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世界のトップリーダーを斬る:戦略プレゼンス時評

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一国のリーダー、世界的なエグゼクティブ、セレブリティなど、メディア露出/公的な場に登場する人々を取り上げつつ、国際基準のトップリーダー・プレゼンスとその戦略について分析します。
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記事一覧

「大谷翔平に学ぶ 憧れの存在を「超えて行ける人」の思考力」:『Forbes JAPAN』連載

Forbes JAPANの連載15回目 は、先月開催されたWBC決勝・アメリカ戦直前の小谷選手の声かけ「憧れるのをやめましょう」にみる彼の思考とその背景にあるものについて。 WBCから早1ヶ月。熱狂が落ち着いた今だからこそ、改めて振り返り冷静に分析できる、あの声出しの言葉に込められた意味とその影響、そして、それを発した大谷選手の凄さ。 あのシーンの映像を何度も見て、同時にアメリカ側のメディアに上がってきた大谷選手に関する情報も読みながら、現在の世界基準と時代背景を深く感じ

「「私は見られなければならない」 エリザベス女王が貫いた完璧なプレゼンス」:『Forbes』連載

Forbesの連載13回目 は、今月9月8日、96歳でその生涯を閉じられたエリザベス2世のプレゼンスについて特徴的だったあることを、女王が残されたある言葉をもとに、色々調べながら、あのお姿の背景にあったであろうことに想いを馳せながらまとめた。 まずは本文をお読みいただきたい。 この事柄は、決して特別でも方法として難しくもなく、一般社会で生きる我々においても当てはまる。 違っていたのは、その立場における想像を超える重責と、それを全うする覚悟だ。 女王のおっしゃった言葉 “

「BTSの「黒髪」なぜ。バイデン大統領への最高の敬意?」:『Forbes』連載

Forbesの連載12回目 は、「アジアン・アメリカン・パシフィック・アイランダー(AAPI)月間」の最終日である5月31日にホワイトハウスに招待され、バイデン大統領とオーバルオフィス で対面をした、BTSのそのプレゼンスについて分析・解析してみた。 世界的に影響力のあるアジア人グループのそのあり方は、別段ファンでもない筆者にとっても、非常に興味深い。アジア人が被っている社会における問題について、より一層考えさせてくれる存在であるだけで、既に大きな功績だと思うのだ。 まず

「アカデミー賞で見せた、レディ・ガガの称賛すべきプレゼンス」:『Forbes』連載

Forbesの連載11回目 は、先日開催されたアカデミー賞授賞式での、あるとても美しい振る舞いと配慮について。それはライザ・ミネリのコー・プレセンターとして登場したレディ・ガガのこと。 日本のメディアでは、ビンタの一件ばかり報道し、この事柄がかき消されてしまっているのかもしれないけれど、「国際基準のエグゼクティブ・プレゼンス」を主として伝えている拙コラム、その根幹とも言えるこのグレース溢れるクラスアクトを、今ここで伝えずしてどうする?!と、取り上げた。 何故日本でこの美し

グラミー賞で、ゼレンスキー大統領ビデオ演説(全文翻訳)

米国で本日4月3日(日)の夜に行われたグラミー賞授賞式。 ここでウクライナのセレンスキー大統領の事前収録されたビデオ演説が流された。1分20秒ほどの短いものだが感情に訴える内容だ。 その映像がこちらから見る事ができる。 スピーチ全文の日本語訳は以下。 戦争。音楽とこれほど相反するものがあるでしょうか。廃墟と化した街、殺された人々の沈黙...。 子供たちは流れ星ではなく、急降下するロケット弾を描いています。 400人以上の子どもたちが負傷し、153人の子どもたちが亡くな

アーノルド・シュワルツェネッガー 第38代カリフォルニア州知事:「ロシアの友人たちへのメッセージ」(日本語訳)

第38代カリフォルニア州知事アーノルド・シュワルツェネッガー氏のロシアに向けた強いメッセージが心を打つ。 わかりやすい言葉で、語られている。 映像内の英語字幕をそのまま書き起こし、日本語訳した物をここに残しておくことにする。 Hello, everybody, and thank you for sharing your time with me. I am sending this message through various different channels

「CES登壇者が、こぞって「白スニーカー」を選ぶ理由」:『Forbes』連載

Forbesの連載8回目 は、2年ぶりにリアル開催されたCES2022のプレスカンファレンスに登壇した企業トップのプレゼンスに見た、”とあるアイテム”とそれが意味することについて。 その”とあるアイテム”とは、タイトルをご覧いただければ既にお分かりの通り「白のスニーカー」。 まずは本文を是非お読みいただきたい。 「足元をみる」という言葉があるが、足元を見ればその人の今と、生きるに当たっての意識と積み上げてきた土台、一言で言えば嘘のないライフスタイルの真実が現れる。 し

『GQ Sports』表紙 大谷翔平選手に「ありのまま」の意味を考えさせられる

ロサンジェルス・エンゼルズの大谷翔平選手がファッション誌「GQ」初の「GQ Sports」の表紙に登場。 インタビューや写真が話題になっており、世界中のファンからのコメントですごいことになっているようだ。 ちょうどGQの公式サイトで公開された「10 Things Shohei Ohtani Can't Live Without (大谷翔平がこれなしでは生きられないという10選)」を見て、この人は本当に自らのすることに一直線で、自分を過大にも過小でもなく、実物大の今の自分を素

「メリンダ・ゲイツ、10年前から揺るがない「自己表現」とは」:『Forbes』連載

Forbesの連載7回目 は、2022年1月1日公開という、おめでたいスタート。 今回のトピックは、12月7日に米フォーブスから発表された2021年「世界で最も影響力のある女性100人」のトップ5に入っており、過去にも同ランキング入りしている、世界的にも注目される機会が多い、筆者が常々気になっていた人物、メリンダ・フレンチ・ゲイツ氏について。 年末差し迫って入稿したこの原稿。「今回のコラムは華やかな話題なので、1月1日に公開させていただきました」との担当編集Tさんからのメ

シモーネ・バイルズ:TIME 2021 ATHLETE OF THE YEAR

12月初旬に発表された米TIME誌 2021 アスリート・オブ・ザ・イヤーは、米体操女子のエース、シモーネ・バイルズ選手。 筆者も8月上旬にForbes JAPANの連載コラムで『アスリート像の常識を変えた、シモーネ・バイルズのリーダー的プレゼンス』と題してオリンピック時の彼女の姿を取り上げて執筆した。 オリンピック終了後も、ある辛い経験を発言するという勇気ある決断と行動をとった。このバイルズ選手の強さは、アスリートの世界を変えていく追い風となっただろう。 そして、この

「実は英語がうまい岸田総理。国際舞台でなぜ「ほぼ日本語」でスピーチ?」:『Forbes』連載

Forbesの連載6回目 は、先日終了したCOP26で、3分のスピーチのためにイギリスのグラスゴーに渡航した岸田総理のスピーチと、プレゼンスについて、今後の期待と希望を込めて書いた。 実は、記事内では「触れ忘た点」と「触れなかった点」の2点がある。 「触れ忘れた点」、それは、岸田総理は声がいい、ということ。これは非常にアドバンテージの高い特質。実際、トレーニングで発声は変わるし、より良い声にはなる。しかし忘れてはならない「元がどうなのか?」ということを。それが顕著なのが声

「3人揃って「完璧な装い」 岸田内閣の女性大臣が残した印象とは」:『Forbes』連載

Forbesの連載5回目 は、10月4日に発足した岸田新内閣の、皇居での首相親任式と閣僚認証式の際の記念写真に見る、女性大臣3人のプロトコルに即した装いと、そこから分析できることについて。 今回は、外交官で元特命全権大使、リトアニア駐箚特命全権大使もお務めになった 白石 和子氏がご協力くださり、以前お目にかかった際に伺ったお話や、今回新たにお教えいただいた貴重な情報もコラムの内容に加えることができた。 白石さん、本当にどうもありがとうございました。 皆様、是非ご高覧くださ

「ファッションは政治? AOCの「富裕層に税金を」ドレスの意味」:『Forbes』連載

Forbesの連載4回目 は、2年半ぶりにリアル開催されたMet Galaに出席したNY州の下院議員 AOCことアレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏と、彼女が着用したドレスに描かれた「TAX THE RICH」のメッセージについて。 ワシントンポスト誌に、「私が何をしても、朝起きたら、それについて何か言いたいことがある人がいるだろうという段階に来ていると思います」とAOCが語ったことが書かれていた。それを理解した上で行動をする彼女は強い。彼女のことを好きか嫌いかは別として

説き続けた人 ルース・ベイダー・ギンズバーグ、通称「RBG」の1周忌。

今日は9月18日。社会を変えようと説き続け、戦い続けた人、アメリカで最も尊敬され支持された女性最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ氏、通称「RBG」の1周忌。 この記事はRBGが亡くなる前、2020年5月のもの。 「同僚の男性判事は性差別が存在しているとは思っていなかった。幼稚園の先生になったつもりで説き続けました」 ”人を動かす”とは、「説得」よりも「共有」「共感」の方が大きな原動力。その為にはずっと「言い続ける」「やり続ける」ことが不可欠。 正にGRITだ。