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『ゴールデンカムイ』のロシア語台詞が面白い

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作者と監修がつけた日本語とロシア語の台詞の差異から物語を掘り下げる。全16回。
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2023年9月の記事一覧

16)「食べ物」から見たゴールデンカムイ

番外編として食べ物を使った表現について書き留めておく。 単行本読了済みであることを前提に執筆している。 当シリーズを最初から読むなら以下のマガジントップから。 【読了まで 14分】 0. 大前提ゴールデンカムイは狩猟が軸にある。だからこの作品の価値観は「他者の命を取って自分が生き長らえること」を肯定している。 この世は喰うか喰われるかのサバイバルである。 生き延びるためには一人で何もかもやろうとするより群れた方が良い。 動物の群れは生存率を高めるための方法論の一つであり

15)選ばれた運命 と 選ばれなかった もう一つの運命【金カムロシア語】

最終回は第10回で予告していた「もう一つの…」という訳について。 このシリーズを最初から読むなら以下のマガジントップから。 【読了まで 14分】 ロシア語解説:単数形/複数形日本語には文法上、単数形と複数形の区別がない。 「猫を飼ってる」と言う時、日本語母語話者は「猫のいる生活か否か」という「ゼロ」か「ゼロでない」かだけに言及している。愛猫が何匹かは重要ではなく、単数の場合も複数の場合もある。またそれによって動詞の活用が変わることもない。 一方、ロシア語も英語と同じで単数

14)連載時と単行本のロシア語台詞の差異を読む【金カムロシア語】

今回は日露の台詞の差違ではなく、本誌と単行本のロシア語台詞同士の差異を読むよ。177話から長谷川さん夫妻の関係性。 過去編のロシア語台詞は単行本で修正が随分入った(そしてこの後、連載時にはロシア語台詞がつかず、単行本でつくようになった)。 筆者は完成品で示されたことのみでこねくり回したいタイプなので、修正前のことに着目するのは邪道なのだけど、それでもこの修正部分は興味深いので、あえて拾ってみたいと思う。 さぁ!ゴールデンカムイのロシア語台詞を楽しむシリーズだよ。 単行本読

13)カンマの打ち方を使った ロシア語の文法トリック【金カムロシア語】

298話のウイルクとソフィアの会話と、活動家3人が一枚岩だったかについて。 【読了まで 11分】 ゴールデンカムイのロシア語台詞を楽しむシリーズだよ。 単行本読了済みであることを前提に執筆しています。 作者と監修がつけた日本語とロシア語の台詞の差異から物語を掘り下げていきます。 ロシア語には縁が無いよって方にも楽しんでいただけるよう書いています。 ロシア語解説:革命家の在り方『大きな愛』と日本語で聞くと、穏やかで理性的で永続的なイメージが湧く。でもウイルクが言っているの