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#50 トレーニング日記。下の年代とのプチテストマッチ。トップとグラスルーツでの指導の違い。

こんばんは。お疲れ様です。
現在フライブルクはカーニバル期で1週間お休み。毎度思うのですが、ちょくちょくしっかりとした休みの期間があり、リフレッシュする時間がたくさんあるなぁと感じます。そんな中でのトレーニングなので今日はU12/13は6人のみ。U18/19も9人と少ない練習となりました。

・一個下の年代とトレーニングマッチ!
今日は少ないこともあり、U10/11の年代とトレーニングマッチ。ゲームフォーマットは下に合わせて7人制。GKを借りて試合開始。
開始直後はさすがの上級生達、キレキレのパス回しで相手を翻弄します。さくっと1点を獲得。これは一方的な試合になるか?と思いきや、2点目がなかなか取れない。そしてディフェンスの選手が少なく、不慣れなビルドアップとなり、簡単なミスから何と失点。今日はキチコーチがお休みでアシスタントコーチが担当。感情的に「何だそのミスは!」とつい声を荒げてしまいます。そんな雰囲気では立ち上がりの良いパフォーマンスがなかなか発揮できず、なんと2失点目。勝ち越しを許してしまいます。なんとか持ち直し、2-2でハーフタイム。アシスタントコーチはみんなを落ち着かせ、やることを確認。後半からはさらにパフォーマンスを戻して、後半は割と一方的な試合になりました。

・ドイツの子は何が最も大事かを無意識化で理解している。
年代が1つ違うのでこちらのが基本的にチャンスを多く作ります。しかし前半は2-2で、なかなか上手くいかず自滅しかけました。
個人的に日本との違いで感じたのは10歳にしてなにが大切かをみんな理解しているように見えました。大きな違いは総合力では明らかにこちらが上回っていても簡単に得点できないのです。日本のグラスルーツでよく見かけるのが、圧倒的格上になすすべなくボッコボコにされているチーム。もちろん、ドイツにもそんなことはあるんですが、前半までとか、途中まで拮抗した試合を見せるのです。日本でよく見たのは開始早々簡単に失点し、1試合通してボッコボコにされ続けます。そして彼らはこういうのです、「俺たちのサッカーをしよう!」と。
いや、ちょっと待てよ?俺たちのサッカーをしたいのはわかるが相手を見てみてほしい。そんなこと言える相手じゃないのではないか?
それなのに自分達のサッカーを突き通そうと、相手の強さを無視しいつも通り特攻しボコられます。
ドイツでは今日みたいな格上相手には、選手ら全員で、「まずはゴールをしっかり守ろうぜ」の意識があるように見えます。だから無謀なチャレンジはあまりせず、セーフティに守備をみんなで固めます。そして鋭いカウンターを狙うのです。その形が自然に、無意識化で10歳にしてやれているように見えます。その中でも自分らの得意なサッカーを時々見せます。自分らのサッカーを捨てるのではありません。「勝つために」この相手にどう戦うか?と戦う術を考え続けるのです。日本でよく見かけた光景は「勝つためにどうしよう?」と言う基本的なことが抜け落ちていたのではないか?と感じます。

・トップクラスとグラスルーツの指導の違い
こないだまでオランダに行きアヤックスのサッカーをたくさん見ました。彼らは世界でもトップクラスの選手たち。アヤックスにはオランダ中から集まるスーパーサッカーエリート達の集まりなわけです。そんなトップクラスから学ぶことはたくさんありますが、やはりグラスルーツからしか学べないものもあるのではないかな?と感じます。どっちかが良いとか悪いとか、そんな話ではなくてそれぞれ違うアプローチを考える必要があると思います。
例えばアヤックスに来る選手はプロを目指して命懸けでサッカーをしています。だから練習に参加するのは当たり前で人生において現在のサッカーの優先順位は上でしょう。
しかしグラスルーツには様々な選手達がいます。サッカーは暇つぶし。親に言われてやってる。友達と遊ぶ感じ。って選手もいるわけです。ゲームのが優先順位が高い選手もいるわけです、僕がそうでした。そもそもサッカーが好きじゃなかったりするわけです。だからまずサッカーを好きになってもらうアプローチも時には必要だと思います。10代後半とかではサッカーより彼女!とかサッカーより遊び!みたいになることもよくあるわけです。これも僕がそうでした。部活サボって友達や彼女と遊んだりしてました。そんな人に「おれはアヤックスみてきたけど、もっと真剣にやってたぞ!アヤックスみたいにやれ!」と言うのはなかなか場違いな気がします。
先日アヤックスのコーチ達は試合中大声での声かけをせず、見守り続けるアプローチをしていました。しかしグラスルーツではそうはいかんと思うのです。こ選手1人1人サッカーに対する向き合い方が違うわけですから、彼らをしっかり観察し、理解し、そんなバラバラな向き合い方をしている選手達を少しでも一緒の目標に導くアプローチがグラスルーツの指導者には必要だと思います。
アヤックスのサッカーから学ぶことはないわ。と言うわけではないです。トップクラスから学ぶこともたくさんあります。トップの選手のサッカーの向き合い方や試合や練習の仕方。トップを知ることは大切だと思います。
しかし残り3ヶ月のドイツ生活。僕はトップクラスよりもグラスルーツの指導現場から学びたいことが多いのかな。と思いました。
僕の夢はそんなグラスルーツのチームを作ること。そしてサッカーを大好きな子どもがたくさんになって欲しいから。

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