしみて。

" あなた 私のもとから 突然消えたりしないでね
二度とは会えない場所へ ひとりで行かないと誓って
私は 私は さまよい人になる "

秋ですかね。感傷的になってしまいました。


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