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#97 ダンケシェーン。SVホッホドルフU19のみんな。

こんばんは。
久々の投稿になってしまいました。
ここ最近は残りわずかなドイツ生活で、帰国準備やら最後の機会が多くて時間がありませんでした。
ちょっとしばらくは日記形式で書き残していきます。

・最後の練習とお別れ会。
シーズン最後の機会として、みんなでボウリングに行った。
それぞれサッカーでは見れない顔が見えたりして面白い。
途中マンチェスターシティとレアルマドリードのCL準決勝がはじまり、何人かがスマホで見始めた。僕も興味があった試合だから一緒にみていた。
一緒にみていた選手はバルサファン。ほぼ毎回練習にバルサの服を着てきていた。
「どっちに勝って欲しい?やはりシティ?」

「ああ、そうだよ。レアルは好きじゃないからね。でも唯一モドリッチは好きだよ。」

「トニ・クロースは?彼は同じドイツ人だよ。」

「ああ、彼は、んー、ドイツ人だけど、好きじゃない笑」
少しそんな話をして一緒に見ながら、ボウリング。楽しかった。

最後にはコーチから感謝の言葉を送られ、選手みんなから拍手をもらった。
そしてSVホッホドルフのタオルをプレゼントしてもらった。
改めてチームの一員として認められていたことを感じさせられて本当に嬉しく思えた。

そのタオルには
「SV Hochdorf 1920」
「100 Jahre」(100年)
と書かれていた。

そう、このクラブは100年以上の歴史がある。
ただの街クラブにだ。

そんな歴史の中の1年に関われたことを本当に嬉しく思う。

そしてその後、月曜日はU19は最後の練習。
不運にもこのタイミングでガッツリ風邪をひいてしまった。最悪だ。
ドイツに来てからほぼ毎月体調不良になっていた。
慣れてきたと思っていても、慣れない環境はいつの間にか自身の身体への負荷がかかっているのかもしれない。

本当に残念だった。最後にまたみんなでサッカーをして、握手をしてお別れしたかった。

その日の夜に、キチコーチから動画が送られてきた。
「無事日本に帰ってね!」「待ってるよ!」
チームみんなが集まって僕に向けてメッセージを送ってくれた。
最後の最後までいい奴らだった。

前回の記事からそのまま使用。
U19での振り返り。

ここでは街クラブでのコーチの難しさを教えてもらった。
18歳前後という色々ある年頃で、U13のように合宿やミーティングをやって、チームビルディングをすることはなかなか出来なかった。そもそも練習参加人数が少なかったのもある。
大人になる程世界が広がり、サッカー以外のものへの興味が出てきたり、時間を割くようになる。それは仕方がない。
このチームは僕以外にベテランコーチ3人がいた。
しかしなかなかうまくいかない。コーチ達が頭を抱える場面はよくみた。

このベテランコーチ達に尊敬をする。
投げ出さず、理想通りにいかないけどやれることをやろうとする。チームの数名はそれについてこようとして、少しずつ少しずつチームとしてまとまろうとしていたと思う。
自分もチーム状況が苦しいことになった時にベテランコーチ達3人の姿を思い出したい。

シーズン最後の2試合は、良くなってきていた。
シーズン終盤は特に上手くいってなかった。前半30分ぐらいまでは0失点で耐えるが、1失点すると集中を切らしたり、前へ急ぎすぎて、立て続けに失点し、前半0-3で帰ってくるなんてよくあった。
今日も前半0-3。諦めムードは少しあったけど、チームで狙いを共有し、なんとか1点返す。ピンチは多くあったが、キーパーを中心に耐え切る。結果は1-3。
もしかしたら相手のメンツが変わってたかもしれないけど、後半はいつものようにボロボロにならず同じ相手に1-0のスコアで終えられた。
シーズンは終わってしまったが、これから!ってタイミングがやっときたのではないか!?と感じる。
もう少し、リーグが続いてほしかったなぁ。

そしてもう1つはサッカーの楽しさを再認識させてくれた。
練習人数が少ないのでいつも一緒にやらせてもらった。相手の年齢もU19だし、ガチで参加した。このためにスパイクとキーグロをドイツで購入までしている。

この練習がマジで楽しかった。
自分でも選手としてすげぇ成長したと実感できている。
6歳頃からサッカーをはじめて、今年で26歳になる。約20年間サッカーに関わっているが、ここでやったサッカーが1番楽しかった。

実は僕はサッカーにあまり楽しさを感じていない子どもだった。運動は苦手な方だし、大きな目標もなかった。サッカーが楽しいというより、サッカーの友達と一緒にいるのが好きだった。サッカーが終わった後のコンビニでの買い食いとか、みんなで集まってモンハンとか。そんな時間のが今も記憶にある。

だから「サッカーの楽しさを伝えたい!」と口では言いつつも、実はサッカーの楽しさを実感した時間はかなり少なかった。
いや、本気で楽しんだことがなかったのかもしれない。

だけど、ここでは「マジで楽しい。」「もう少し上手くなりてーな。」と思わされた。

そして言葉は通じないはずなのに、選手達とすごくコミュニケーションは取れた気がした。
「ここにパスがほしいんだろ?」「ここに走っててほしいんだろ?」「ここで守りにきてほしいんだよな?」
アイコンタクトや、ジェスチャー、簡単な単語、プレイから彼らは僕に伝えてきた。僕も伝えた。

ここには「サッカー」という言語があるようだった。
日本語が通じる日本人より彼らとはコミュニケーションが取れた時があった。

ああ、サッカーって楽しいな。
何度リーグ戦の途中、試合に出たいと思ったことだろうか。
ここでは一緒にサッカーをしてくれた彼らに感謝をしている。
そして、これが当たり前ではないことにも気づいてほしいなと思う。

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