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【チーム形成と企画会議】ラーニングイノベーションプログラム

こんにちは!グローカルセンターインターン生のべるです🔔
2024年10月19日(土)に、ラーニングイノベーションプログラムのチーム形成ワークショップを実施しました。

このプログラムでは、高校生、大学生、社会人の垣根を超えた多様な背景を持つ参加者が、月1回程度×6ヵ月間のプログラムで相互に学び合い、共創・実践する機会を通して、「学ぶ力」、「学びをデザインする力」を身につけます。公益財団法人トヨタ財団2023年度イニシアティブプログラムから助成を受けて実施しています。

これまでのラーニングイノベーションプログラムの
ワークショップはこちら

本プログラムの目指すサイクル
(今回は⑤の始まりのワークショップ)

本プログラムでは、キックオフの後、3回のゲスト講師を交えた参加型ワークショップを行ってきました。そして、今回はそのワークショップを経験してきた参加者が今度はワークショップの企画・実践をするためのチームを形成します。


〇チェックイン

今回は、秋を感じられる時期になってきたという事もあり、チェックインで「あなたにとって○○の秋とは?」を共有しました。

【チェックインの内容】
1.呼ばれたい名前
2.今の気持ち
3.あなたにとって○○の秋とは?
【チェックインの様子】
▼今の気持ち
〇直前までテスト週間だったので、今とても嬉しい気持ちになっている。
〇3日後に提出のレポートがまだ終わっていなくて焦っている。
〇今日の朝に準備しながら青春を感じられるアニメを見ていてとても心が穏やかになっている。
〇大量の仕事が残ってしまっていて、少し焦っている。
▼あなたにとって○○の秋とは?
〇祭りの秋:自身の地元では秋に大きな祭りがあり、そのイメージが強いため。
〇散歩の秋:秋になると朝晩が涼しくなり始めてきて、散歩がしたくなってくる。
〇食欲の秋:よく言われるが、個人的に最近食中毒になってしまって、食のありがたさを感じた秋だったから。
〇睡眠の秋:過ごしやすい季節になってご飯を食べた後に眠たくなってしまうことが多くなった。

〇今までの振り返り

振り返りの前にまず、そもそもワークショップとはどのようなものかを確認しました。

▼「ワークショップ」とは何か▼

 ワークショップとは、本来「作業場」や「工房」を意味する言葉でした。職人が実際の作業を行い、見習いが技術を学ぶ場所として使われてきた言葉です。「work(仕事・作業)」「shop(店・作業場)」を組み合わせた複合語として生まれました。
 しかし現代では、その意味が大きく広がり、参加者が主体的に参加して学び合う体験型の学習会や研究集会を指すようになりました。現代で使われているワークショップの最も有名な定義は「講義などの一方向的な知識伝達のスタイルではなく、参加者が自ら参加・体験して共同で学びあったり創り出したりする学びと創造のスタイル」(中野, 2001 ワークショップ:新しい学びと創造の場)です。学習への参加、創造、双方向性などの側面が強調される学びの場の実践として、広く使われています。

 ワークショップの定義には、学習(学び)と創造という言葉が組み込まれていますが、実際それらのどちらかを主目的した場合があると言われています。

森玲奈さんの分類(くわしくはこちら

 また、学習を主目的とした場合であっても、当たり前を省察するような気づきを促すことに焦点を当てたり、コミュニケーション・創造性など、特定の能力や思考を伸ばすことに焦点を当てたりするなど、学びにも様々な種類がありそうです。

安斎勇樹さんの分類(くわしくはこちら

 そのようなワークショップでは、学校教育のように、あらかじめ理想の状態(教育目標)が設定されている学びというより、参加者自身でそうした理想さえも探り、自分なりに意味づけ・意義づけを行っていくような学びが展開されます。

ワークショップ的でない学び

現状と理想の間にあるギャップ(差)を埋め、学習者を理想としていた状態に到達させることに学習の意義を見出す。

ワークショップ的な学び

理想にたどりつかなくても、ともかく学習者が主体的に変容していこうとするプロセスに学習の意義を見出す。

▼参加者の振り返り▼

「話し合い」のお題

 ワークショップとは何かについて確認した後、参加者が近くの人とグループになり、これまでの参加型ワークショップの学びを俯瞰的に捉え、「メタ認知」をすることを意識しながら振り返りをしました。

【話し合いの様子】
〇参加型のワークショップの中でのどのような活動がどう学びにつながっていたか?

参加型ワークショップ①(ゲスト講師:上田先生)をメタ的に捉えて▼
・ワークショップが分からないまま進んでいる中で、集中して取り組むという雰囲気ができていることによって、何も役割は振られていなかったけれども、自然と「今、どのような役割があれば、乗り越えられるだろう?」と考えて行動することができるようになっていた。
・キックオフの直後で、関係値がほとんどなかった人と自然にコミュニケーションを取りながら作業していけていたことに気づいた。そのくらいワークショップが作りこまれていたのではないか?
参加型ワークショップ②(ゲスト講師:近藤さん)をメタ的に捉えて▼
・社会問題について考える時には、そのままだと他人事状態の話し合いになってしまう。しかし、立場を分けて当事者になりきることによって、リアリティーが増し、没頭した話し合いになっていたと思う。
・自身の知らない人の立場を代表することで、その立場の人の思いなど当事者意識ができて、普段よりも学びが作られやすかった。
参加型ワークショップ③(ゲスト講師:村田先生)をメタ的に捉えて▼
・普段あまり機会の無い、他の人の話し合いをずっと見続けるということによって、自身のコミュニケーションと結びつけて捉え直すことができた。
・インタビューをし合うことによって、コミュニケーションの本質に気づくことができた。
・時間が制限されていることによって、積極的にコミュニケーションや、すり合わせをしようとしたか、それが難しい事だと気づいた。

〇1つの学びのスタイルとしてのワークショップについて、気づいたことや感じたことは何ですか?
3つの参加型ワークショップの中で特に、上田先生の会では、体験を通じて必要な知識・概念を自身を通して作り出す経験ができ、普通にやる勉強よりも、新しい知識が得やすいのではないか。しかし、このようなワークショップは、ライブ感が強いから再現性は低いのではないか。
・3つの学びのスタイルを考えてみると上田先生は動きが多く、省察することによって学びが得られるスタイルだった。次の近藤さんは相手の立場に立ち、実践的なワークによって得られる学びのスタイルだった。また、村田先生は知識から学び、活動をして学ぶスタイルだった。このような異なるスタイルの学びから、人それぞれ分かりやすいスタイルの学びが異なると感じた。

▼プログラムに現れる運営者のアイデンティティ▼

 ワークショップを作る際に、企画者の個性や大事にしていること(アイデンティティ)が反映されることはごく自然なことです。そこで今回のプログラムにおけるグローカルの「アイデンティティ」について行元さんからお話がありました。

 ラーニングイノベーションプログラムは「学びの場を作ることを学ぶ場」。そんなプログラムの初めに行われた3回の参加型ワークショップのゲストとしてお呼びした、上田先生、近藤さん、村田先生。
 上田先生、村田先生は大学等で「学びの場」を研究されているゲストでした。それでは、なぜ八百屋である近藤さんがゲストとして呼ばれたのか。

 その意図としては、「当事者の声」、つまり複雑な社会や社会課題に実際関わる当事者の話を通して学ぶことを大切にしたいという思いがありました。物事は多面的で、教科書だけでは学びきれない。社会の「リアリティー」をワークショップに取り込むことで生まれる学びの重要性に気づいてもらうための第2回目の参加型ワークショップでした。

 この「当事者の声」は、グローカルセンターが様々なプログラムやワークショップ、イベントをする際にとても大切にしていることで、場の設計の基礎の大きな一部ともいます。

〇「OST(オープンスペーステクノロジー)」による仲間集め

 今回のチーム形成・テーマ決めではOSTという手法を活用しました。
OSTとは、ワークショップの進め方の一つで、参加者にとって重要なテーマについて深い洞察を得るために用いられる方法です。

具体的な進み方は以下のように進みます。
1.マーケットプレイス
参加者から関心のあるテーマについて考えたいという提起者を募集する。
2.セッション
セッションの場所と時間を決めて、テーマごとに分かれて、提起者を中心に対話を行う。
3.ハーベスト(収穫)
対話を通じて共有された気づきや次のアクションなどを模造紙にまとめ、各テーマの内容を全体で共有する。

▼マーケットプレイス▼

初めに、マーケットプレイスを行い参加者の中でやってみたいワークショップのテーマを挙げました。

マーケットプレイスで出てきたテーマ

【マーケットプレイスで出てきたテーマ】
・もし、京都をレイアウトするなら
・仕事と家庭の両立について考えるワークショップ
・クリスマスプレゼントを考えよう!!
・「幸せ」について考えるワークショップ
・「傷つけてしまったならごめんなさい」という言葉について考えるワークショップ
・芸術と多様性
・ボランティアを企画する
・フォルケホイスコーレ

テーマができった後、それぞれテーマを出した人がどのような思いでこのテーマを出したのかを発表しました。

テーマの発表

【テーマの発表の様子】
〇もし、京都をレイアウトするなら
人によって見えている京都が違うから、他人の見ている京都を知りたいと思った。
〇仕事と家庭の両立について考えるワークショップ
男女関係なく両立できるといっているのに、役職に男女比の差が見える。だから、何かしらの形でいろんな意見を集めたいと思った。
〇クリスマスプレゼントを考えよう!!
プレゼントを考える過程と新しいプロダクトを考える過程は一緒。だから、創造的にプレゼントを考えることを通して、これからビジネス世界での考え方を学んで欲しいと思った。
〇「幸せ」について考えるワークショップ
フィンランドでは小さなことの積み重ねで幸福感を高めていることを知り、それを幸福度の低い日本で考えられるワークショップを開こうと思った。
・「傷つけてしまったならごめんなさい」という言葉について考えるワークショップ
言語化と感受性の間の関係性について考えていくワークショップをしたいと思った。その中で、人と人との間で生まれる非言語のイメージを大切にしたい。
・芸術と多様性
今の芸術は、「良い」「悪い」の二極化してしまっている。そこで、芸術に向ける表現にルーツについて話し合いたい。その中で、芸術における表現の多様性に気づいていければいいと思う。
・ボランティアを企画する
普段ボランティア活動をしている中で、まだ、ボランティア活動を享受する人に寄り添えていないと感じている。そのため、より、人に寄り添えるボランティアを企画したいと思った。
・フォルケホイスコーレ
フィンランドの教育のスタイル・街づくりを知り、「こんな場があったらいいのに」を共有できる話し合いをしたい。

▼セッション(話し合い)▼

マーケットプレイスの後、出てきたテーマに分かれ、テーマを出した人(提唱者)はそのテーマの場に、テーマを出していない人(賛同者)は自由にそれぞれの対話に参加しました。

セッション中の写真

【セッション中の様子】
〇クリスマスプレゼントを考えよう!!
賛同者①
:このテーマのクリスマスプレゼントを考える理由がビジネスにつながるのが面白いと感じた。どのようなイメージのワークショップを考えていますか?
提唱者:どのような新しいクリスマスプレゼントを作りますかを聞きたい。ただ、その中でどのようにグループで共同して考えられるようにしたらいいかが分からない。
賛同者②:一つの方法として、参加者の人の中でクリスマスプレゼントを渡したい人がいた時に、その人へのプレゼントをグループごとに考えるのは??
提唱者
:それだったら、グローカルセンターのスタッフさんを一人指定して、その人に向けたプレゼントなら、みんなイメージしやすいのではないか?
〇芸術と多様性
賛同者
:多角的に物を見る練習、自分自身を見つめる練習として、芸術がツールとして良いと感じたので、このテーマに来た。この課題はも多面的にとらえた時に課題の本質に気づくことができるのでは?
提唱者:今まで、芸術、作り手の表現の中で「許されていた」部分があったけれども、今の時代になるとビジネスによっている気がする。多様性を売りにしているものもあるけれども、表層的なものが多いと感じている。
賛同者:今の時代、どのようなところが「許されていない」部分だと感じていますか?
提唱者:裸の彫刻を「よくない」と糾弾する流れがヨーロッパである多様性といいながらも、二面化してる。「良い」か「悪い」かになってる。芸術は差別と性癖(自己表現)があいまいになっている。
賛同者自分の好きなものを知るって大事だと思う。好きに気づくのは芸術を通してできるのではないか。ワークを作るときに、芸術と多様性をテーマとはどういうイメージを持っているか?
提唱者芸術を多面的にみるっていう方向につなげるのはいいと思った。
賛同者:知らないことあることを、「反省しろ!」という意図が含められるワークショップではなく、これから知っていこうって思えるワークショップにしたい。また、芸術だからこそ分からないことを分からないままにしてもいいという事も大切にしたい。

▼テーマ決め(ハーベスト)▼

セッション終了後、これからチーム活動をしていくにあたって、8つ挙がっているテーマから5つに絞っていく必要があり、そのためにテーマを設定した人がセッションを通して、現状どの様なテーマとこれからを考えているのかを発表し、投票しました。

テーマ決めのための発表

【テーマ決めのための発表の様子】
・もし、京都をレイアウトするなら
大きな京都の地図を作ることをしていく。地図は、そもそも用途を考えてフィルターがかけられているものが多い。参加者がそのフィルターをどのようにかけるかによって、どのような考え方があるのかが知りたい。それによって、生活の見え方が変わればいいなと思う。
・仕事と家庭の両立について考えるワークショップ
理想と現実についてゲーム感覚で成りきって考えられたらいい。それをロールプレイをするのが良いと思った。その中で、本音と建て前がどのように交わされているのかが分かると思った。
・クリスマスプレゼントを考えよう!!
参加者がチームに分かれた後、クリスマスプレゼントを渡す人を指定して、その人に渡すプレゼントを考えるワークショップをしていきたいと思う。
・「幸せ」について考えるワークショップ
今、4つの幸せの因子があるとされていて、まだ存在していない、あなたにとって5ぐ目の因子とは何かを考えるワークショップをしていきたい。
・「傷つけてしまったならごめんなさい」という言葉について考えるワークショップ
謝罪をする時のシチュエーションを考え、ロールプレイをすることによって、双方向どのような気持ちになってしまうのかという事を考えるワークショップをしたい。
・芸術と多様性
芸術を入り口に物事を多角的にとらえようと試みることをしていく。芸術は答えの無い物だから、面白いも面白くないも分からなかったも正解。それを気づけるワークショップにしていきたい。
・ボランティアを企画する
ボランティアの中で起こる人間関係など、理想のボランティアのカタチを模索していきたい。
・フォルケホイスコーレ
こんな学び舎だったらいいのになどアイディア出しをして理想の学びの場を考える。そのようにして、居心地のいい場所を考えて、試作品をつくるみたいなワークショップをしていきたい

投票の結果以下の5つのテーマに決まりました。
・もし、京都をレイアウトしなおすなら
・クリスマスプレゼントを考えよう!!
・「自分の幸せの定義」について考えるワークショップ
・芸術を入口として物事を多面的/多角的に考えようというワークショップ
・フォルスホイスコーレ(新しい学校)をつくろうぜの集まり

〇終わりに

今回のOSTでは、これからラーニングイノベーションプログラムの参加者が行っていくワークショップのテーマが決まりました。
このテーマの中で、今までの参加型ワークショップで学んだ事のどの部分がどのように生かせるのか。また、どこまでチャレンジ精神旺盛なワークショップができてくるのか。

次回は、11月9日(土)です。
実際にチームが確定し、始動していきます!
これからのチームでの活動が楽しみですね!

執筆者
グローカルセンターインターン生
鈴木優太

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