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世界のトップリーダーを斬る:戦略プレゼンス時評

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一国のリーダー、世界的なエグゼクティブ、セレブリティなど、メディア露出/公的な場に登場する人々を取り上げつつ、国際基準のトップリーダー・プレゼンスとその戦略について分析します。
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#グローバルスタンダード

企業のトップたる服装戦略 -[特集1] 社長は最高の広報パーソン- :『PRIR』寄稿記事

※本記事は『PRIR』創刊号 5月号(2005年)に掲載された日野江都子の寄稿記事からの転載です。  8人のトップエグゼクティブの方々に共通していることは、装いにおける基本ルールと、企業のイメージ戦略・ブランディングを十分理解したうえで、「会社のイメージづくりは社長自身のイメージ」をアピールするための最適なツールが写真であることにフォーカスできている点である。  ヴァージン アトランティック航空のサー・リチャード・ブランソン氏、グラクソ・スミスクラインのマーク・デュノワ

もうひとつのアメリカ大統領選 -メディアが見たイメージ戦略 vol 1- :『PRIR』寄稿記事

※本記事は『PRIR』 1月号(2005年)に掲載された日野江都子の寄稿記事からの転載です。 本記事は、筆者が初めてメディアに寄稿した記念すべきもの。 今はなくなってしまったけれど、宣伝会議が広報に特化した雑誌として出した『PRIR』(PRとIRを合わせた名前)のプレ創刊号向けに、ちょうどアメリカ出張と重なったブッシュとケリーの大統領選投票日を目の当たりにしながら、テレビ討論会でのあれこれに触れながら書いた記事。 その後、『PRIR』の正式な創刊から1年、トップのメディ

「世界が注目する雅子皇后の国際力!8ポイントで紐解く「超一流のプレゼンスと交流力」:『Precious.jp』寄稿

先日、令和最初の国賓としてトランプ大統領ご夫妻をお迎えした、天皇皇后両陛下。 その際のあれこれを見ながら、特に雅子皇后にフォーカスし、世界が注目したそのプレゼンスについての、分析・解説記事「世界が注目する雅子皇后の国際力!8ポイントで紐解く「超一流のプレゼンスと交流力」をPrecious.jpに寄稿いたしました。 このトランプ大統領ご夫妻訪日時にも気になった、トランプ大統領がいつもやる「手の形」(ボディランゲージ)について、日本語で記されているものがあまりないので、本記事

初頭効果が邪魔をする:東京都の「かぶる傘」と「メラニア夫人の訪英ファッション」の因果関係

トランプ大統領一家 訪英3日目、「ノルマンディー上陸作戦75周年式典」の際のメラニア夫人の装いは、 NYブランド「The Row」のアイボリーコートに、英国ロイヤルファミリーも愛用する「フィリップ・トレイシー」のつば広ファシネイター。 素敵なのでしょう、きっと。 しかし、もはや筆者には「かぶる傘」にしか見えてこない。。。 これぞ視覚の「空耳アワー」 初頭効果が邪魔をしている。 人は先にインパクトを得たものを基準に、後から得た情報を理解・判断する生き物。最初に得たイ

『アメリカからの手紙』:FLOTUS メラニア夫人のメッセージ 前半

令和初の国賓として25日から28日まで日本を訪れるトランプ大統領ご夫妻。 25日夕に到着。26日、安倍首相と朝食を共にした後、共通の趣味であるゴルフ。その間メラニア夫人は森ビル デジタル アート ミュージアムの視察。炉端焼きディナーの後、現職の米大統領として初めて大相撲を観戦。初優勝した前頭の朝乃山関に「米大統領杯」を授与した。27日午前、皇居・宮殿「竹の間」で天皇、皇后両陛下即位後初めての国賓として会見。その晩には宮中晩餐会に出席。 ここまでのスケジュールを追いかけると

服装が相手に伝えるメッセージ:NY流ビジネスの第一印象を制するイメージマネジメントvol.01:『FUMIKODA JOURNAL』寄稿

※本記事は『FUMIKODA JOURNAL』に掲載された日野江都子コラムからの転載です。 日本国外の方々とのビジネスを考える時、まず最初に頭に浮かべてしまいがちなのは「何語が話せるか?」という語学力について。しかし実は、アピアランス(外見)・プレゼンス(あり方・存在感)を非言語な世界共通言語として身につけることこそが、グローバルに活躍する方々には求められます。その最重要ポイントは、「Appropriateか否か」。例えば服装を選ぶ際にも「似合う」という自己中心軸ではなく、

FLOTUSメラニア 2018年最後にミニスカ疑惑!

2018年も残り数日。ということで、これが今年最後のエグゼクティブ・プレゼンス時評(の予定)。 それにしても、FLOTUSメラニアは、最後の最後まで見た目に関するトピックをたくさん提供してくださった2018年でした。 派手(な方向がトンチンカン)でびっくりとか、場をわきまえてなくて非難されるとか、変なメッセージが背中にプリントされていて物議をかもすとか、色々ありましたが、今回のイラク訪問から帰国した際の姿は、そのどれにも当てはまらないけれど、ある意味全てが集約されていると

「うっかりメラニア夫人?」肩掛けジャケットスタイルで登場

本日月曜に行われた、大統領と矛盾していると言われている、メラニア夫人の「ネット攻撃防止訴え」スピーチ。 その内容などなどはいつもの如く置いておき、メラニア夫人のスピーチに今回も思うのは、こなれなさ、硬さ、不自然さ。 多分、もともと英語ネイティブでない人が喋るには難しい原稿が作られていて、それを喋らされているのでしょう。それに加え、彼女がいつも喋る、そしていつも書く文章とは大きくかけ離れていて、上滑りしてしまいメッセージが重ならないというのも、このぎこちなさの原因とも考えられ

赤のトランプ大統領と黄色の安倍首相、「建設的な話ができた」とは、これいかに

9月23日、安倍首相とトランプ大統領のマンツーマンの夕食会が、マンハッタンのトランプタワーにあるトランプ氏の居室で行われました。通訳だけを交え、約2時間。 写真は首相官邸及び安倍首相のFacebookオフィシャル・アカウントにポストされたもの。 この夕食会の記事がこちら↓ 「建設的な話ができた」とのことですが、この夕食会前に撮られた写真から読み取る双方の思惑と力関係はいかに? 通訳以外、他の人の存在が無い密な席、それもトランプ大統領自身の居室ということは、ホームでの試

訪英メラニア夫人、黄色いドレスの否めないディズニー感

訪英の米トランプ首相とメラニア夫人。 Blenheim Palaceで行われたメイ首相主催ディナーに到着時の映像を見て思ったことを備忘録として。 このディナー、当然のことながらドレスコードはブラック・タイ。 そのシーンにメラニア夫人が着用して登場したのが、黄色いガウン(フルレングスのクチュール・ドレス)。 この黄色いドレス、目に入った瞬間から、ディズニー映画『美女と野獣』のベルにしか見えず、拭おうにも拭えない。あの曲が頭の中をぐるぐる。 こちらが、トランプ大統領夫妻が

ファッショナブリー・レイトはパーティだけにして: トランプ大統領は犬よりも歩くのが下手?

すっかり時期を外してしまいましたが、先日のトランプ大統領夫妻訪英、エリザベス女王との初公式ミーティング、なのに遅刻・・・などなどを分析・考察したメモ書きを備忘録としてまとめました。 なんと今回、彼らは遅刻して女王を待たせてしまったのですから大変。女王がご自分の時計を見る仕草が映像でも撮られており、その部分がtwitterでも広められています。リンク上の一番上の映像がそれ。 どういう事情かは分かりませんし、誰か1人の責任でもない、でもセレモニーとしてのことだから、時間も設定

NY州知事クオモ氏のメッセージ:ニューヨークをもう一度好きになった日

2018. 01. 14記事 2018年になってから今日まで、私の行動半径はどう考えても1km未満。 というのも、結構ハードなペーパーワークのため机にへばりついていたのに加え、豪雪だったり、極寒だったりと、気分転換に外出する気持ちさえも削がれる条件が見事なほどに揃っていたから。これぞ「冬ごもり」。 (途中、寒さと籠るのに飽きて、わざわざ一番寒い日に完全防寒で出かけるという暴挙にも出ましたが・苦笑) そんな状態なので、年明けてからこちら、流れてくるニュースでアメリカの動

2018ゴールデングローブ賞:オプラーの力強い受賞スピーチ

2018. 01. 08記事 昨日開催された2018年ゴールデングローブ賞。 今回、功労賞であるセシル・B・デミル賞を黒人女性として初めて受け取ったのが、アメリカでは知らない人はいないくらい有名であり、多大な影響力を持った女性、女優・司会者・ジャーナリストとしても知られるオプラー・ウィンフリー氏。 過去に例の無い、計3回ものスタンディング・オベーションを受けた彼女の受賞スピーチは、深く力強く、アメリカに住む人々だけでなく、世界中の多くの人に勇気を与えるものだと思います。

補足編: Ivankaピンクに見る、アメリカが思う日本の存在イメージ

2017. 11. 04記事 「Ivankaピンクに見る、アメリカが思う日本の存在イメージ」を踏まえて、色々質問をいただいたので、Ivankaピンク考察についての補足編。 「あのピンクは悪いの?」という質問をいただきました。 あの「ピンク」という色自体はオフィシャルな場でファーストレディをはじめIvankaのような立場の女性が着用するにあたり、根本的には問題はありません(ビジネスパーソンの女性は、職種と立場、目的によります)。ただ、どんな種類のピンクを”どのようなデザイン