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境界と演出【日記:2023/7/22】

先日、多摩川沿いを歩いていたらこんな看板が頭上にあった。

いつの間にか県境に差し掛かっていたらしい。
検問も何もないので気づかなかった。
写真をパシャリと一枚だけ撮って、感慨もなく通り過ぎる。
境を徒歩で超えたのは生きていて初めてな気がするが、現実はトロフィーを表示してくれたりしないので、いまいち実感が湧かない。

振り返ると、反対側には『東京都 大田区』の文字。
もちろん、戻ってみたところで何も起きない。

実務的に考えれば、これぐらいお手軽なのが良いのだとは思うけれど、個人的にはもっと趣向を凝らして欲しいな、なんて考えてしまう。
飛行機や船、新幹線で遠方に向かった時のような、「違う土地に着いたぜ!」感みたいなものがあると嬉しいから。
さすがに検問とかフェンスを作れ、とは言わないけど、立て札一枚だけでは味気ない。

例えば、神社の鳥居みたいに「県境と言えば!」的物体があれば結構印象は変わって来るような気がする。
境界とは目には見えない概念的なものだからこそ、そういう演出には気を配って欲しいと思ったり……
まあ現実、行政がそこに予算を割いていたら色々と怒られるでしょうけど。

でも、ずっとは無理でもイベントとか旅行ツアーの間だけやる、っていうのはできそうだな。
バスで県境超えるとき、車内BGMがフェードイン-アウトしたら興奮しちゃうよ。

あるいは、ポケモン金銀のこのオジサンみたいな人を置くってのもありですね。通行人全員に一々やりに行く光景は、凄くシュールですが……

思えば私、こういう話ばっかりしているな。
都内って電車移動がメインになるし、街ごとに個性が際立っているから、散歩をしていて街を跨ぐと変な感じがするのかもしれない。
田舎と違って、都市は全部自転車のBGMで駆け抜ける場所ではないはずだから。
デバッカーとしては、もう少し演出を煮詰めることを提言したいと思う。



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