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静寂が音楽になった日

いつかの、公演🎸

ずっと生で聴いてみたかった、
五十嵐紅さんのギター1本だけのライブ。

その名も『ギターと静寂』

舞台上には、椅子はおろか譜面台も何一つなく。
ギター1本持ってスッと舞台袖から現れた五十嵐紅さん。

ホールに響き渡る第一声が、挨拶でも自己紹介でもなく、ギターの音色。
たまらんです…。

「ああ、そう、これ、この感じで聴きたくて今日参りました、私」って、心の中で1人ふんふん興奮していました。

衣擦れの音が際立ってしまうくらいピリッとした心地よい緊張感の中、五十嵐紅さんの奏でるギターの音だけが響くんだけどね…

マイクなしよ。
マイクなしのギターの生音を、直接耳奥までお届けしていただくスタイルよ。
贅沢すぎる…。

指の腹で弦を擦り上げる音まではっきり聞こえるし、
曲中(これ何の曲だったかな…)ってプログラムをうっすら開く僅かな音すら自分で気になるし、
公演の趣旨を理解しているお客さんみんなで、この空間を一緒に作り上げてるのも本当に凄すぎて。
皆さん私語なんて感覚、毛頭ないよね。

聴衆のいるライブで、ここまで澄み切った音楽は聴いたことがないかも。

演奏するハコによって音の出方が違うから、毎回リハーサルで音の出し方や響かせ方を微妙に調整してらっしゃるそうで。

演奏中、一音一音ギターから生まれてくる我が子の巣立ちを確認するように、本当に愛しそうに、音の行方を見届けながら演奏する姿が本当にステキでね…。

オーケストラなどをでっかいホールで聴く時なんかは、室内の壁や天井の凸凹による反響の仕方が変に気になってしまう時があるんだけど、五十嵐さんの「音を目で追う」という感覚がものすごく理解できて、1人でちょっと感動していました。
※決して「音楽がわかる」という類のものではなく、ただアホみたいに敏感なだけです

1曲目が終わると、適宜曲間で必要最低限の曲の背景を解説してくださって。
私、クラシックは全然詳しくないので、クラシック音楽の歴史なんかのお話も引き込まれるくらい本当に面白くてね。

そして1番聴きたかった「ムーンリバー」。
昔自分でも大好きでポロンポロン弾いてた「ムーンリバー」。
五十嵐さんのムーンリバーの第一音からびっくりするくらい涙が…😭
ゆっくり息しないと声出そうになるくらい。
いやー…本当繊細で切なくて美しい曲よなぁ…。

ビートルズの「yesterday」、バッハの「G線上のアリア」や「主よ、人の望みの喜びよ」、タレガの「涙」、禁じられた遊びやニューシネマパラダイス…

その他いくつかの“五十嵐紅”たる選曲が進み、最後のアンコールだけお土産に持って帰ってくださいと、撮影許可をいただいたのが「Over the rainbow」。
宝物です。

終演後、お疲れであろう五十嵐さん自らロビーでお見送りをしてくださり、「ムーンリバーで涙が出てきました。大好きな曲なんです。ありがとうございました」と、直接お伝えすることができたのも本当にうれしかった。
五十嵐さんもうれしそうだったのが、またさらにうれしかったな。

五十嵐さんのお仲間のヴァイオリニストさんとチェリストさんで構成される「五十嵐トリオ」も、いつか生で拝聴したい!!

五十嵐トリオならではのジブリ音楽縛りなんかも今後してくださるそうで、要チェックです。


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