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疾駆

黒い馬の群れがわたしの影を乗せて駆けてゆく並走するように飛ぶ烏は淡く燐光し光は雪となって烏の尾となり最後には消えていく、どこに向かっているのかはわからないだがわたしは彼らに護られていて導かれている、導かれているのがわかる、仄暗い空にひかる星の名の神話を烏は歌った、狼たちの遠吠え、猛禽類の高い声、遠い海鳥の羽ばたき、

「ここに飼い慣らされた者などいない」

疾駆する者たちよある者たちによって最果てが死と呼ばれていてもあなたたちの鼓動は絶えない。