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この世で最も過大評価されているものを発表……

 私が思うに、『食事』という行為はこの世において、あまりにも過大評価されすぎている。
 もちろん、『食事』は大事だ。動物として食べなければ生きていけないし、美味しい物を食べて幸せという感情も分かる。別にディストピア飯を推奨している訳でも、エセ合理主義者のように「食事なんてただの栄養補給」などと言いたいわけでもない。ただ、少しだけ評価が高すぎるのでは、と思っているだけだ。
 いや、正確に言えば、私は『食事』を下げたい訳ではない。むしろ、『睡眠』の立ち位置をもう少し向上させたいのだ。
 だって、酷いじゃないですか。三大欲求とか言って、『食欲・性欲・睡眠欲』とか一緒くたに並べられる割には世間からの扱いが。
 食欲と性欲は、それそのものが趣味というかライフワークとしても成立するのに対し、睡眠が趣味とか言うと怠け者のカスという烙印を押されてしまう。それにグルメ漫画もエロ漫画も沢山あるのに、睡眠漫画はあんまりない。私が知っている限りでは「魔王城でおやすみ」ぐらいだ。
 まあ確かに、食欲や性欲が享楽という積極的な属性のものであるのにたいし、睡眠は休息という受動的な属性であるという側面はあるとは思う。
 だが、実際のところどうだろうか。美味しいを食べた時の幸せとよく眠れた時の幸せを比較して。少なくとも私は、よく眠れる方がずっと嬉しいが。なぜなら、食事の喜びはすぐ忘れてしまうから。食べた時は多分幸せだったんだろうけど、北海道で食べた海鮮丼(2200円)の味だって二時間で彼方にいってしまうくらいだ。
 世間の皆さんはよく眠れる方々なのだろうか。もしそうなら羨ましい限りだ。私はもう数年、気持ちいい朝というものを迎えられていない。目覚めると感じるのはいつも不快感だけ。体力回復のために寝たはずなのに、ステータスがダウンしているような気がしてならないのだ。私のROMだけバグっているのだろうか?
 ああ、今日も変な寝方をしてしまった。三つ折りで重ねたマットレスの上、対角線を取るように横たわっていたせいで身体が痛い。……ってこう書くと、私のやり方が悪いように見えますけど、違うんです。好きな飲み物は珈琲ですけど、それでも違うんです。信じてください。
 今度、初めて精神科に行くので、医者に聞かれた時もそう答えようと思う。

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