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ドキュメントツール全面移行:底知れないNotionの可能性

多様なエンジニアがプロダクト開発に携わるグロービス・デジタル・プラットフォームでは、活発なコミュニケーションとイノベーションの創発を狙って、ドキュメントツールをNotion に全面移行しました!

グロービスの VPoE 末永 @sue738 です。当社ではドキュメントツールとしてQiita Team を 3 年ほど使ってきましたが、このたび Notion に全面移行しました。Qiita Team にはすでにかなりの記事がストックされていたため、簡単に移行できる規模ではありませんでしたが、1年かけて Notion への移行を進めてきました。

なぜドキュメントツールが大事だったのか?

「皆が自由に思っていることを発信できるから」

これは共創の文化を構築するためにも、とても大切なことです。情報がトップから降りてくるだけでは、発想できるアイデアも、おのずと限定的になってしまいます。プロダクト開発の組織でイノベーションを起こすためには、多様な価値観を持つメンバーが情報発信することが必要です。たくさんのコラボレーションがイノベーションの創発につながるのです。

なぜ移行を決めたのか?

Qiita Team も便利なツールですが、その反面、以下の点で課題感が見えてきていました。

・同時編集ができないこと
・フロー的なトップページによる情報探索が難しいこと
・Markdown 記法はエンジニアでないと書きにくく感じられること

また、ドキュメントツールとしては、他に Google Docs や box なども活用しています。しかし、そういったファイル形式のドキュメントは、言うなれば「点」でしかありません。つまり、その「点」である情報の存在を知らなければアクセスできませんし、その「点」から先の広がりや他の「点」との関係がわからないのです。そういった情報連携の見えにくさを解決するツールとして、Notion に期待をしていました。以下の図は、Notion への移行を提案した当時の資料からの抜粋です。

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どのように移行を進めたのか?

移行を決めた時点で Qiita Team には約 10,000 件の記事がストックされていました。ただし、すべての記事が最新情報というわけではなかったため、全記事の一括エクスポート&インポートはやりませんでした。その代わり、移行期間を 1 年間と決めて、各チームの皆さんに必要な記事だけを移行してもらいました(移行においては皆さんに多大な協力をいただき、感謝しています)。

Qiita Team の記事をダンプして Notion のデータベースにタイトル一覧を追加

移行にあたり、メンバーが Qiita Team の記事のタイトル一覧を作成して Notion のデータベースに一覧化してくれました。「こんな記事を見た記憶がある」というときに Notion 上で検索してヒットした記事から必要な情報を移行する、という流れができました。これにより、移行は効率的に進みました。

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Notion の Tips 集の集約と専用のslackチャンネル

Notion は単なるドキュメントツールというだけではなく、幅広い機能を備えています。簡単に使い始めることができますが、使いこなすにはデータベースやテンプレートなど、様々な機能を理解する必要があります。

Notion 活用のためのドキュメントを Notion で用意したり、slack でも専用チャンネルを作ったりと、色々な使い方を議論できる場を用意しました。

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さて、Notion に移行してどうなったでしょうか。

情報を「毎日」更新する人が半数を超えた

Qiita Team を使っていたときは、情報を発信する人は限られていました。事実、153 アカウントあったユーザのうち、57 アカウントは一度も記事を書いたことがありませんでした。

Notion 導入後に定期的にアンケートを取ってきましたが、徐々に発信するメンバーは増え、最新のアンケートでは半数以上のメンバーがほぼ毎日 Notion の記事を更新しているという結果でした。社内の情報発信数が桁違いに増えています。Notion の書き心地や使い勝手がとても良いことと、すぐに書き始めることができる点が大きいと思います。

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行動がログ化、テンプレート化された

Notion を使うことで、これまで以上に行動のログ化が進んでいます。あらゆる議事録やメモが Notion に蓄積されています。

Notion はドキュメントツールという以上に、ドキュメンテーションの機能が充実したデータベースツールでもあると個人的には感じます。データベースやテンプレート機能が強力なので、組織としての情報発信のあり方も良くなっています。大部分をテンプレート化することで、事前に議題を整理する文化が強まっていると思いますし、意思決定フローやその残し方もアップデートされています。

自由な発想でのドキュメンテーション

Notion の表現力にはいつも驚かされます。「そんな使い方があったのか」と思うケースがいまだに発生します。いろんなチームがいろんな使い方をしているので、それを参考に他のチームでも活用方法を広げる、といったこともよく起こっています。

他社の事例も多く公開されているので、それらを参考にしながら、チームで工夫して使っていくのはとても面白いです。こだわり始めると本当にキリがないですね。

個人のワークフローも改善:カンバン + Todo + ドキュメンテーション

以前社内で開いた、Notion の使い方共有会で、個人のワークフローとして活用しているという話が紹介されました。現在私も Notion のマイページで、タスクを管理しています。Asana や Google Todo、その他タスク管理ツールをこれまで使ってきましたが、Notion が最も使いやすいと感じます。これまでの Todo リストはドキュメントとのリンク機能が無かったので、ドキュメントを別のツールで書かなくてはならず、二重管理になっていました。しかし、Notion のドキュメンテーション機能を活用することで、Notion だけでタスクを完結することができるようになっています。

以上で Qiita Team から Notion への移行と、その結果どういう変化が起こったのか、簡単に紹介しました。Notion は多岐にわたる可能性を秘めています。さらに良い使い方を模索していけたらと思います。

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