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ジュネーブ生活立ち上げマニュアル

ジュネーブ生活に関するブログ記事等はネット上にたくさんあるのだが、情報が古かったり、断片的だったり、JPOには関係ない情報もあったので、特に赴任前後で必要な情報を簡単にまとめておこうと思う。ちなみにJPO合格までの話は、既に同期がブログに詳細を書いているので割愛する。


1. 事務手続き等

年末頃にterms of referenceが届き、年始にoffer letterが届いた。そこから事務手続きが始まったのだが、兎にも角にも書類がたくさんあり、仕事の合間にがんばって書いた。そんな中でも注意点が2つある。1つ目は上司との電話インタビュー。Competency-based interviewが行われると聞いて、ビビって準備していたが、雑談で終わった…。2つ目は健康診断。WHOには国連の健康診断書とは別のフォームがあるのだが、異常所見に厳しかった。血液検査である検査値が正常上限を少し上回っていたところ「精査しろ」と要求してきた。私だったら見逃す範囲内だが…。勝手を知っている国連の認定を受けた医師に診断書を書いてもらった。

2. 住居探し

先輩JPOからの紹介で、ジュネーブ市内の物件を押さえている日本人を紹介してもらった。家具付きでインターネット等も込みだったので、渡航前に決めてしまった。米国留学の時もアパートへの入居やutilityの契約手続きが最も面倒だったことを覚えていたので、金を払ってその手間が省けるのであれば、その方がよいと思った。

ちなみに独力で部屋を探す場合は、AirBnBで暮らしつつ、ネット等で探すことになる。① 収入証明書、② 直近3ヶ月分の給与明細、③ declaration de non-poursuites等が必要であり、ややめんどくさい。フランス側に住んでいるJPOも少数いるが、手続きを全てフランス語でやらなければいけないので、ネイティブ並みのフランス語力が要求される。フランス人の配偶者でもいない限り、現実的な選択肢ではないだろう。

3. 航空券の購入〜出国

WHOのJPOはUNDPのJPOサービスセンター(JPOSC)が委託管理しているので、まずはコペンハーゲンにあるUN Cityまで行き、JPOSCの担当者からブリーフィングを受けなければいけなかった。しかし契約の都合で始業前日まで出国ができなかったので、必然的に直行便を選ばざるを得ず、スカンジナビア航空(SAS)しか選択肢がなかった。ちなみにSASは無料で預けることができる荷物は1つのみなで、スーツケースを片手にバックパックを背負っていた僕は超過料金を取られてしまった…。

なお大荷物でコペンハーゲン空港から市内まで行くのもダルかったので、空港のコインロッカーで荷物を預けた。コインロッカーの位置が少し分かりにくかったが、日本人旅行者のブログ記事がネット上に残っており、すぐに辿り着くことができた。

ちなみにノービザでシェンゲン圏に入ることになるので、片道ではなく往復航空券を買った方が出入国で揉めずに済むだろう。私は復路のみrefundableの航空券を別途購入し、スイス入国後にキャンセルした。

4. 労働許可証の申請

国際機関職員用の労働許可証(=carte de legitimation)は、スイス入国後にJPOSCのHRを通じて申請した。2~3週間ぐらいで届いた。

5. 銀行口座の開設

赴任して1週間後ぐらいに、JPOSCから「給料の振込先銀行口座を教えろ」と連絡がきた。つまり入国後すみやかに現地の銀行口座を開設することが望ましい。しかし私はこれは失敗した。PostFinanceというスイスのゆうちょ銀行で口座を開こうとしたのだが、上述のcarte de legitimationがない外国人は追加の書類が必要だと言われ、すぐに書類を出したのだが、別の追加の書類が必要だと言われ、手続きは遅々として進まず…いつの間にか1ヶ月経ってしまった。痺れを切らしてUBSに行ったところ、商業銀行だからなのか理解があり、パスポートとletter of appointmentだけでサクッと口座開設できた。最初からUBSにすればよかった…。まぁUBSは口座維持手数料が高いのが難点だが(120 CHF/年ぐらい)(注1)、スイス入国直後はまずUBSの口座を開くことをオススメする。

ちなみに出国前に日本の銀行口座のインターネットバンキングを申請しておいたのは正解だった。日本で学会の年会費等の振込もいちいち親に頼まなくてよいし、日本の口座からスイスの口座にネットで送金手続きできるのは便利だった。

6. SIMカードの購入

僕のケータイはSIMフリーなので、スイスでSIMカードを挿せば普段のケータイが使える。先輩の勧めもありTalkTalkというプリペイドでPayPalで支払いができるSIMを口座開設前に購入してしまった。一般的にはSwisscomSaltを契約する人が多いようだ。

7. 買い物

CoopMigrosの2大スーパーチェーンで買うことが多い。しかし生鮮食品等が高いので、友人から教えてもらったDennerLidlも利用し始めた。ジュネーブ暮らしでビックリなのは、スーパーが平日夜19時ぐらいで閉まってしまうことである。週末も土曜日はかろうじて夕方まで開いているが、日曜日は閉まっている。日本のようなコンビニはない。

ちなみに少しお高い買い物はManorGlobusなどのデパートで買う。日本食料品店はUchitomiUchinoなどいくつかあるが、値段は日本の2~3倍する。毎週日曜はプランパレ広場でマルシェが開かれており、露店で売ってるファラフェルが美味である。ちなみにフランス側のマルシェの方が魚介類が新鮮でかつ安い。

8. 市内移動〜通勤

トラムとバスを乗り継いで通勤している。ジュネーブ市内のバスやトラムは片道定額3 CHFなのだが、毎回払っていると交通費だけで1ヶ月に120 CHFもかかってしまう。コルナバン駅の南西側にジュネーブ公共交通(TPG)の窓口があるので、Annual "Tout Geneve (all of Geneva)"という定期券を500 CHFで買った。パスポートだけで買えた。

ちなみに何番のバス・トラムに乗ればいいのか分からない時には、TPGのアプリを利用するのが便利である。スマホにDLすべし。

9. 観光〜市外への移動

国内旅行や近隣諸国への旅行なら基本的にはスイス連邦鉄道(ドイツ語でSBB、フランス語でCFF、イタリア語でFFS)に乗れば大丈夫である。コルナバン駅の窓口でDemi tarif (half fare)トラベルカードを150 CHFで買うと、1年間は(スイス国内の)運賃が半額になる。併せてSBBモバイルアプリからチケットを購入すると窓口で買うより更に安くなるのでお得である。

それよりも遠いヨーロッパ圏内の旅行はeasyJetで行くのが良いだろう。ジュネーブ国際空港からヨーロッパ各地に多くの便が出ている。

10. 食事

スイスは外食がめちゃ高いので、基本的には自炊している。例えば日本人が経営しているラーメン屋がジュネーブに2軒あり、味は許せるぐらいなのだが、1杯が20~22 CHFという驚愕の値段だった。WHOの食堂はまだ安いが、それでも1食15CHFはする。外食ばかりしていたら貯金できない。

ちなみにジュネーブ市内のイケてるレストランを別の記事にまとめたので、参照頂きたい。

11. 運転免許証

僕は単身なので自動車を購入する予定はない。でもカーシェア等で運転する可能性もゼロではないので、運転免許は書き換えようと思っている。またアップデートしたい。


注1:2018年末頃からPostFinanceも口座維持手数料を取るようになったため、UBS一択でよいと思います。

(最終更新:2019年4月7日)



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