40歳の壁

Twitterでは言えない、クリエイター40歳の壁

2011年3月日本を変えたと言っても過言ではない、東北の大震災。
この年正に40歳の壁を越えた私自身を変える大きな出来事が立て続けにありました。
6月に嫁の妊娠発覚したこと
12月に会社をクローズしたこと
さらには無職になるのに家を買う事も決めました。

結婚は2005年だったので妊娠は青天の霹靂で共働きで嫁も私も仕事大好き人間だったので、嫁の働き方も含め悩んだ結論が会社を閉じるでした。
当時銀行系の仕事が多くリーマンショックと3.11で仕事の波が大きく特に震災後の2ヶ月間は開店休業、テレビでCMが流れなかった事を覚えてる人も多いと思いますが広告活動が一切ストップしてしまいました。
その間売上が激減してるのに毎月100万以上の経費や雇用している人件費が出ていく事も大きかったのですが好調時は土日祝も関係なくなので父親としてどう関われるかも大きな動機になっています。では、現実的にどうするか?で就職活動を開始しました。ほぼデザイン職以外の経験はないので売り込むならばキャリアを活かしたいと思ったのですが意外な反応が多かったので転職やフリーランスからの出戻りを考える方は参考にしてください。

クリエイター40歳の壁は本当か?

個人差は物凄くありますが、周囲を見ていても35歳あたりから壁が生まれてくるのではないかな?と感じる事が多いです。
私が入った2つ目の会社で1991年にIZUMIYA(現too.)のDTP導入、同時期にMackintoshを導入、DTP化デジタル化が始まった時に20代は飛びつきましたが35歳~移行のデザイナーは「玩具でデザインが出来るか」と拒否してアナログに拘りました。フォトショップで数MBのデータを保存するだけで数十分かかるので確かに非効率ではありましたが、DTPの未来を若い私たちは目を輝かせて感じていました。

一方35歳~の方たちが今どうなってるか分かりませんが、恐らくは新しい事は拒否し続けるような気がしてなりません。
後年私自身もクライアントからのAIのバージョン10以下の縛りがあったとは言えCS導入を先延ばしにした事もありました。人間手慣れてくると新しい事は億劫になっていくのは間違いない事と戒めるように思います。
(noteを始めたのもコレが理由です)
サラリーマンの場合ですが手を動かすよりも人を動かす、仕事を取るという事の方が組織にとって有益で利益が大きいのです。個人で年5000万の利益を出すよりも年2000万の利益を出す部下を10人作れる方が価値がありますって事で、一定の年齢給があるならば職人から管理者になれって事もあると思います。私が働いていたアパレルは大企業ということもあって、30歳で現場を離れなくてはいけなくなった事もあってフリーランスに繋がっていきました。

フリーランス40歳限界説は本当か?

クリエイターの限界ともリンクしますが、フリーランスになりたての頃、クライアントは皆自分よりも年上でした。アドバイスをもらう事も一杯奢ってもらう事も、気軽に呼んでもらう事も当たり前でした。
その方たちが偉くなっていき、部下に引き継いでいくと自分と同年代、そして若くなってくるということを実感しました。
「こりゃ使い難い人になっていくな」と感じて法人化、そして若い子を入れる事に繋がります。それまではフリーランスの個人の個だったのが、法人の個となれば扱いにくさは変わっていきます。TPOで若い子に任せるケースも出てきます。
特別な能力、知名度がない限りは高齢フリーランスは使いにくいと思って間違いないと思います。自分が客の席を取れたのは新規に生み出した市場ではなく、前任者は必ずいたのですから。

転職、就職の需要はあるのか?

求人をググってみれば分かりますが専門職にも関わらず給料やバイトの金額は驚くほど安いです。コンビニのバイトと同じレベルの求人は呆れてしまいますが、これは供給が足りてるという裏返しなのです。
デザインのDTP化にともなって版下、写植、製版の仕事が激減しました。特に版下、写植の分野からDTPに転じた人が多くデザイナーが溢れているのが現状です。
そして年齢を人材の教育を御旗にして35歳以下の求人がとても多いです。なので40歳以上のデザイナーの需要ははっきり言ってないという時代がしばらく続く事は覚悟した方がいいと思います。
デザイナーではなくディレクター、そして営業的な仕事も出来るならば一定の需要はあると思うので30を越えたら将来のビジョンを考えて技術的なスキル以外の自分の武器を持つ事が大事だと思います。

転職にあたり有効な方法はあるのか?

まずは間口を広げる事とスキルの棚卸しが必要です。
自分が当たり前にやってきた事は人にとって当たり前ではない、ってことは多々あります。私の場合法人営業もしていましたし、ディレクションもできます。20年以上のDTPの経験、印刷の現場も知っています。採用も部下の教育も経験があります。このあたりが売りにはなりました。
転職エージェントへの登録、リクナビ等への登録、ハローワークもサイトから見られるので活用しました。
今でも繋がってるお客様のところへ就職というのも考えましたが、副業は副業でとっておいた方がいいという判断でやめましたが、そのような方法もあると思います。
フリーランスから会社員への出戻りの場合懸念されるケースがありまして、面接の時に何人かの担当者さんから言われた言葉があります。
私の場合はインハウス、それに近い形に絞って就活をしたこともあるのですが
・仕事が簡単過ぎて飽きない?続くかな?
・また独立する考えはあるの?
デザイナーは数年で転職が当たり前という感覚がありますが、とくにインハウスを抱える一般企業は違います。長く働いてもらいたい、簡単に転職して欲しくないと考えるようです。私の場合は実質2社+フリーランスにも関わらず転職が多いねと言われた事もあります。
なので40を越えた転職でインハウスを目指すならば「骨を埋める覚悟」という物をアピールする必要があるかも知れません。

40歳は世間では不惑とも言われる年齢ではありますが、自分自身越えてみても迷いっぱなしです。社会や経済をキャッチアップして自分をバージョンアップできる事が40歳の壁を突破できるコツかな、と思っております。

アラフォー以上の皆さんも頑張ってください。

model by 大川竜弥
"フリー写真素材ぱくたそ"

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