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#3 量産されるクリエイティブ風選手

こんにちは。ドイツフライブルクは先週まで−10度で極寒でしたが今週は10度。先週までが異常だったみたいです。

昨日に引き続きサッカー年代別トレーニングの教科書について。
昨日書ききれなかったドイツのトレセンシステム。ドイツ語ではシュツットプンクトと言います。DFBは「一人のタレントも見逃さない」という強い決意で導入した、366の地域に分けてトレセンを設置し、そこから才能豊かな選手を発掘する。同時に指導者を招待し指導者向けの講習会も行っている。要するにドイツサッカー哲学を広める役割を果たしている。
素晴らしい取り組みで、日本のトレセンとは少し違った感じがしますね。
と、思っていましたが先日ホッホドルフU12の選手がこのトレセンに参加していたのですが辞めたと聞きました。なんで!?と話を聞くと「コーチがミスを監視するような感じで見てくる。常に採点されているような気分でサッカーをやらなくちゃいけなくて、楽しくない。」
吉之伴さんも時々最近のトレセンについて疑問を持っていました。本来の目的を見失い、トレセンに選ばれなければならない。と考える人も出てきているみたいです。僕自身が実際見たわけじゃないですし聞いてるだけなのですが、1人の選手がマイナスな理由で自ら辞退した事実は確定です。
そして日本でもトレセンシステムの見直しは必要だと感じます。日本のチームでのトレセンの選考についてきくと身体はまだ小さいけれど、技術があり、クリエイティブで、「イレギュラー」な選手は落選し身体が既に大きく、器用で「お利口さん」な選手が選考されている印象です。つまり選手を育成ではなくその時点で強い集団を作っているように見えるのです。トレセン活動の優先順位は迷いなくクラブ活動よりも高く一体なんの目的でやっているんだ?と疑問が挙がります。

ここで題名にも使用した「クリエイティブ」と言う言葉。本書にてコンセプト通りの「クリエイティブ風な選手」が増えていると書かれています。熱心にコーチや保護者ら大人が勉強し子どものために教える、いや教えすぎてしまった結果自主性や個性が失われる悪影響が発生した。選手は器用にプレイするお利口さん。しかし指導者が作った枠組みの中でしかプレイ出来ない「クリエイティブ風な選手」になっていく。
これの何が問題なのか?先日行われたW杯ではたくさんの波乱が起きました。サッカーとは何が起こるかわからないスポーツで勝敗を予想するのが難しいです。日本代表がスペインとドイツを倒しグループ首位突破すると予想した人はいるでしょうか?日本とドイツの試合では前半を観てスコアは1-0でしたが日本は何もさせてもらえずドイツが常にボールを支配していました。僕はドイツの余裕勝ちだなと思ってしまいました。後半は日本のシステム変更により立場は逆転。予測不能な日本のアクションによりドイツは混乱しあっという間に2失点。こんな展開誰が予想したでしょうか。「クリエイティブ風選手」では自分の予想外の出来事に対応ができません。サッカーはこのように何が起こるかわからないスポーツであり監督からの指示を待っていては間に合いません。選手自身で解決方法を創造し状況を打開しなければいけません。だから小さい頃から自分で考え、創造性を育む必要性があると思わされました。サッカーについてたくさん教えて小さい頃から良いサッカーをすることは見栄えはいいかもしれません。しかし将来性についてを一考するべきだと感じます。

昨日に引き続き似たような話になってしまいました。ですがそれだけ重要であり、指導者が間違えやすいことなのかなぁと感じます。日本は小さい頃からクリエイティブ風なサッカーをさせることを好む大人が多いように感じています。その時期に本当に必要なトレーニングは何か?をしっかりと考え理解できる人が増えてくれるといいですね。

他にまとめたいのは年代別のトレーニング整理と確立、サッカー哲学の重要性などについて後日まとめたいです。

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