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本編でもっとモヤモヤを解消してほしかった『ゼノブレイド3』感想

ゼノブレイド3クリア…と言っていいのだろうか。ひとまず本編ストーリーはクリアできました。といってもボリュームが大きすぎて全体の半分も回収できてない感があるので果たして感想を言っていいモノなのだろうか…。それでもひとまずは自分の感情に決着を付けたいので、ここに書き残したい。

  • ゼノブレイド1~2は未プレイ。なんならゼノシリーズほぼ初。

  • プレイ時間は63時間

  • いくつかのヒーロークエストや覚醒クエスト、サブクエストは未クリア

キャラにフォーカスがあたるストーリーは面白い。けどメインストーリーには疑問符が残る

人々が10年しか生きられない世界。その短い命を奪い合わないといけない二つの国家の戦い。そんな歪んだ世界の中で人々が悩み、友情を育み、己の信念を貫く人々の営みは非常に見ごたえがありました。

結果的にナミを殺したタイオンに対して秘めていた感情を爆発させるイスルギ、ゴンドウに対する劣等感や親の重圧で歪んでいったシャナイア、一番の友人が実は執政官だったマシロ。個人にフォーカスされたヒーロークエストなどのサブクエスト群は、ゼノブレイド3の酷い世界の中だからこそ「今を生きる」「命をどう使うか」「他者へ想いを託す」をより濃く描けていると思います。

いきなり違う番組始まったと思うくらい声優さんの演技がノッていたマシロのヒーロークエスト。

逆に、メインストーリーの進行が、後半になるにつれて、どうにも無理があるものが多い。ゴンドウを助けるため収容所に潜入する流れ自体はいいとして、潜入した後の行動があまりに自由すぎるし、いくら装置がついてるとはいえバレるでしょ…と無理な展開が多い。そもそもノアたちはウロボロスとして全国指名手配中で、他コロニーとのイベント時には「あんたたちが女王に楯突く裏切り者ね?」とシーンが入るくらいなのに、アグヌスキャッスルのお膝元で顔がバレてないことなんてあるのか…?

捕まってミオが見せしめに成人の儀を執り行う展開も、屈指の心揺さぶられる名シーンとなった。しかしあれはエヌが余興として思いつかなければ成立しなかった展開だと気づくと、感動が半減してしまう。それが物語といえばそうなのかもしれないけど、もう少し自然な流れを保ってほしかった。

ノアの持つブレイド「魔剣ラッキーセブン」も、「終の剣」というすごく意味ありげな存在であるのが示唆されるも、それについてあまり触れられることもない。ラスボス戦で色々判明して最後はカッコよく世界を断ち斬る展開どころか終の剣じたいラスボス戦に絡んでこなかった。更にはエンディングで、ノアはブレイドを海に捨てる。すごい意味ありげなアイテムが、意味ありげに捨てられて「結局なんだったんだ…?」と呆然とする他ない。おそらくはエキスパンションパスのための布石なのだろうけど、これは本編でやった方が良くないか…?

その他にも「なぜウロボロスは2対の人間でなるのか」「オリジンって結局なんだったの」「2つの世界がまた離れたけど、その場合シティーの面々はどうなるの?彼らは希望って言われてなかったっけ?」「黒い霧ってなんだったの」など、重要な設定や意味深な演出に対するアンサーが本編で語られず、すごくモヤっとする。ゼノシリーズは考察も一つの楽しみなのは理解しているけど、本編で語らなすぎるのも…。

寄り道推奨であるけど…

寄り道することで、世界を体感し、出会う人々との交流で世界がさらに広がっていく。それがこのゲームの想定された醍醐味なのだろう。しかし主要キャラのミオの寿命がわずか3か月であり、それをなんとかするためにシティーへ向かうのが旅の目的なのだが、この設定が意外と自分の中で足を引っ張っている。

「あと3か月で間に合うのか」「どうやって解決するのか」が気になってメインストーリーを進めたくなるストーリー展開のなか、自由に寄り道してくださいと言われても、やる勇気はしょうじき自分にはなかった。ゲームだしシステムとして時間制限が無いのは分かってるけど、そういうロールプレイは自分には出来なかった。

ミオの精神がエムの身体に移ったことで、ミオの寿命問題が解決して時間の縛りは解ける。気持ち的にも余裕は生まれたのだけど、その際のイザコザで女王は偽物なのが判明し、アグヌスキャッスルの火時計が破壊され、ケヴェス対アグヌスの構図は瓦解する。そこで後回しにしていたサブクエストをやるとケヴェス対アグヌスがまだ戦ってたりするのでどうしても違和感が出る。これは自分が悪いんだけど。

自由な寄り道を推奨するなら、このあたりの設定をマイルドにするかして欲しかったけど、そうなると数々の名シーンに説得力が生まれなくなるので、設定考えるって難しい…。

チェインアタックのカッコよさと演出の長さ

パーティ全員で総攻撃を仕掛けるチェインアタック。開始時に全員の瞳がギラリと光る演出は、それはもうカッコよさの極み。専用のBGMもカッコよく、めちゃくちゃ盛り上がる。シナリオが進むとウロボロスチェインが追加されて、演出も敵に与えるダメージも増大し、まさに必殺の連携攻撃。仕様さえ理解すれば大ダメージが出せるし、オーバーキルすることで手に入る経験値が増える点も面白いシステムだと思います。

しかし、戦闘において非常に重要なダメージソースであるがゆえに、チェインアタックの演出の長さと必要数がかなり気になった。

それぞれのキャラの攻撃モーションもしっかりしているため一回が長く、それを繋ぎ合わると、3~4分は演出にかかる。ボスともなるとチェインアタックを2~3回は繰り返さないと倒せない体力なので演出は何度も見ることになる。ゲームボリュームも多く、ボス戦の機会も多いので、戦えば戦うほど、演出の長さが気になってくる。

音楽もカッコいいのだが、聴く回数が圧倒的に多いので、ゼノブレイド3の音楽の印象がほとんどチェインアタック。いろいろな音楽が流れていたような気がするのだけど、頭に浮かぶのはチェインアタック。良い曲でも、聴く機会が多いのも考えものだ。

ラスボス戦が盛り上がらない

これだけは言わせてほしい。ラスボス戦がぜんぜん盛り上がらなかった。

ほぼ棒立ちのゼットを何回も叩いた後、最終的には生首になったゼットを1回1回がボス並みの体力のものを真面目に2~3回体力を削る。途中パーティーが分断されたりヒーローが助けにきてくれたりアツい展開はある。だが結局は生首への棒叩きで、変化が無さすぎる。せめてイベント演出に移るのに削るべきHPを減らしてほしかった。


戦闘システムやキャラの良さが、メインストーリーに感じる伏線や設定等のモヤモヤと拮抗している作品、という感想。このモヤモヤはエキスパンションパスでストーリーが追加されることを前提としてるのか微妙なところがまたモヤモヤする。

ともかく、望むのは本編で解消されなかった部分をしっかり回収してくれるストーリーの追加。エキスパンションパスの予定表では来年の12月に「まったく新たなオリジナルストーリー」が追加される予定なので、それまで気長に待とうと思います。































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