訛り英語の方が分かりやすい!?

我々は概ね、日本人の英語はどこに行ってもわかってもらいないと思いがちだが、強ちそうでもないようだ。

東アジアの英語ノンネイティブにとり、日本人が話す英語は、英語ネイティブスピーカーより分かりやすいという調査結果がある。つまり、ノンネイティブスピーカーが大半をしめるような組織やグループ内では、ネイティブレベルの英語の発音は絶対条件ではないだけでなく、逆に理解度を下げてしまう結果を招きうるということを示している。

発音はまた、アイデンティティと深く結びついていて、ナイジェリア(旧イギリス植民地)では、イギリス人のようなネイティブ英語の発音をする現地人は旧支配国に順化されて、自国民としてのプライドに欠けると見なされるという事例が確認されている。

更に、盲目的なネイティブ英語礼賛は、英米人がお手本という心理的な従属関係や劣等感などのコンプレックスを助長するなど、英語学習の目標とするメリットは大きいと思えない。

参考文献

今仲昌宏(2000)「日本人学習者の発音モデル」『東京成徳大学研究紀要』第7号


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