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地上1.8mのファミマテープ🚭

 カメラロールを見返していたら、こんな画像が見つかった。先週訪れたとあるビルのエレベーター内の画像だ。「禁煙」を示す赤いパネルに「Family Mart」のレジテープがくっついている。上から垂れ下がっているのは扇風機の紐であり実際何の変哲もない。誤字があったりとか、ウケ狙いの一言が書き添えられているとか、そういうプラス要素はなにもない。
 だというのに、なぜ私はこんなどうでもいい物の写真など取ったのだろうか。わざわざ記録に残したということは、当時の私はこれに何かしらの面白味を感じていたはずなのだが……
 埋まってしまった感情を掘り返してみる。たしか自分はファミマのレジテープに強く注目していたような気がする。「何でこんなところに?」そんなことを考えたのだろう。きっとファミマで買い物をした誰かが、邪魔になったテープを貼り付けただけだとは思うが、改めて考えてみるとそれもそれで不思議なことではある。 
 ゴミを公共スペースに捨てるのはそもそも倫理的に良くないが、どうせ非倫理を働くなら普通に床にでも投げ捨てれば良い。絶妙に高い位置にある上、操作盤とは反対方向の壁にあるこんな場所にわざわざ綺麗に貼り付けるのは合理的とは言い難いだろう。
 いったい誰が、何のためにこんなことをしたのでしょうか。ちょっとした非倫理的ユーモアのなせる業か、若者集団のちょっとした悪ふざけ的ノリか、はたまた拘りの強い迷惑野郎の仕業か……
 どうでもいい話な上、オチもなくて恐縮ですが、こういう動機のミッシングリンクを見つけるとついつい興奮しちゃうたちなんですよね。そこに強く人間の存在を感じ取れるから。


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