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在宅勤務延長記念「職場オンライン飲み」の振り返り

5月31日まで全社在宅勤務・自宅待機となることが決まった。

東京都は感染者数はかなり抑え込んでいるものの、神奈川県でもクラスター感染が起きるなど、首都圏全体でみるとまだコロナは制圧しきれていない。

さらに、今後も、会社としては、緊急事態宣言収束後も、可能な社員は在宅勤務を推奨するという発表がされたという。

そんなことが決まる前から、職場の女性4人グループでのオンライン飲み会第2回はこの金曜に行うことが先週決まっていて、18:30から参加した。

20代・30代・50代が集まり、ほぼ職場と同じノリで雑談をする。そして、聞き耳立てる関係ない輩もいないから、職場では話せない個人的な話などして大いに盛り上がる。

その合間に、ちょこっとだけ業務連絡とか、プロジェクトの協力体制の話をして、程よい距離感のチームワークを保っている。

そもそも、わたしと、わたしの同年齢のKさんは、正社員ではなく、編集業務のスペシャリストとしてこの部署に籍を置いている。わたしに至っては、もともと夫と業を営む自営業者で、会社にとっては、「業務委託」という、旅人みたいなメンバーだから、若い女性社員メンバーの上司でもないし、単なる人生の先輩として、あーでもないこーでもないと、勝手なことを言って、ゆるーい信頼関係をつくっているという感じ。

「もう職場に行かなくてもいいかも…」

こうなると、リアルな仕事の場がなくてもいいのかという話になる。実際問題そういうわけでもないのだが、そんな空気もだんだんできてくる。わたしたちは、一般書籍ではなく、企業が必要とするPR誌や企業本などオリジナルの紙媒体を作っていて、書籍の色校正などは、PDFで済まされず、宅急便で実物を送ってもらってチェックしている。しかし、納品時の検品は部長が一人で行っている状況だ。リアルな業務は必ずある。

それにしても、できた本を配送するにしても、お客様である会社に人がいないのでは、紙のブツを届ける意味がない。これからビジネスはどうなっていくのか。すべてはWeb化されていくのだろうか。。。。

そんな深刻な話は、ここで議論しても隔靴掻痒なので出さず、とりあえず私たちの共通の上司であるKさんは変な人だとか、「そもそも編集者の男はどうしようもない奴が多いんだって!」とか、言ってみるのである。

一番年下のS子さんは、少し物事に距離を置きながら観察をするタイプなので「もうずっと在宅勤務でもいい」と言い出した。

いや、リアルなほうがいいよ! とは、断言しづらい社会状況。確かに感染は怖いし、在宅仕事は、他者との対立から生じる緊張があまり生まれず、心地よさがある。これまでの組織の在り方とは異なるから、コミュニケーションとマネジメントのスタイルも大きく違う。そして、自分の心や姿勢は、オンライン映像や文字から働きかけるコンテンツを得て、内省的な働きによって育てるしかなくなってしまう。自律的な自己学習能力がないと、成長は難しい。

しかし、S子さんは男性陣よりもITスキルはあり、オンライン会議なんかは手際よく手配する。土俵が変われば、スキルの順列は、微妙に変わっていく。

ほかの仕事はどうかというと、取材なんかは、オンラインである程度はできるのだけど、人が与える影響というのは、案外大きくて、人が実際側にいて感じるものが、人の能力や考え方、そしてコンテンツを育てているのだ。そういう機会が得られないのは、やはり、食い足りなさが残る。

だいたい、新しい恋愛とか、若いみんなはできているのだろうか。生々しくなく、淡く心地よい水のごとき交わりが増えていくのだろうか。あらかじめ近しい人がいるなら、目移りもせず、二人の世界にこもっていくからいいのかもしれないが。

世界を広げるためのリアルな場とサイバースペースのちがい

30代のMさんは、早く取材に行きたいし温泉にも行きたいとうずうずしているようで、S子さんと5歳しか違わないのに、世界の受け止め方は違う。世代論だけではくくれないのだが。

「接触を減らすため、交代で出社かもしれないね」と心配していた。たしかに、今レストランやカフェでやっているみたいに、ソーシャルディスタンスのため、座席の椅子に1つおきに✖印を書いた紙を貼らなくてはならないかもしれない。

レギュラー社員でもないわたしが職場を恋しがるのは不思議な話なのだが、何が不足しているのか、オンライン飲みがお開きになった今考えてみると。

予期せぬ出来事が起きないのが寂しいのかもしれない。人は自分と違う。だから、他人と親しく触れ合ううちに、意外な出来事や、考え方に触れることもできるし、自分の直面すること以外にも、人のすばらしさを称賛したくなるようなこと、逆にものすごく困難で峻嶮な山みたいな試練にも遭遇する。それが面白いし、共感することや人を助けることで自分の世界がちょっとずつ広がっていく。

わたしがばかな冗談を言う横で「何いってんの!」と肩をたたくKさんがいないのはやはり寂しい、かも。

ただし、オンラインで、それができないといって嘆くのは短絡的な話で、緊密なコミュニケーションにチャレンジしてみるのもいい。オンラインはリアルを補完する機能とは思うのだが、それは単なるリアル世界重視の回顧幻想で、もはやサイバースペースが、仕事の実体をなし、ビジネスを確立する主戦場になっていくのだろう。

次のオンライン飲みでは、どんな心境になっているのか。このnote日記でも時間経過にともなう、ちょっとした変化をとどめておきたい。


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