ファッショナブリー・レイトはパーティだけにして: トランプ大統領は犬よりも歩くのが下手?
すっかり時期を外してしまいましたが、先日のトランプ大統領夫妻訪英、エリザベス女王との初公式ミーティング、なのに遅刻・・・などなどを分析・考察したメモ書きを備忘録としてまとめました。
なんと今回、彼らは遅刻して女王を待たせてしまったのですから大変。女王がご自分の時計を見る仕草が映像でも撮られており、その部分がtwitterでも広められています。リンク上の一番上の映像がそれ。
どういう事情かは分かりませんし、誰か1人の責任でもない、でもセレモニーとしてのことだから、時間も設定されているし、テレビだって中継している。これはまずかった。
ファッショナブリー・レイトといい、遅れて行くのが良しとされるのは、何時から何時までやっていますとなっているイベント。そして、何時からといわれてもピッタリ行くと最後の準備でホストがバタついているかもしれないパーティーなどで、言われた時間より少し遅く行くのが配慮とされるとき。
遅刻したトランプ大統領の上着の前が、お決まりで全開だったことはいわずもがな。ぶれないというか何というか。
そのうえ、トランプ氏がエリザベス女王の前を歩くシーンが切り取られて話題になったようですね。ただ、この点に関して事実はそうではないということと、その部分の問題の本質についての考察を。
これ、トランプ大統領の肩を持つわけではないですが、そのシーンだけ切り取ったイメージ操作に近いものを感じます。まずは、その直前からの映像を見ていただけると、その意味がわかるはず。
次の映像の3分50秒あたりから映っています。
エリザベス女王が何らか促している仕草が見えます。男性とはいえ、一応一国の代表である客人を迎える側の国の最高権威を持つ立場として、「先に進んでください」「そのまま前に進んでください」だったと捉えるほうが自然。
この場合何が一番問題だったかといえば、女王のエスコートを上手に受けられないトランプ氏のスマートではない有り様。勝手がわからないとはいえ、立ち止まったり動いたり、あまりにぎこちないというか、無知というか。大きな体でいきなり立ち止まり、その後ろにクイーンが一瞬隠れてしまった画像はシャッターチャンス以外の何物でもなく「トランプはクイーンの前を歩いた!」と言ってくださいと言っているようなもの。もう少し何か振る舞いようはなかったのか。。。と、あまりの木偶の坊ぶりに驚きます。
CNNでも「Presidential Protocol(大統領のプロトコール)」と題して取り上げられていましたが、クイーンの前を歩くことは別に問題ではないと、ただ「事前にリハーサルする気がなかった証拠だ」いうのは火を見るより明らか。
Twitterでも“This is hilarious. The Queen acting like she’s training one of her dogs as Trump struggles to master the art of walking. “と書かれていました。自分の犬とも他人の犬とも上手く遊べて歩ける筆者には、犬達のほうが100倍上手に歩けると断言できます(苦笑)。
このトランプ氏のぎこちない動きは、相手を見ていないからこそ発生すること。代表的なのは、メラニア夫人と手をつなごうとする時。以前、「グローバル・コミュニケーション:手を握ることと、トランプに思う」というタイトルで投稿したことがあります。
その中で、さっと手を繋げないのは、相手のことを見てないからだとまとめました。今回のようにクイーンの示すエスコートを上手に受けられないということは、やはり相手を見ていない(見ようと試みていない)という証拠ではないかと思えてならないのです。メラニア夫人をおいて、さっさと目的の人のところに行ってしまうなど(就任式の時が代表的)、自分の行動以外は何も目に入っていない、もはやコミュニケーションの完全なる欠如。犬のほうが100倍上手に歩けると言ったのは、犬と飼い主との信頼関係は強固であり、犬は信頼する飼い主の動きを見逃さないよう、下方からずっと見上げながら歩いているから。
例え、その場のルールやエチケットでわからないことがあっても、それをよく知った誰かの誘導があれば上手くその場を切り抜けられるもの。事前準備をしたとしても全てに精通することなどできないのが国のルールや文化の違い。だからこそ迎える側は、いらした方々が恥ずかしい思いをしないようにそっとエスコートする、それが配慮であり、究極のもてなし。提供する側が万全でも、受ける側が下手くそだと(否、それを受けようと思っていない)、結局ギクシャクするという例を見てしまったトランプ大統領とエリザベス女王の初面会。
全ては相互意識の歩み寄りがあってこそ。それは立場の高さや男女、年齢、国籍を問わず。そして、日本が2020年に向けて最も意識することを求められるのがこの点だろうな、とも強く思った一件でした。
その他、アピアランスの分析ポイントとして
エリザベス女王の明るいブルーのコートに同色の帽子は、デモクラティックのブルーだと書いていた人もいましたが、それよりも「冷静に、理性的に、そして初めての公式ミーティングで人をお迎えする側として明朗に」の明るめブルーだったのでは?と筆者は読んでいます。ブローチに関して言われていますが、これには言及しないことに。
また、一つ前の投稿で書きましたが、「クイーンは黄色がお好きだから、それへのオマージュで(敬意を込めて)」と、メイ首相とのディナーの場にJ Mendelの黄色のガウン(フルレングスのクチュール・ドレス)を着用したメラニア夫人。どうしてその色がお好きなクイーンご本人との面会に黄色っぽいものを着なかったのでしょうね? 実は黄色を用意してあったけれど、「美女と野獣のベル」とか言われてしまって、急遽変更したとか? 何はともあれ、FLOTUSにはかなり白めですがオイスター・ホワイトの方が合っているので、ヒヨコのような黄色を選ばなかったのはある意味大正解。
引き続き、あれこれ拾い上げてまいります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?