ServDes. 2018 レポート1〜サービスデザインの求道者たちがミラノに集合!〜
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ServDes. 2018 レポート1〜サービスデザインの求道者たちがミラノに集合!〜

こんにちは。玉田です。

6月18日〜20日の3日間、イタリアのミラノで開催されたServDes. 2018というカンファレンスに行ってきました。今日は、その報告の第1弾として、下記の3点を中心に概要をお伝えしたいと思います。

*ServDes. ってどんなカンファレンスなの?
*どんな人たちが参加してるの?
*どんなことが行われたの?

<ServDes.とは?>

ServDes.は、「サービスデザインとサービスイノベーションに関するカンファレンス(Service Design and Innovation Conference)」です。元々は、Nordic Service Design and Service Innovation Conference としてスタートしました。初回は、2009年。ノルウェーのオスロで開催されました。2回目以降の開催地とメインテーマは、オフィシャルサイトでご確認ください。3回目から2年毎の開催となり、2014年には、北欧を飛び出し、イギリスのランカスターで開催されました。今年のミラノで6回目を迎えた、比較的新しいカンファレンスです。

今年のテーマは、
PROOF OF CONCEPT
(コンセプトの証明)

“Service Design is no longer an emergent discipline, but it hasn’t reached maturity yet. So, how can we proof the concept of Service Design? This is how this year’s title of conference comes from.” 

(by Anna Meroni, Grand Opening of ServDes 2018 @ Triennale di Milano, 18/06/2018)

写真に写っているベリーショートヘアの女性が Dr. Anna Meroni。Politecnico di MilanoのAssosiate Professor です。

サービスデザインが一体、いつ生まれたのかに関しては、どのような見方をするかによって様々な見解があるだろうと思いますが、「サービスデザイン」という表現を ”Service Design" として明確に定義して使い、論じた最初の博士論文が提出された年を便宜上の起点と考えるなら、それは、1998年。ミラノのPolitecnico de Milan においてのこと。

それから20年。

私たちは、サービスデザインのコンセプト(やその存在意義)をどのように証明することができるだろうか?次のステージに進むため、節目の年に自らへ問う。それが今年のテーマでした。

メイン会場は、Politecnico di Milano(日本語ではミラノ工科大学と訳されているようです)。そうです。サービスデザインに関する最初の博士論文が誕生した場所です。こんな感じでした。学校の外観は撮り忘れました…。

<どんな人たちが参加してるの?>


日本の人には、サービスデザイン関連のカンファレンスというと、Service Design Network(SDN) が開催するグローバルカンファレンスの方が、知名度があるかもしれませんね。ナショナルチャプターとして、ジャパンチャプターもありますし、日本人の参加者数もSDNの方がServDes.より圧倒的に多いです。SDNとServDes.を単純に比較すると、

SDN:Practice (実務)色が強め。
ServDes.:Academia(学術研究)色が強め。

参加者の内訳もほぼほぼこの棲み分けに準じています。ServDes. に参加する大学などの研究機関以外の方々は、Practiceとは言っても、研究開発に携わる部署に所属する方々が多い印象です。とは言え、「サービスデザイン」という領域そのものの拡大と、本来持っている多様性(versatility, multi-disciplinary, cross- disciplinary)を反映して、回を追う毎に、様々なバックグラウンドを持った人たちが、様々な興味と関心に基づいて参加してくるようなっています。

(実は、SDNとServDes.には、Practice とAcademiaという単純な分類だけでなく、サービスデザインのディスカッションをリードしてきた2つの高等教育機関の間の静かな対立という背景があったりもするようですが、これは、ちょっとゴシップ的な要素もあるので、ここでは、多くを語ることは、控えておきますね。)

<どんなことが行われたの?>


DAY1(6月18日)

AM:
・カンファレンスの委員たちのミーティング
・プレワークショップ(Gamification for Service Design and Innovation)
(カンファレンスの開会に先駆けてワークショップが開催されました)

PM: 
・事前申し込み済みの参加者の出席登録受付
・博士号保持者&博士号取得候補生対象の特別セミナー @Apprtamento, Lago
DESIS(Design for Social Innovation and Sustainability)の集会

*上記の3つが同時並行で別会場で行われました。

私は博士号保持者&博士号取得候補生対象の特別セミナーに参加してきました。 会場がとても素敵だったので、ご紹介します。こんな感じ。↓

スペースのコンセプトは、こんな感じ↓

A dynamic, open home in the centre of milan. This is a project that redefines and reinvents the spaces reserved for contact between the company, customer and the product. The LAGO Appartmento project experiments with living conditions and culture:a real apartment - really lived-in and furnished entirely with LAGO products - in which the owner, passionate about design, commits to periodically open the doors to the world, organizing and hosting cultural events of various kind. 

やや意訳が入っていますが、参考になればと思い、日本語にしてみました。↓

ミラノの中心部にあるダイナミックで開放的なホーム。これは、企業とカスタマーとプロダクトの間に生じるコンタクト(出会いと交流)の為に用意されたスペースを再定義し、刷新するプロジェクト。The LAGO Appartmento プロジェクトは、住環境と文化に関する試み。リアルなアパートメント。本当に人が住んでいる。LAGOのオーナーは、デザインについての情熱を持ち、定期的にそのドアを世界に向けて開くことに熱心で、様々な種類の文化系イベントをオーガナイズし、主催する人。そんなLAGOのプロダクトによってThe LAGO Appartmento の全てが装飾されている。

(From the booklet of PhD Special Seminar, ServDes. 2018) 

スペースとサービスデザインの関係性、そこに集う人々の感情的な繋がり、ダイナミクスなどをリサーチのメインテーマにしている私にとって、興味深いコンセプトでした。普通の会議室などではなく、こういった場所を用意してくれる運営者のセンスに心が躍りました。

17:30- 18:30

グランドオープニング @ Triennale di Milano 

開会のご挨拶と明日からのカンファレンスについてのお話(各トラックセッションのの内容説明やトラックセッション毎の運営責任者の紹介など)

18:30-20:30

Standing Dinner @ グランドオープニングと同会場の屋外庭園

夏のヨーロッパの夜は長い。夜の21時過ぎても明るい。お天気も良く、振舞われたシャンパンやご飯も美味しかったです。久々に再会した各国の友人や先生たち、初めてお会いした日本からの参加者の方々、博士号保持者&博士号取得候補生対象の特別セミナーで知り合った仲間たちと楽しい夜を過ごしました。

DAY2(6月19日)& DAY3 (6月20日)

2日目と3日目でタイムテーブルに多少の違いはありますが、基本的には、朝の8時から受付が始まり、途中でコーヒーブレイクやランチタイムを挟みながら、19時頃までトラックセッション、ワークショップ、トークなどが行われました。

<Track Session>

全部で8トラック。詳細は、各トラックによって多少異なる部分もあったようですが、基本的には1トラックの発表者は6名。プレゼンテーション、質疑応答、チェアを中心としたディスカッションが行われました。アクセプトされたペーパーの数やオーガナイズの仕方によって、2日目のみのトラック、3日目のみのトラック、両日に跨るトラックがありました。

Track 1: Learning and Practicing
Track 2: Sharing and Collaborating
Track 3: Measuring and Evaluating
Track 4: Governing and Evidencing
Track 5: Producing and Distributing
Track 6: Experiencing and Shaping
Track 7: Communicating and Relationship Building
Track 8: Envisioning and Evolving

<WORKSHOP>

ワークショップも8つ。1日に4つの開催。

• From A to BE, Design the Mobility of the Future
• Between Sertvitude and Collaboration, A Service Design Choice?
• Data Challenges and Opportunities in Designing for Service
• Humanizing Organizations – the Pathway to Growth
• The Latest Words on Service Design: Talking about Books
• How Service Design can Drive the Digital Transformation of the Retail Revolution
• Digital Transformation through Community and Relationship Building
• Service Design for Autonomous Driving

トラックセッションも、ワークショップも自身の興味と関心に従って、好きなものを選択して参加します。

私のチョイスは…

DAY2:Track 6, Track3, Between Sertvitude and Collaboration, A Service Design Choice?

DAY3:Track 5, Track6

3日目のランチタイム以降は、特定のトラックやワークショップには参加せず、自分のリサーチに関しての個人的なアドバイスをもらったり、参加したトラックでの発言に関してもう少し深く話を聞いてみたいと感じた人を捕まえて交流を深めたり、久々に会った仲間たちと近況を報告し合うなどの時間に充てました。

トラックやワークショップは、スケジュールの関係上、参加したくてもできなかったものもあります。例年の流れだと、カンファレンス終了後、少しすると、オフィシャルサイトにフルペーパーが掲載されますので、聞き逃してしまったものや、より深く知りたいものに関しては、それを参考にしようと思っています。

2日目の夜には、 Sprit de Milan という工場をリノベーションしたレストランでディナーがありました。これは、事前に参加希望の有無を聞かれていたもの。ミラノに詳しいスパニッシュの友人曰く、Sprit de Milanは、とても「ホットでイケてる」レストランとのこと。なんと、カンファレンスに参加はしていないものの、サービスデザイン周辺の最新事情に触れ、キーパーソンと繋がり、脳みその刺激になるような会話を求めて、このディナーだけに参加した人もいたんだとか。

私は無念の不参加。諸事情により1週間で3カ国を移動し、時差ボケと、気候の違いへの適応と、久々に脳みそをフル回転させたことのトリプルパンチをくらい、完全に疲労困憊。カンファレンス後には、「スられず、ボラれず、騙されず」を肝に命じながら、ホテルに辿り着く気力しか残っていませんでした。

そして、ミラノ、暑かったんです。30℃くらい。いや、気温的には、日本人の私にとっては、十分に適応範囲内。しかし、会場の冷房設備が整ってなかったので、辛かった…。

そんな灼熱の3日間。たくさんのインプットがありました。また、自分自身のリサーチに対するモチベーションとエナジーの復活など精神面から考えてもとても有意義な時間でした。次回以降の記事では、内容をもう少し掘り下げたり、私自身が印象に残ったテーマやディスカッションなどについてお伝えしたいと思います。

今日は、ここまで。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

Written by M.Tamada


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共創型サービスデザイン会社 グラグリッドのnoteです。 サービスデザイン、創造的可視化ファシリテーション、日々の活動、に関するマガジンを発信中! 今ないつながりを創り出す、考え方、生み出し方を日々トライしています。