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世界のトップリーダーを斬る:戦略プレゼンス時評

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一国のリーダー、世界的なエグゼクティブ、セレブリティなど、メディア露出/公的な場に登場する人々を取り上げつつ、国際基準のトップリーダー・プレゼンスとその戦略について分析します。
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「ハリス次期米副大統領がみせた 多様な人種をも魅了する「勝利宣言」スピーチ」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.12

AdverTime(アドタイ)の連載12回目 は、前回のバイデン氏の勝利宣言に引き続き、アメリカ初の女性、黒人系、アジア系の次期副大統領となるカマラ・ハリス氏のスピーチとそのプレゼンスについて。 先週Precious.jpに掲載された筆者の記事では、スタイルについてフォーカスしているが、今回のアドタイ の連載コラムでの記事は、その存在感とスピーチを分析し、彼女が伝えたメッセージについて解説している。 また、掲載原稿では文字数の問題で省くことになってしまったのですが、バイデ

「女性初の米国副大統領が誕生!勝利宣言でカマラ・ハリス氏が「全身白の装い」に込めた思いとは?」:『Precious.jp』寄稿

先頃米国で誕生した、女性初、黒人初、そしてアジア系初の副大統領となることが確実になったカマラ・ハリス氏。 まさにガラスの天井を打ち破った彼女が、現地時間11月7日(土)夜に行ったアメリカ大統領選挙の「勝利宣言」という大舞台にどの様な装いで臨んだのか? 全身白を纏った理由、ボウタイ・ブラウスの意味、彼女がいつも身につけるパールの訳などの解説を寄稿した。 本稿では触れていないのだが、肩の長さで柔らかく整えられた髪、あまり色味を感じさせないけれど、きちんとしたメイクなど、解説し

「実はスピーチが苦手!?「勝利宣言」にみるバイデン流プレゼンス」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.11

AdverTime(アドタイ)の連載11回目 は、米国時間先日11月7日(土)に米大統領選で当確を受けたジョー・バイデン氏の勝利宣言のプレゼンスについて。 先日、2017年にオバマ氏がバイデン氏の8年に及ぶホワイトハウスでの功績をたたえ、米国で文民最高位の勲章となる「大統領自由勲章」をサプライズで授けた際の、バイデン氏のスピーチを聞き返した。 あの時のスピーチの声とは、張りが違う。全身から滲み出る強さも違う。 だけど同じだったのは、落ち着いた水色のタイだった。 今回ア

もうひとつのアメリカ大統領選 -メディアが見たイメージ戦略 vol 1- :『PRIR』寄稿記事

※本記事は『PRIR』 1月号(2005年)に掲載された日野江都子の寄稿記事からの転載です。 本記事は、筆者が初めてメディアに寄稿した記念すべきもの。 今はなくなってしまったけれど、宣伝会議が広報に特化した雑誌として出した『PRIR』(PRとIRを合わせた名前)のプレ創刊号向けに、ちょうどアメリカ出張と重なったブッシュとケリーの大統領選投票日を目の当たりにしながら、テレビ討論会でのあれこれに触れながら書いた記事。 その後、『PRIR』の正式な創刊から1年、トップのメディ

「世界が注目する雅子皇后の国際力!8ポイントで紐解く「超一流のプレゼンスと交流力」:『Precious.jp』寄稿

先日、令和最初の国賓としてトランプ大統領ご夫妻をお迎えした、天皇皇后両陛下。 その際のあれこれを見ながら、特に雅子皇后にフォーカスし、世界が注目したそのプレゼンスについての、分析・解説記事「世界が注目する雅子皇后の国際力!8ポイントで紐解く「超一流のプレゼンスと交流力」をPrecious.jpに寄稿いたしました。 このトランプ大統領ご夫妻訪日時にも気になった、トランプ大統領がいつもやる「手の形」(ボディランゲージ)について、日本語で記されているものがあまりないので、本記事

初頭効果が邪魔をする:東京都の「かぶる傘」と「メラニア夫人の訪英ファッション」の因果関係

トランプ大統領一家 訪英3日目、「ノルマンディー上陸作戦75周年式典」の際のメラニア夫人の装いは、 NYブランド「The Row」のアイボリーコートに、英国ロイヤルファミリーも愛用する「フィリップ・トレイシー」のつば広ファシネイター。 素敵なのでしょう、きっと。 しかし、もはや筆者には「かぶる傘」にしか見えてこない。。。 これぞ視覚の「空耳アワー」 初頭効果が邪魔をしている。 人は先にインパクトを得たものを基準に、後から得た情報を理解・判断する生き物。最初に得たイ

『アメリカからの手紙』:FLOTUS メラニア夫人のメッセージ 前半

令和初の国賓として25日から28日まで日本を訪れるトランプ大統領ご夫妻。 25日夕に到着。26日、安倍首相と朝食を共にした後、共通の趣味であるゴルフ。その間メラニア夫人は森ビル デジタル アート ミュージアムの視察。炉端焼きディナーの後、現職の米大統領として初めて大相撲を観戦。初優勝した前頭の朝乃山関に「米大統領杯」を授与した。27日午前、皇居・宮殿「竹の間」で天皇、皇后両陛下即位後初めての国賓として会見。その晩には宮中晩餐会に出席。 ここまでのスケジュールを追いかけると

エリザベス女王のルビーとトランプ大統領の丈のおかしなホワイト・タイ・アタイア

現在イギリス訪問中の米トランプ大統領。 晩餐会の席でエリザベス女王の背中に触れるという礼儀違反をしたという記事が挙げられていた。 それが原因でこのようなツイートが出たのかどうかわからないけれど、今日WWDが取り上げていたニュース、及びSNS上で目にしたのがこれ。 タイトルは「クイーン・エリザベス2世がトランプ大統領との面会にルビーのティアラを身につけたストーリーの裏側」と言うもの。 そこには、「ルビーはevil(邪悪なもの)からprotectする(身を守る)ため」など

FLOTUSメラニア 2018年最後にミニスカ疑惑!

2018年も残り数日。ということで、これが今年最後のエグゼクティブ・プレゼンス時評(の予定)。 それにしても、FLOTUSメラニアは、最後の最後まで見た目に関するトピックをたくさん提供してくださった2018年でした。 派手(な方向がトンチンカン)でびっくりとか、場をわきまえてなくて非難されるとか、変なメッセージが背中にプリントされていて物議をかもすとか、色々ありましたが、今回のイラク訪問から帰国した際の姿は、そのどれにも当てはまらないけれど、ある意味全てが集約されていると

「うっかりメラニア夫人?」肩掛けジャケットスタイルで登場

本日月曜に行われた、大統領と矛盾していると言われている、メラニア夫人の「ネット攻撃防止訴え」スピーチ。 その内容などなどはいつもの如く置いておき、メラニア夫人のスピーチに今回も思うのは、こなれなさ、硬さ、不自然さ。 多分、もともと英語ネイティブでない人が喋るには難しい原稿が作られていて、それを喋らされているのでしょう。それに加え、彼女がいつも喋る、そしていつも書く文章とは大きくかけ離れていて、上滑りしてしまいメッセージが重ならないというのも、このぎこちなさの原因とも考えられ

訪英メラニア夫人、黄色いドレスの否めないディズニー感

訪英の米トランプ首相とメラニア夫人。 Blenheim Palaceで行われたメイ首相主催ディナーに到着時の映像を見て思ったことを備忘録として。 このディナー、当然のことながらドレスコードはブラック・タイ。 そのシーンにメラニア夫人が着用して登場したのが、黄色いガウン(フルレングスのクチュール・ドレス)。 この黄色いドレス、目に入った瞬間から、ディズニー映画『美女と野獣』のベルにしか見えず、拭おうにも拭えない。あの曲が頭の中をぐるぐる。 こちらが、トランプ大統領夫妻が

ファッショナブリー・レイトはパーティだけにして: トランプ大統領は犬よりも歩くのが下手?

すっかり時期を外してしまいましたが、先日のトランプ大統領夫妻訪英、エリザベス女王との初公式ミーティング、なのに遅刻・・・などなどを分析・考察したメモ書きを備忘録としてまとめました。 なんと今回、彼らは遅刻して女王を待たせてしまったのですから大変。女王がご自分の時計を見る仕草が映像でも撮られており、その部分がtwitterでも広められています。リンク上の一番上の映像がそれ。 どういう事情かは分かりませんし、誰か1人の責任でもない、でもセレモニーとしてのことだから、時間も設定

補足編: Ivankaピンクに見る、アメリカが思う日本の存在イメージ

2017. 11. 04記事 「Ivankaピンクに見る、アメリカが思う日本の存在イメージ」を踏まえて、色々質問をいただいたので、Ivankaピンク考察についての補足編。 「あのピンクは悪いの?」という質問をいただきました。 あの「ピンク」という色自体はオフィシャルな場でファーストレディをはじめIvankaのような立場の女性が着用するにあたり、根本的には問題はありません(ビジネスパーソンの女性は、職種と立場、目的によります)。ただ、どんな種類のピンクを”どのようなデザイン

右上り×紺」戦略か? 日米会見に見る「ビジュアル・パワーゲーム:JMCAウェブサイト  寄稿

*※本記事は『日本経営合理化協会 ウェブサイト』 2018年5月4日に掲載された日野江都子の連載コラムからの転載です。 先月4月17日に行われた日米首脳会談@米フロリダ州パームビーチ。 会談の内容はいつものごとく大手メディアにお任せするとして、国際舞台を背景にした際、リーダーのプレゼンスとして視覚的に気になることを切り取り解説いたします。 今回の会談・会見も多くの写真がメディアで公開されていますが、大きく取り上げられているのは、安倍首相・トランプ大統領共に示し合わせたかの