奨学金問題と思考法

奨学金の返還が苦しいので返還をゼロにしてほしい、みたいな意見が出ているとか出ていないとか、そして、返還が必要だったとは知らなかった。苦しい返せない。という意見が世の中にあると聞く。
各種視点から各種意見が出ているが、いくつかの考え方を提供したい。

まずは「奨学金無償は可能か」という点
可能かどうかなら可能であると考える。
ただし、その分の費用は当然「誰かが支払う」必要があるため、実質的にはそれ以外の人が支払う。すなわち税金の投入であり、そのために税率を上げるしかない。

それから、すでに借りた奨学金を払いたくない。なるほど、人間自分の支払いが減れば楽になる。ごもっともな意見でもあろう。
しかし、そのほかでも述べられていたように、「その支払うお金」が今奨学金を受ける人の原資になっているのである。であれば、無理な話であろう。あるいは、借金としてはゼロであるが、奨学金税金として、強制徴収にするしかなくなるという話でもある。(なんと恐ろしいことに、税金は破産をしても支払いを逃げられないのだ)

最後に、それでもなお奨学金は貸与でなく支給されるべきである、というのであれば「今後奨学金を受ける人は」という制度として無償化は可能であろう。ただし、その財源は誰が出すのかと言われれば、結局その当事者以外となる。つまり、税金の投入だ。生活が苦しく奨学金を返している人はさらにベットの奨学金税金を支払いたい、ということであろう。かっこいい。

さらに、ここから人間の習性でもあるのだが「ただ」のものはどう扱ってもいい価値のないもの。として消費するという性質がある。
もちろんすべての人ではない、それでも多くの人はそうなってしまう。

さらに、受益者負担の原則もあるため、結果として「奨学金は貸与型」というシステムが落ちくのであろう。
もちろん、それ以外の「支給型奨学金」については新聞や都道府県・企業など様々なものが現在はある。そう、あるのだ。20年前は新聞以外にはごく少数しかなく、学部学科に1人レベルというほぼなかったものがこの20年でかなり拡充されているということをちゃんと踏まえたうえで考えなければいけない。

そして、高等教育というものが必要であるのは私も首を縦に振るところである。そのための教育に必要な資金援助として支給型奨学金にしていこう、という話と「すでに支払われた奨学金をチャラにする」というのは別の話である。

なお、私は奨学金としてざっと1000万ほど借りた人間である。自分にとっては返還がいまさら帳消しになる方が「楽」ではあるが、その「楽」さは結果として周り全てに負荷をかける考え方である。
10兆ぐらいあって1兆ほど各種株に分散投資をし、2%のその年間配当である200億から、税引き後毎年5億だけ支援する、なんてできるのであれば奨学金を作って支援してもいいかもしれないが、残念ながらそんな種銭がないのである。

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