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最近読んだ本紹介【2024/04】

①東京の創発的アーバニズム

 最近、街がどうやって出来るのかということに興味を持っている。当たり前だが、どんな街も最初は完全な無だった。それが、新宿や秋葉原のような大都会になるなんて冷静に考えると凄すぎるから。普段は当たり前過ぎて意識もしないですけどね。
 こういう本を読んでみると、街にも色々な区画が設定されていて、その規制内容応じて街が設計されていることが分かる。住宅地の真ん中に店舗兼住宅のセブンやパン屋、銭湯はあるけれど、大型スーパーは存在しないのはこういう原理なのだ。
 近頃は『Cities:Skylines』などの街づくりゲームの動画を見るのにも嵌っている。シムシティなども通ってこなかった人生なので少し新鮮だ。
 もし私が自由に街づくり出来るようになったら、まずはその街のBGMを設定するところから始めたい。ニューレトロな感じがいいなぁ……。

②終電ちゃん

 終電の擬人化キャラと、その周りの乗客や駅員などにスポットを当てた人情系の短編。絵柄も相まって、なんというか独特な雰囲気がある作品です。
 ……終電、最近はあまり乗らなくなりましたが社会人間の頃はちょこちょこ乗っていましたね。まあ、丸ノ内線のさほど混んでいない区間だったので、終電と言えど平和な物でしたが、新宿とかの混んだ路線だとそれなりに地獄絵図なんでしょうね。
 酔いつぶれて席に横たわるサラリーマン、車内に放置されるゴミ、謎に揺れた床、Twitterに愚痴を書き込んでいる若者。灰色の街の狂騒曲。
 作中で終電ちゃんも言っていましたが、終電なんて乗らない方がいいんですけどね。どうして人は終電に乗ってしまうのか、10時までそれなりに混んでいるのに、11時になると電車がスカスカになるのか。
 走り始めた暴走列車は誰かが止めねば止まらない。そう考えると、強制的に終わりをもたらしてくれる終電は優しい物なのかもしれませんね。

③ほうかごがかり

 学校の怪談をベースにし、6人の少年少女が怪談を通して自分自身と向き合うというホラー系のライトノベル。普段はあまり読まないジャンルです。
 なぜなら、私は人間の物語が読みたいのであって、怪物の物語が読みたいわけではないから。ホラーにおける人間とは怖がり役の舞台装置であり、物語られ成長する様な存在ではないことが多いでしょう。それゆえ、ホラーの物語はどことなくどうでいいと思ってしまうことが多くて敬遠していたのですが、そんな私にも読みやすかったですねこの作品は。
 特徴となるのは、前述の通り「怪談を通して自分自身と向き合う」という要素。「心の闇」「歪んだ人間性」そういうのって、オタクは大好きだからさ……

④変人のサラダボウル

 アニメ放送中なので久しぶりに原作も読み返してみた。う~ん好き。
 私のようなオタクには皆、突然10~12歳ぐらいのちょっと生意気なロリと互いに助け合いながら相棒的な共同生活をしたいな、という願望があるんですよね。
 決して恋愛ではないし、だからといって一方的な保護者の関係でもない。大人と子供が純粋に力と心を交換し合う関係がなんとも美しいのです。
 父性、あるいは教師願望のようなものでしょうか。現実の私には、誰かを教え導く資格などあるはずもないですが、時たまこのぐらいの年代の娘が急にできないかな、と思うことがあります。

⑤街路樹を楽しむ15の謎

 あまり名前には詳しくないが、街路樹は結構好きだ。自然を愛するなんて雅な感性を持っているわけではないけれど、なんとなく通りにイメージが付く気がして良い。
 紅葉するモミジや黄葉するイチョウ、春を彩るサクラなんかが代表的ではあるけれど、シンプルに強い緑のケヤキなんかも悪くはない。
 最近、散歩をするときはついつい見かけた樹がなんであるか調べるようになった。小説執筆のため調べたのがきっかけだっけど、世界の解像度が広がったようで楽しい。アニメでも背景美術を楽しめるようになると、楽しみが倍増するのと一緒ですね。


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