🌐Online高校生の企業訪問Report! 途上国から世界に通用するブランドを届けるまでのストーリー裏側

こんにちは～！インターンの三谷です。

8/20に高校生Glocal Shift Programmeの一環で、 フィールドワーク第２弾はマザーハウスさんにお邪魔しました！

今回はマザーハウス株式会社 マザーハウス 京都三条メンズ店 店舗統括責任者（京都エリア）兼古　詩織さん(以下、兼古さん)にご協力を頂き、オンラインで同社の魅力やブランドへの思い・特色など詳しくお話ししていただきました！

＜マザーハウスについて＞
「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げ、素材開発からお客様にお届けするまで一貫して行うモノづくりを通してアパレルを展開し、途上国の可能性を形にされています。また、働く人たちにとって「第二の家」のように感じられる環境づくりを目指すなど、「社会課題解決×ビジネス」だけでなく社内スタッフの幸せも大切にされている企業です。

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マザーハウスプロモーションビデオ（マザーハウスHPより）

今回の企業訪問はチェックインからスタート！

高校生がこのプログラムに参加した動機が話されました。（※一部抜粋）
・学校で課題解決に取り組んでいて学外でも実行してみたい
・色々な人と関わって自身の価値観を広げたい
・自分が見えている視野よりさらに（視野を）広げていきたい

ちなみに、訪問が決まる前に、マザーハウスさんを知っていた高校生は8人中1人でした。

マザーハウス創業のきっかけ・途上国への想い

まず、兼古さんから高校生へ質問がありました。

〇「発展途上国」と聞いてどんなイメージを持っていますか？
・貧しい
・子供たちが過重労働を強いられているイメージ
・多様性
・戦争、治安が悪い
・難民
・地球温暖化の影響が大きい
・児童労働

高校生の回答はネガティブなイメージがほとんどでした。マザーハウスさんはそんな途上国でも素晴らしい可能性があることを知りモノづくりを通して実現できないだろうかという問いを持ち活動してきたそうです。そしてモノ作りといえばパリなどの先進国のイメージがありますが途上国でも良い商品が作れるという発信もしているそうです。ちなみにマザーハウスの店頭スタッフさんは生産者とお客様を繋ぐ「ストーリーテラー」と呼ばれています。

代表 兼 チーフデザイナーの山口絵理子さんの想いや創業のきっかけ
マザーハウスの原点は代表の山口絵理子さんの現体験にあります。山口さんが大学時代にワシントンでインターンをした際、現地の学生や住民は途上国について「途上国へ行ったことがないからよくわからない」「現地のことは現地で解決すべき」と言っていることが多いと感じたそうです。その中で山口さんは「現地でいれる人でありたい」と感じ、途上国で活動されました。当時4割の人が一日1ドル以下で生活をするインドに位置するバングラデシュで2年間、現地の大学院に行き生活をされたこともあるそう。自分が途上国でなにか関われることがないのかと考えていた時、そこで出会ったのが「ジュート」です。（ジュートとは珈琲豆の袋で使われるような黄麻です。現地ではゴールデンファイバーと呼ばれ現地の人は自慢で誇れるもの）

ジュートの工場では空調が効いていなかったり、トイレが入りたくないくらい汚かったり、、、機械より安く作れるため若い子どもや女性が真顔で活動していたといいます。
山口さんは「かわいそうだからではなく、かわいい・かっこいいを途上国から世界に通用するブランド」にしていきたいとの思いがマザーハウスさんの原点だそうです。

現在では、香港、台湾、シンガポールなどの海外にも店を出店し、パリにもショールームを展開しています。

高校生から出た質問（抜粋）

Q-各国の魅力的な素材はどうやって発見されましたか？
A-宝探しのように現地に行ってお土産屋さんを見て回ったり、スタッフに現地の情報収集を回してスタッフの繋がりで選択することがある

Q-各国のこだわりや由来は店舗に行くと聞くことは可能ですか？
A-可能です。
→兼古さんはお客様と3時間話したこともあったそうです。（ホームページに簡単に紹介されています）

〇ブレイクアウトに分かれてスタッフの方へ質問　※一部抜粋
Q-一個の製品にどれくらいの時間がかかっていますか？
A-手作業で作っているので製品によってそれぞれ違う。ベルトコンベヤー方式での生産ではなくテーブル方式で作業をする机にローテーションをしながら色々な人が関わっている。そうすることでミスが出たときにどのテーブルでその過程で作られていたのか追えるようになっている。ミスを改善できるようにすることで職人のミスが減り腕が上がるようになる。

Q：今後工場を増やす計画はありますか？
A-どこでもいいわけではない。人とのご縁で繋がってきていることが多く思い入れのあるものばかり。例えば、日本のルビーの販売店に行った際、たまたま帰り際に販売店の社長さんに伝わり、仲良くなって現地へ一緒にルビーを見に行こうとなったエピソードも。

Q-現地や工場についてはどうなっていますか？
A-製販一体の体制
マザーハウスさんは自分たちの手で製販一体をされています。（製販一体：生産から販売までのプロセスを内製化していること）
すべてのプロセスに責任を持てる組織でありたいという想いを持ち不透明・ウソのないモノづくりを行っています。

生産工場について

働くスタッフにとって、”第２の家”のような安全・安心な向上を目指しています。
安心安全な仕事環境作りをすることが、現地のパートナー関係や信頼を作っているとのことです。具体的には健康診断を行っています。バングラデシュの工場で働く人は今まで健康診断を受けたことがない人ばかりで、中には注射に緊張をして寝れない人がいたそうです。健康診断の他には福利厚生の充実やランチの提供・企業ローンの実施を行っています。
コロナ禍で流通や生産の過程がかなり減少などしわ寄せが来ていますが、工場では誰も解雇されなかったとお伺いしました。ビジネスの基盤を守ることや従業員の安心安全を守ることを第一に経営されていることに高校生は共感や納得しているような様子でした。

各国の取り組み

マザーハウスさんの工場への取り組みを聞いた後、バングラデシュの取り組み以外にネパール・インドネシア・ミャンマー・インドについて詳しい話を聞きました。中には外部の人間があまり人が立ち入らない村の中へ少しずつ信頼を作った話やルビーが混在している石しか輸出をしていなかった工場が鉱石の加工まで行うようになった話など紹介されました。今回は長くなるので割愛させていただきます。詳細はぜひ店頭に行ってみてください～！

コロナ禍での挑戦

誰も現地に行けなくなってしまった中でのコミュニケーション。環境が変わっても現場が自立をしてモノ作りができるようになっていたことが良かったとお話しされていました。
また、生産がストップしてもできることを考えて今まで力を入れて取り組んでいた修理とケアの幅を広げ回収＆リメイクをするという挑戦も行っているそうです。

山口さんの言葉が響いた兼古さん

「現地を知らないでどうする」という山口さんの言葉が兼子さんには響いたそうです。日本と違う家族の強い絆があったり、現地でしか食べられない美味しいごはんがあったり、現地の方でお母さんの夢は明日をいきること・子どもは家族の生計を立てるため早く家を出たいという話があったりなど、日本にはない姿が沢山ある中で「自分で見て感じることが大切」だと考えたそうです。常に考えをアップデートし自分の可能性を信じてチャレンジしてみることを大切に日々生活を送られているとお伺いしました。

ここで一旦マザーハウスさんについての紹介は終了。その後ブレイクアウトセッションで高校生が考えていることや感じたことを共有されました。

高校生の感想　※一部抜粋

＜話されていたこと＞
・会社や商品の魅力を知るということで可能性が広がる
・インドネシアの村の話で外国の人と信頼を作る上でどんなことが大切になるか気になる
・日常で安い服のタグを見た時に普段何も考えずに服の購入をしているが、安い賃金で作られた現状を知ったり、マザーハウスさんは透明性をもった商品づくりをしたりしていることを知って感動した
・国の生産者のことを自分の会社のことのように話してくださったことがすごく良かった。
・現地の人は求めていないものに喜んでない場面があるが、より良い使い道を示すことでお互いにとって心地よい結果になることがあることを知って驚いた。

＜店舗内の紹介＞
１５年前のものから購入しているお客様はかなり進化しているという声を頂くこともあるそうです。

〇こんな商品紹介も・・・
ブラインドサッカーバックパックを紹介していただきました。

その他乳がんの方が使いやすいような製品もあることを紹介していただきました。小ロット生産だからこそできる強みだそうです。
現地の職人は最初に「絶対あり得ない」という山口さんの提案にも、今では他どんなデザインが来るか楽しみだと言っているそうです。

ワークを終えた高校生の感想　※一部抜粋

・店舗全体の雰囲気は商品を売っていくというより魅力を伝える場と感じた。
・現地工場との情報共有としてコンセプトや考えを伝わるようなノートがあるときいて驚いた。
・手作りという話を聞いてどのくらいの時間がかかっているのか質問をしたたら、作り方が初めて聞いた生産方法で新しいと刺激を受けた。
・それぞれの国の魅力を引き出してお客様と生産する人の繋がりをここまで大切にされているお店は意外とないと思うので素敵だと思った。
・扱っている商品がオシャレで途上国の人と繋がれて、様々な人向けの商品も作ることができ最強だと思った！
・実際に現地に行くということを何度か仰ってたように、自分の目で見て確認することが大切ということが分かった！
・発展途上国に着目した企業はたくさん見たことがあったが、発展途上国の可能性に着目している企業を私は初めて見た。賃金や土地などではなくて、その国の魅力や人々の技術をスタッフ全員がリスペクトしているからこその会社なのだなあと実感した。また、途上国との関わり方がいかに多様で可能性があることを感じさせられた！

インターン生である僕がワークを振り返って

高校生の表情や反応を見ていて関心している様子がすごく伝わってきてワークを開催して良かったなと思いました。ブレイクアウトで隠れて高校生の話を聞いているとこんな鋭い考えをしているのかと自分でも考えられなかった質問があるなど私自身の学びも沢山ありました。
製販一体といった作るところから顧客までクリアに渡ることや生産者の想いをしっかり伝えるなど取り組んでいる企業さんは、高校生が感想で共有していた通りなかなかないと思います。そんなマザーハウスさんへ今回はオンライン開催で実際に行けず残念でしたが、リアルに負けないくらい商品の良さが体験できた良い会でした。京都からプログラムに参加している高校生はすぐ足を運べるので実際に行ってほしいですね～。

兼古さんをはじめとしたマザーハウススタッフのみなさん、充実したお時間を有難うございました！！

ここまでで沢山の学びを受けて価値観がかなり広がった高校生はこれからどんな成長をしていくのでしょうか。すごく楽しみです！