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20220228 日記219

買ったもの

舞台俳優さんたちをみて、やはり美しさの基礎のようなものは体幹と姿勢の良さにあるように感じたので、猫背を矯正するために購入した。

3月は姿勢と歩き方を意識して過ごそうと思います。今日は意識をしすぎてオードリー春日みたいに胸を張って大股で歩いていた。

これも買った。

体幹を鍛えるというのが具体的にどうすることか分かっていないが、とりあえずプランクをしている。

読んだもの

オードリーのANNを聴いてから、世阿弥の『風姿花伝』に興味を持っていたのだけど、舞台を観たことと、仕事上で行き詰ったこともあり購入。読みやすいのばかり選んでいる。

その仕事の話題で、ちょうどジャパネットたかた社長の名前が出たので「高田明と読む世阿弥」から読んだ。

ビジネス書だったけど、俺は意外とビジネス書は嫌いじゃない。ようは全部を実践するのではなく、受け入れられる部分を自分に取り入れればいいと思っていて、これまで敬遠してきた分、結構取り入れるべきものが多いジャンルであるとも感じているから。

高田社長自身、もともと能・狂言を観たことが無く、社員から社長と同じことを言ってる人がいると教えられて世阿弥に触れ「俺と言ってること同じじゃん」となり、風姿花伝に書かれた世阿弥の表現技法と、テレビ通販の営業テクニックとの共通点を書いた連載をまとめた書籍だった。

面白かったし、思いの外、精神的にも技術的にも、かなり今知りたかった内容だったので、やる気が湧いてきたのが一番良かった。

世阿弥は役者の輝きをに例えているのがいい。散るからこそ花は美しいという思想であり、生涯に渡って、舞台の上で花を咲かせるにはどうすればいいのかという美学が風姿花伝には詰まっている。

花には「時分の花」「まことの花」があり、時分の花というのは年齢や時勢が味方をしてくれている輝きのことで、まことの花とは生まれ持った才能に加えて、努力によって積み重ねられた能力のこと。

時分の花の勢いが、まことの花の研鑽を瞬間的に上回ることもあるのだけど、600年も前から世阿弥は「時分の花」「まことの花」と勘違いして消えていくことを嘆いていたという。

昨今は世阿弥のいうところの『まことの花』よりも『時分の花』が脚光を浴びて、散っては、また新しい何かに取り替わるという新陳代謝が活発になっているようにも感じる。

世阿弥は、初心を忘れずに『まことの花』に至るための修練をいつまでも欠かさなければ、年齢ごとに『時分の花』を咲かせられると言っている。

このドキュメンタリーにめちゃくちゃ感動したことを思い出して、一瞬の脚光が悪いというわけでは無いけど、やはり人々の心に残り続けるのは生涯を積み重ねた先にだけある本質的な美しさだという思いは強く、そういうものを残せる生き方をしたいという思いを強くした。

若林さんも『風姿花伝』を読んで、自分たちがやってる漫才との共通点を見出していたように、人前に立って、誰かに何かを伝える表現をするという道を極めようとしている人たちには、600年の時を経ても共感を得る内容になっているのだな……と思った。

若林さんがナンチャンに能の稽古に誘われていてるのを何とか撒こうとしている話とか、高田社長が能に触れた気配がない感じで1冊本を出してるのをみて笑ってしまった。

さすがに俺も「まず能みろや」とツッコミたくなってしまったところはあったが、俺も風姿花伝の思想の本だけ読んでる状態なので、完全にツッコミを入れらている側なんだよな……。

愛なのに

映画としてはめちゃくちゃ良く、手紙や鏡というモチーフも秀逸で、愛というものの身勝手さや、どうしようもなさをコメディ描写も交えながら、とても愛らしく描かれたお話だったなと思った。

1年前の俺なら手放しで絶賛していたと思うが、これは俺が成長しているという意味ではなく、変化しているという意味で、その境遇の変化との鉢合わせが悪かった感じがあった。

同時に、決してキレイなだけのお話ではなく、欲望の話も交えて、傷つけあいながらも折り合いをつけていくお話でもあったので、観終わった後、人と人との関係性とか、人間そのもののことがちょっと怖くなってしまうという気持ちもあった……。

その怖さ自体が、最近、俺が目を背け続けてきたと認めざるを得なくなってきた「手紙を送り続けること」「想いを伝え続けること」「誰かと向きあって、何かを届け、その返信を待つこと」を描いたものだったからなんだろうな……と思っている。

告白にフラれた男の子が贈ろうとしていた花をたたきつけた後に、花壇に植えたシーンが死ぬほど良かった。

直前に、多田さんが岬ちゃんを傷つけた「幸せになって欲しい」が、受け取られなかった花を叩きつけて花壇に植えるという表現になっているようにも感じた。

2作目の『猫は逃げた』も楽しみにしております。

今日の一ツイ

丁寧な生活は丁寧なひげそりから始まる。

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